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枚方文学ストリート構想について【出版社をつくろう】

枚方市駅の駅前にニッペパークという公園がある。

そこではしょっちゅうイベントが開催されているのだが、どうにもそこでイベントをやる団体は枚方市のにぎわい創出事業というプロジェクトを活用しているらしい。にぎわい創出事業を活用すれば、公園使用料はもちろん、テントやテーブル、椅子などの備品レンタル料もすべて無料になるのだ。

なるほど、これは活用しない手はない。僕はかねがね、生活に根ざした身近な文学イベントをやりたいと思っていたのだ。

出版不況や書店の閉店、活字離れが叫ばれるいまでも、文学フリマは年々巨大化している。

価値観が多様化しベストセラーが生まれなくなったいま、マスコミュニケーションとしての大量生産&全国流通型の出版スタイルに人々は魅力を感じなくなった。いま、人々は消費者として本を消費する体験ではなく、書き手と読み手が入り乱れた参加型の文学体験を求めているのだ。

一方で、文学フリマやそれに類する小規模のZINEフェスなどは、各地で頻繁に開催されているとは言い難く、せいぜい年に数回程度のものであった。

需要はあるが、供給はない。ならば、つくるしかない。

以下の記事にも書いたが、僕はISBNコードの有無やプロアマの垣根を乗り越えていきたい。全国流通の本にだけ価値を見出すのでもなく、かつ手作りのZINEを神格化するのでもなく、両方を同じ土俵にあげていきたい。

そのスタンスはマスコミュニケーションとしての出版が限界を迎えていることからも必要であることはあきらかだ。

文学フリマでは、ちょっとした有名作家がブースを構えていることもあるが、彼らが知名度を武器に無双し、隣の素人ブースがお通夜状態になる・・・などという事態は珍しいように見えた。つまり、読者は目の前に現れた作り手の背後にある権威の威光に目が眩むのではなく、本と書き手と直接対峙している。そうした体験を、読み手も求めているはずだ。

また、イキイキと顔を輝かせる書き手と対峙する体験は、「本を読むこと」をお説教臭い道徳律として押し付けられる子どもたちにとっても、本の魅力をありのままに味わえる理想的な体験になるように思う。楽しんでいる大人の姿を見せること以上の教育はない。いつか、作り手となるイメージを持つことにもつながる。誰もがふらっと訪れる公園という場でそれを行うことで、あらかじめ文学少年と文学少女にターゲティングされた文学フリマとはまた異なったにぎわいを創出できるに違いない。

・・・そんなこんなで僕は枚方市役所に赴き、観光にぎわい部で相談してみた。申請方法やなんやらを聞いてみたが、市としても「応援したい」という思いでやっている事業なので、さほどハードルは高くないようだった。もちろん、まったくハードルがないわけではないが、いまから取り組んでいけば、難なく突破できそうな印象である(ちょっと助けを借りなければならない人もいるので、今度その人に会いに行こうと思う)。

先述の通り、素人であろうが、プロであろうが、書店であろうが、版元であろうが、なんでもありのイベントにしたい。たぶん10〜15ブースくらいになりそうだ。僕が声をかけたい人だけで、半分くらいは埋まっちゃいそうだが、願わくば一度成功させて、2ヶ月に1回か、あわよくば月1回くらいの頻繁なイベントにしていき、いろんな参加者を募っていきたい。

・・・と、構想でしかない段階でこうやって考えをオープンにするのが僕のやり方である(そうやって自分を追い込み実現に向けてやっていくという効果にも期待している)。ぜひ、参加表明したり、コメントしたりして、僕を追い込んで欲しい。


※イベントをやる動機については、『文学フリマ巨大化を憂う』というZINEに寄稿した以下の文章にも書いた。

https://note.com/preview/n632b0d5aa6c4?prev_access_key=91d2f303bc669360292d6a354356fcc1

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久保一真【まとも書房代表/哲学者】
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