レッドローズ【特命三田と四本の薔薇4/4】
理由なき情熱
「 」
あの日の君が夢の中で言った。
こうして見る夢に、どんなヒントがあるというのだろう。先に繋がるヒントを探りたくて、とにかく覚えているうちにググってみたりした。夢には意味もなく、無駄なことだと知っていながら。
それでも知りたいことがある。
乾ききった心に、刺さって抜けないトゲがある。それは大抵過ぎ去ったこと。今と未来には関係のないこと。
風が吹くのを待つか、風に乗ってみるのか、それとも、自ら風を起こすのか。
正解を求めたいわけじゃない。
だって、君の人生だもの。
そこに僅かたりとも関わったならば、君はそれを「責任」とでも言うのかい?
ある時は風に乗るし、風が通りすぎるのを待ってやり過ごすこともあるだろう。柔軟に、適当に生きていくことがどれくらい大切か、それを分かっていながら君はまだ、過去につまづいた小石を心のどこかに置いたままにしている。
熱を帯び、没頭している君のその姿が今だって目に浮かぶ。
だって、かけがえのない君だもの。瞬間的な感情に、理由なき情熱が、きっと戻ってくるのだから。