シーソーシークワーサー 【42 東屋カフェタイム 】
【シーソーシークワーサー 42 東屋カフェタイム】
これは春一番なのか、それとも地下鉄からの圧風で押し上げられて、ゆるやかな地上の風をいつもよりキツく感じてしまうのか、今日は、風が、いやに顔に突き刺さる。
新宿御苑前出口の交差点で、絢が不意に振り返った。
「ねぇ、もしかして、帰りたいの?」
「えっ? 今来たところじゃん? まだそのカフェってのにも着いてないし」
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