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ひろみっちょ 〜うたうかみしばいのおねえさんたち〜
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もう56回目の披露となったオリジナルの
うたうかみしばい『うめぼしおにぎりのうた』
自然体で、心地よく、ママも、そして大人になっても、大人だけでも、リラックスして鑑賞できる……そんな優しいうたのおねえさんがいたなら……。
あ! いるじゃないですか!!
そう、和歌山県みなべ町には、ママの気持ちにも温かく寄り添う、おねえさんユニット、ひろみっちょさん!
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2022年12月2日、とある夜会にて
「ひろみっちょ」は、2人のユニット名。ピアノと歌を担当するのが、あしさこ「ひろみ」さん。
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そして、曲に合わせて展開する紙芝居やパネルシアターを制作するのが、ラクガキストのクボ「ミチヨ」さんです。
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2人ともみなべ町在住ということもあり、名産の梅や備長炭をPRするオリジナルのうたうかみしばいレパートリーも。子育て支援団体、老人福祉施設等、各種イベントで「うたうかみしばい」をその場のテーマや雰囲気に合わせて披露。様々なシーンで活躍中です。
一時期は週末の予定が埋まってしまうほど、人気に。多忙もピークを迎え、スケジュールがパンパンになったちょうどその時、コロナ禍入りに。そんな時に開催となった公民館での展示では、QRコードからYouTubeで「うたうかみしばい」を公開するなど、工夫を続けてこられました。
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ミチヨさんの「みちを」名言(迷言?)も。
↑みなべ公民館での展示会(2021年5月)
ひろみっちょ結成前
ひろみ「気がついたら、そばにいたって感じです。今では双子かっていうほど息がぴったりで不思議なんですけどね」
2人の出会いは、7年ほど前の読み聞かせサークル。今現在(2022年12月)も、定期的にグループで訪問し、小学校の朝の時間に読み聞かせ活動を継続されています。
ひろみ「読み聞かせのきっかけをくれた校長先生と出会いがあったんです。その先生は私たちの活動を見ることなく、次の年度の春に移動してしまったんですけどね。その時、私は、読み聞かせの初心者でしたから、メンバーを募って、読み聞かせの講習を受けたりと、活動を始めたところでした」
ミチヨ「気になってはいたんですけど、子どもが保育所に通っていました。その時は、朝の時間がタイトすぎて……それで、ちょうど小学校にあがるタイミングで、読み聞かせのグループに参加にさせていただくことになりました」
読み聞かせの活動を始めた頃はまだ、チームの一員だったお二人。お互いにFacebookでは繋がっていたけれど……という関係。そこから、2017年、ある歌をきっかけに、二人は急接近します。
ひろみ「地域おこしでなんかやろう!と持ちかけてくださった方がいて、話が進みました。『うめぼしおにぎりの歌なら作詞作曲したものがあるんだけど、絵が無いな』と思っていたちょうどその時、Facebookで流れてきたのが、ミチヨさんのこの絵だったんです」
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ひろみ「ピンときました! 電話しながらラクガキしましたって投稿されてたんですけど、いや、クオリティ高すぎやろ!って」
ミチヨ「それまでは、自分の描いたイメージとリクエストの食い違いがあったりすると、自分の表現したいものと違ってくるし、絵を依頼されて描くっていうのはできないと思いこんでいたこともありました」
タイミングと創作への想いが見事にマッチング。ひろみさんがミチヨさんをスカウトするかたちで、ひろみっちょは結成となりました。
わたしをさらさないで!!だったのに・・・
「うめぼしおにぎりのうた」は、サビの部分が、うめぼしのUMEからとって、「U」「M」の仕草を、そしておにぎりのポーズをする観客と一緒に楽しめるもの。
一番はじめのものは、ポストカードサイズの小さな絵。
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初号「うめぼしおにぎり」
当初、ひろみさんはミチヨさんにUMEのポージングが伝わりやすいように、その部分だけはページが分かれるようにとリクエスト。それ以外は全部委ね、任せたそう。それ以降、新作をつくる時も、音源と歌詞にざっくりしたイメージを伝えるだけ。
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今では、実際にミチヨさんが
U・Mとおにぎりのポーズを
観客の前ですることで
より伝わりやすくなった。
「私の想像をはるかに超えて、いいものを描いてくれるから」
ミチヨさんに絶対の信頼を寄せ、任せるひろみさん。今では、ミチヨさんは絵を描くだけにとどまらず、曲やひろみさんの声に合わせてキャラクターや素材を動かすリード役を担います。観客はひろみっちょの「うたうかみしばい」の世界に引き込まれていきます。
さて、ミチヨさんは「絵を描く」という話から次第に、ひろみっちょパフォーマンスの世界に巻き込まれていきます。そのファーストステージ以前は、どうだったかというと……
ミチヨ「もうね、とにかく、出たくない。それどころじゃない。私をさらさないでという気持ちで一杯でした」
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ひろみ「色々考えましたね。イーゼルの影に隠れてめくるとか……。それが今では、どセンターですから」
ひろみ「たとえ初めてのステージだろうと、イベントに出て発表するからには、堂々と自信を持って表現したいと思って……その時は時間もなかったけど、とにかく、自分のピアノ教室の発表会で作っていたTシャツで、旦那のXLをミチヨさんに渡して、合わせて出ました」
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今ではひろみっちょ公式Tシャツの
バリエーションも豊富に。
積み重ねてきたスキルのパズルがカチッと合うような、巻き込み、巻き込まれの関係性。ここまでくると、導かれるように自然に「気づけばそばにいた」というひろみさんの言葉がじわじわと効いてきます。今、目の前にいるひろみっちょのお二人が醸し出す空気は、まるで長年大親友かのよう。二人の息がぴったり合っている感覚が伝わってきます。
最新のTシャツ(寅年2022ver)もミチヨさんのデザインかと思いきや、実はひろみさんの描いた独特のトラ。そのイラストの吹き出しには、お二人の年齢、「よんじゅうはち」と添えられています。そこにミチヨさんのデザインしたみなべの名所、鹿島を合わせて完成。バックの首元には、ひろみさんの描いたユニークな龍が。地元のTシャツ屋さんにはバッチリ「ネコT」と認識されたそうですが、そんなことも笑いのネタとして楽しみながら、常に「今ここ」を味わっているよう。
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この日、不思議なことに、何度撮影してもブレてしまいました。
楽しかったという思い出になれば
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ひろみっちょのステージの醍醐味
「出会ったその人に、ああ、あの人といて楽しかったなって思ってもらえたら……」
些細なことに苛立ったりしないという、穏やかなひろみっちょのお二人。お揃いの衣装を着て飾っているはずなのに、飾らない素敵なお二人。まさしく、やさしいおねえさん。大人にやさしい、大人が憧れる大人のおねえさん。
毎ステージを二人で積み重ねてきたからこそ、さらに柔らかいひろみっちょの世界が展開されていきます。
ひろみさんが、「ああ、温泉に行きたいな」と思った時にできた曲が、「おんせんにいきたい(の)」。こうなったらいいな、ああだったらいいなの夢や想像の自然な感覚がすうっと音と言葉のカタチになって、そして、そのバトンがミチヨさんの絵に繋がれていきます。
互いにリスペクトして、委ね、任せることさえ、自然。発表するその空間で、二人で一つの「ひろみっちょ」として観客は鑑賞することになります。
ひろみっちょから発される音や言葉が心地よく感じられるのは、一見すると子ども向けのようなのに、子どもだった大人の心の柔らかい部分に、優しく響いてくれるからかもしれませんね。
(記・香月にいな 取材日:2022年12月2日)
↑ひろみっちょ YouTube・アメブロでも活動の様子が。
ユニークオフショット公開
この日の取材は、「しつもん部屋」として開催。この他にも、いろんなトピックが飛び出しました。
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Q.一度でいいから被りたいのは?
そんな、突拍子もない質問にも、楽しく真面目に答えてくれたのはミチヨさん。
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理想のスーパーのビニル袋は、荷物を縛る部分があるもの。
「ペロンとしたところが真ん中にくればベスト」と
マニアックなこだわりを垣間見せるミチヨさん。
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ひろみさんが影響を受けた1冊
『バナナをかぶって』(中川ひろたか・文 あべ弘士・絵)
ひろみさんはこの絵本に出会い、「こんな表現していいんだ!!」と感動したそう。
歌の絵本。歌うために楽譜もある絵本。
貴重な一冊もご紹介いただきました。
限定の限定!公開
この取材でのお聞きした話も、お二人の魅力もギュッと詰まった映像を、10分程度のyoutubeにしてみました。取材地の雰囲気も併せてどうぞお楽しみください。