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【建築×ブロックチェーン】テクノロジーに乗り遅れない建築家になる

皆さんこんにちは!

20代の一級建築士、Kaede Architectのなかむラテです。

前回から「これからの建築ビジネス」というマガジンを書き始めました。

副業をテーマにした前回のコラムでは、『ナイキ理論』とターゲットについて触れました。

「専門的な知識を噛み砕いて、まだテーマに興味のない人たちに伝えること」が建築においても必要ですし、これからのビジネスとして発信していきたいというのが私の考えです。

▼前回コラムはこちら

「建築」という一つの分野に限定するのではなく、様々な分野と建築を常にミックスすることで、建築の可能性も広がっていくのではないでしょうか。

そして、今回のコラムでは、「これからの建築ビジネス」を考えていく上で欠かすことのできない『テクノロジー』について触れています。急速に進むテクノロジーに建築家として遅れを取ることは、あってはならないことですし、私の勉強も含めて今最も注目されている「ブロックチェーン」について書くことで、未来を見ていこうと考えています。

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先日、Archifutre2019に参加し、『ブラックチェーンは建設業界を激変させるプラットフォームとなるか』という講演会を聞いて来ました。

インターネット依頼の大発明であると言われているブロックチェーンという技術が、建設業界でどのように使えるのか?」を考えていこう!といった内容です。

結論から言えば、ブロックチェーンが建設業界をどう変えるのかについては、「まだ分からない」というのが本音です。

もちろんブロックチェーンを応用して発展を進めようとしている全分野がそうなのかもしれませんが、建設業界においてもまだまだ模索段階です。

そんな中で、日建設計の山梨さんが、『建築もフィンテック(金融×テクノロジー)に足を突っ込まなくては』という言葉が出てきました。

フィンテックというのは、金融サービスと情報技術と組み合わせることで起きる様々な革新的な動きのことです。スマートフォンでの決算や送金もその一つです。

そういった革新的な動きに対して、建築業界や建築家個人も理解して、利用していかなければならないということを言っているわけです。

私自身もこれから建築家として生き抜く上で、急速に進むテクノロジーに建築家として乗り遅れることはあってはならないことだと感じています。

ブロックチェーンとはなんですか?

こう聞かれると、テクノロジーに未熟な私は本に書かれていることを要約して、こう答えるしかありません。

『仮想通貨の基盤技術として誕生した概念で「分散型台帳技術」のことであり、取引などを記録するための台帳をネットワーク上の複数のコンピュータで相互確認し、改竄を防ぐ、新しい管理の仕組み」

つまり、仮想通貨はブロックチェーンによって成り立っている。

うーん。

皆さんは理解出来ていますか?

正直私も始めて聞いたときは、良くわからないと思いました。

『ブロックチェーン』について、「よく分からない」、「仮想通貨と何が違うの?」と思った方は、オリエンタルラジオあっちゃんのYouTubeチャンネル「中田敦彦のYouTube大学」にブロックチェーンの動画が上がっているので、是非ご覧下さい。

分かりやすく、面白く、解説してくれています。さすが喋りのプロ!凄い!

私もこの動画とブロックチェーンと仮想通貨の本を3冊ほど読んで、やっと理解が追いついたところです。

素人同然ですが、ブロックチェーンを勉強して思うことは、『本当に可能性は無限大なんだ』ということ。そして、ブロックチェーン無くして、これからの時代を生き抜くのは難しくなるということです。

本コラムでは、ブロックチェーンについての理解を深め、建築とブロックチェーンの活用方法を考えられる人が生まれて欲しいと思っています。

『ブロック』と『チェーン』

個人的にブロックチェーンを理解するためには、ブロックチェーンという言葉を文字通りに『ブロック』と『チェーン』に分割して考えると良いです。

まず、『ブロック』については、「みんなが取引した記録をまとめたもの」です。

取引記録を箱(ブロック)に詰めてある状態を想像して下さい。

次に『チェーン』というのは、始まりから現在までの取引記録が入った箱が全てチェーンで繋がっている。というものです。

そして、

その取引記録をみんなで確認して、

みんなでその記録を持つという『分散型』な管理の考え方(思想)がブロックチェーンの本質です。

みんなで記録を持つこと(リーダーなし)によって、不正や改竄が出来なくなるということ。みんなで記録を持つこと(リーダーなし)によって、システムのダウンが起こらないことがブロックチェーンのメリットです。

そしてリーダーがいないことによって、

『国や政府に管理され、搾取(手数料等)されることがない、全世界が共通で使える新しいお金が作れる!』

これが仮想通貨の誕生だったのです。

ビットコインの仕組み

上記までは、ブロックチェーン技術を簡潔に説明した内容でしたが、ここからは少し難しい言葉が出て来ます。「読みたくない」って方は飛ばして頂いて構いません。

「ビットコイン」は、皆さんご存知の通り、最初の仮想通貨です。

ビットコインが誕生した経緯を簡単に書くと、

サトシ・ナカモト(日本人っぽいがどうやら日本人ではないらしい)という人物が仮名で、「ブロックチェーンを使ったら、仮想通貨が作れる」という論文をネットに発表したことによって生まれました。

サトシ・ナカモトの論文が凄かったのは、「みんなで確認する」ことが解決出来たからだと言われています。

実態がないインターネット上のお金の取引をする時、性質上「二重支払い(2人に払っちゃえみたいな)」を防ぐことが1番難しかったそうです。

ブロックチェーン自体は、これまであった技術の組み合わせで成り立っているのですが、

サトシ・ナカモトは「マイニング」というシステムを取り入れることによって、二重支払いを防止出来ることを発表したのです。

そして、こういう仕組みでビットコインは成り立つことになったのです。

①暗号化技術  (ブロックに詰める)
ブロックに詰めたものを暗号化する
②コンセンサスアルゴリズム (みんなで確認する)
PoW(プルーフオブワークス)というマイニング作業によって、暗号を解く競争をする。暗号が解けたらチェーンで繋がれる。
暗号を解いた人に報酬としてビットコインが与えられる。
(私たちがビットコインを買うことが出来るのは、マイニングを成功した人が取引所に売っているから)
③P2Pピアツーピア (リーダーなし)
管理者を通さない、個人と個人の対等なやり取り
④分散型台帳技術 (みんなで記録を持つ)
改ざんを防ぎ、システムのダウンも防ぐ管理方法

ブロックチェーンは世界を変える?

これまで説明して来たブロックチェーンは、Iotやクラウド、AIとは比べ物にならない発明だと言われているそうです。

その理由は、IoT、クラウド、AIが全てリーダーが必要な中央集権型なのに対して、ブロックチェーンだけが、みんなで管理するという自立分散型の考え方だからです。

確かに、便利になるという面では、IoTもクラウドもAIも素晴らしい技術だということは分かりきっていますが、

ブロックチェーンだけは、便利になるどころの話ではなく、これまでの概念をも変える可能性を秘めている思想なんです。

ブロックチェーンのこれから

ブロックチェーンによって仮想通貨が誕生した流れをブロックチェーン1.0と呼ぶそうですが、これからは金融関連以外のあらゆる分野での活用が期待されています。

「建築」という分野も何か出来ないか?

これが今、みんなが一生懸命考えていることです。

今現在で活用が期待されているのはどんな分野でしょうか?

まず言われるのが、先にも述べた「①フィンテック(金融×テクノロジー)」です。

金融関連以外で真っ先に言われるのは、「②シェアリングエコノミー(物、サービス、場所を多くの人と共有する社会の仕組み)」ですね。

そして、「③コンテンツ管理」も挙げられます。

仮想通貨イーサリアムを作り出した天才がビットコインにはない物として取り入れたのは、ブロックチェーンのブロックの中に契約も入れてしまうといったことです。

取引の契約内容の確認と実行をプログラムで自動で行うスマートコントラクトを、ブロックチェーンに組み込むことが出来れば、世の中のさまざまな取引に応用が可能と言われるようになりました。

シェアリングエコノミーは、建築分野にもかなり関係がありそうです。

街中で自由に乗れて、行きたいところまで行って、降るだけで決済が終わる運転手のいないタクシーみたいなシェアカーが誰がどこまで行ったかの記録をみんなが自由に確認出来て、決済もスムーズに出来れば、駐車場なんて少なくなりそうですよね。

不動産取引なんか、今みたいに所有者や土地の面積や宅地であるかないかを書類で毎度書き換えないといけないものを、スマートコントラクトをブロックチェーンで記録すれば、かなり楽にスムーズになりそうです。

このように世の中を変えてしまう可能性を秘めているのが、ブロックチェーンです。

しかし、今すぐ出来るかと言われると、それは難しいらしいです。

なんででしょうか?

ブロックチェーンが普及しづらい理由

それは、「法律を超えられないから」らしいです。

不動産取引にも法律があって、例えば取引するためには「〜ような」書類を出さないといけないと明記されているそうです。

つまり、不動産取引をブロックチェーンでやろうと思ったら、まず法律を変えないと行けません。

後は、既得権者も嫌がります。

不動産業者は嫌ですよね?

自動的にスムーズに出来る様になったら、手数料が貰えなくなるわけですから、当然です。

そんなこんなで今すぐにブロックチェーンで何かが劇的に変わることは難しいです。

それでも、IT関連の人が口を揃えて言うことがあるそうです。

あっちゃんの動画でも本にも書いてありましたが、それをお借りします!!

それは、『テクノロジーは止まらない』ということ。

いつか必ず劇的に世界が変わる。

ブロックチェーンはその可能性を無限大に秘めているんです!!

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凄いですよね。

そして知らなかったら、どんなに出遅れるか理解できたのではないでしょうか。

「建築×ブロックチェーン」を語る上で、まずは「ブロックチェーン」という技術に対して、理解を深める必要があったため、前段が長くなってしまいました。

すみません。

Archifuture2019の講演会で聞いたことや、「建築×ブロックチェーン」で出来るようになるであろうこと、そして今どんな取り組みがなされているのか等については、次のコラムで書きたいと思います!





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なかむラテ@一級建築士
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