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『悪口論』vs『労働廃絶論』W刊行記念イベント(・・・という体裁で行われた喧々諤々の討論大会)

高槻、摂津富田駅近くにある人民新聞事務所にて、2/14(金)に開催した『悪口論』vs『労働廃絶論』の刊行記念イベントが、それはまぁとにかく盛り上がった。引くぐらい盛り上がった。

トータルで20人くらい?は参加してくれたんじゃないかと思う。

パンパンの事務所で、お酒を飲み、お菓子を食べながらひたすらトーク。来場者の乱入もなんでもアリ。でも、ファシリテーター役を買ってくれた小峰さんが上手く話題を提供し、場を回してくれたので、カオス状態に陥ることもなく、僕含めてみんながとにかく好き勝手にしゃべることができた。

小峰さんは次々と僕に鋭い質問を投げかけてくれて、結果としてほとんど『労働廃絶論』の話題で2時間以上の時間が過ぎていった。その点は申し訳ない気持ちであるものの、盛り上がったので大満足である。

やはり、『労働廃絶論』やアンチワークの話題は盛り上がる。誰にとっても重要なテーマに対してラディカルな視点をもたらすので、誰もがひとこと言いたくなるのだと思う。

議論はあちこちに飛び火したので、以下、箇条書きで印象深い議論を羅列していく。

・小峰さんの「『労働廃絶論』を読んで資本主義は恐喝罪だと気づいた」という話が印象的だった。司法試験の受験を検討しているほどに法に重きを置く小峰さんならではの視点である。

・「『労働廃絶論』は論破不可能すぎて、逆にそれが話題にならないのではないか?」と言う指摘もいただいた。たしかにそれは一理ある・・・

・「労働」という単語には様々な意味が含まれるので「強制」「ビジネス」「仕事」など別の角度からの説明の方がすんなり入るのではないかと言う会場からの指摘もあった。これは確かに一理あるものの、僕は「労働=生産=人間にとっての苦痛」的な労働生産論的観点への攻撃に注力しているので、どこまでこの考えを取り入れるべきか悩ましい。

・「地方議員ではなく全国比例で参院選にでちゃってもいいんじゃないか?」という意見もあった。それも一理ある・・・

・来場された方の「自分は近所の方の介護を自発的にやって、労働を撲滅している」と言うお話がおもしろかった。介護は労働廃絶後の世界において、遊び化できるかわからないという意味で重要なテーマであるが、それを実際に遊びとして取り組まれているとのことで、労働廃絶後の世界へのヒントを貰えた。

・トイレ掃除の労働を、遊び化している方の話も聞けた。効率化や、丁寧な清掃に取り組むことにゲーム要素を見出して、その結果、やらなくていいところを掃除したり、勝手に休憩時間をつくったりしているとのこと(それが管理者には気にくわないらしく、それでかつては揉めていたとのこと。労働が生産性よりも管理を優先するというブラックの指摘を思い出させる現象である)。

まぁ詳しいところはYouTubeのアーカイブにて。

喧々諤々の議論になっているので、自分で言うのもなんだが見ごたえがあるものになっていると思う。

やはり、こうやって議論することの重要性を改めて思い知らされた。僕はアンチワークについては議論し尽くしたと己惚れてしまう節があるのだけれど、違った人と話せばまた違う論点が登場し、また思考を深めることを思い知らされる。とくに、論破目的のマウント合戦ではなく、真剣に対話を深めようという雰囲気の場であれば、得られるものは大きい。

こういう催しはもっとやっていきたい。いろんな人に参加してもらえるように、場を設けていきたいものである。

読書会やトークイベントなど、「ウチでやって欲しい!」的な方がいれば、ぜひお声がけを!!


人民新聞さんがレポートを書いてくれたので、そちらもぜひチェックを!

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久保一真【まとも書房代表/哲学者】
1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!