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multiplier197
【雨ときどき落雷】
朝方から、安心して聞いていた遠雷が、いよいよ迫ってきて、ピカッと光ってズドンと落ちる音がした。落雷に恐怖を感じるというよりは、拍手のような降ったり止んだりの雨音の強弱を味わっている自分がいる。
余裕というよりも、どちらかといえば、空虚の部分にもこうした季節の移り変わりはきっちりと滑り込んでくる。
春がもうすぐ終わりそうだ。
ぽっかり空いた穴は、日に日に大きくなっているようで、それほど変わりないようにも思う。
はて、自分の状態というものは、他の人の目にはどのように映っているのだろう。
「どう映っているか」という部分に興味があったりする。ちょっぴり人目を気にする。それが進行すると篭りがちになってしまう。恥ずかしいが先行して前に出れない。それまで、すっぴんでスーパーに行っていたのに、さらにメイクが落ちてテカテカの時もあったのに、いきなりオセロで逆転されたみたいに、全てが恥ずかしくなっちゃう。
同様に、書くこともそうで、何書いちゃってんだろう……と書いてから不思議に思うことがある。確かに自分が書いた文章で、物語だったりするのだけれど、ふと鑑賞者として自分に戻るといきなり恥ずかしくなる。
言葉にせずとも気づいてしまった。恥ずかしい恥ずかしいといいながら、篭りながら、私はきっとそんな自分のことも大好きなのだ。
もう春が終わろうという頃まで、ずいぶんと休憩した。
さて、「小説化」していこう。
2023年4月19日 香月にいな
ご縁をいただきありがとうございます。
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