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卒業旅行記06_【バルセロナ-ガウディの原点-】

バルセロナ市内の主要駅であるサンツ駅から電車に乗り、建築家アントニオ・ガウディの原点といわれている場所に行く。電車で1時間の道のりだ。

サンツ駅で俺らは焦っていた。

友弘がまだ来ていない

卒業旅行の2日目に無くしたパリで購入した絵を、忘れ物センターなる場所に取りに行っていたからだ。俺らは出発の1時間前には駅についていたが、10前になっても来ていない。

結局、乗車5分前に来て、すでに勝ってあった電車のチケットを渡し、俺らはギリギリ間に合った。

忘れ物は見つからなかったそうだ。

この経験を得てお勧めしたいのは、「海外ではそれほど重要でない限り忘れ物は諦めろ」という当たり前のことだ。

モンセラット

電車で1時間かけて、ガウディ建築の原点であるモンセラットの最寄駅に到着すると、ロープウェイに乗り頂上へと向かう。

類を見ない丸っこい山並み。

モンセラットとはノコギリ山という意味らしいが、そんなギザギザしたものではない。ただこの特徴的な景色はカタルーニャの聖地とされ、バルセロナで最も「女性名」として使われているそうだ。

「これがガウディ建築の原点なのか」

確かにこの世の自然界の景色としては素晴らしいのだが、これがあのような有機的な建築の原点なのかと考えると、少しだけ納得がいかなかった。

芸術に関わらず、創作のイメージなんてものは、どこに転がっているかわからないものであるから、ガウディがこの景色を見て建築を作れたのもあり得ない話ではない。

頂上のロープウェイの駅から5分ほど歩いて、サンタ・マリア・モンセラット修道院に行く。

スペイン独立戦争の際、ナポレオン軍に破壊されたが、その後ゴシック建築とルネサンス建築の折衷様式として建築されたこの修道院は素晴らしかった。

黒マリアを拝んだ後、トレッキングコースを歩きゴバ洞窟まで歩く。途中の山道にはガウディが設計したと言われているモニュメント「キリスト教の復活」もあり、短い時間であったが堪能することができた。

午前中いっぱいをモンセラットに使い、午後13時頃の電車に乗りサンツ駅まで戻った。

途中、コロニアル・グエルを見過ごしたことに気づいたが、すでにサンツ駅近づいていたので諦めることにした。

皆さんは是非そうならないようにして方が良い。

ここでモンセラットを見学した今でこそガウディ模型を何点か。(カサ・ミラに展示してある)


モンセラットがガウディ建築の原点であることは、理解できただろうか。

バルセロナにあるサンツ駅には15時頃に到着し、周辺で少し遅めの昼食を取ることにした。

事前には何も調べてなかったので適当に探して入店した。

そこで俺は悩んだ末にリゾットを頼んだ。全員分の注文を終え、ガウディ建築について語り合った。卒業旅行に限らず、建築旅行をする場合は、その建築の良さや気づいた点を語り合える誰かと一緒に行くことをお勧めする。

自分では発見できないことがあるから。

その時薄っすらと、「チン」という音が聞こえた。友人たちは話に夢中だったので気づいていないようだった。

すぐにその音が気のせいでないことが確認できた。私が座っている席から厨房内が見えたからだ。お店の厨房にある5台もの電子レンジである。

全員分のメニューが届き、食べ始めた。

「このリゾットうまっ」そう田畑が言う。

更に海くんが言う。

「スペインに来て一番美味いわ」と。

海くんのその言葉を聞いて俺は決心した。

この料理が冷凍食品であることを。

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