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いっぽ、にほ、じんぼ〜神保町滞在記〜

 地下鉄出口を出たら、まるで大きな本屋の中にいる感覚。
1歩、2歩、3歩歩けば、もう次の古書店。 靖国通りの南側にズラーーーーーーーッと並んだ古書店に、あっちへ、こっちへ、散歩。

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 小学館・集英社をはじめとする出版社もギュッと集まる街で、アカデミックな風に吹かれながら、やっぱりマニアックに過ごした私なのでした。


ドアが開いたら2秒で名著‼︎ BOOK HOTEL 神保町


 本屋さんに何気なくふらっと行ったんだけど、たくさん並んだ本を前にして、迷い過ぎちゃったってことありませんか? 私は漠然と何かを探しに行ったはずなんだけど、見つからずに帰ってきてしまったことが何度かあります。

 それに、宿泊って滞在期間が短いもの。エレベーターを降りた瞬間、私はピンと来ました!

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 なんて適量! そして、選びやすい!

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 テーマ別の各階の本棚に面陳列されている本には、支配人さんやスタッフさんによる手書きPOPが添えられており、ここならではの1冊に出会うことができます。そして、部屋にも待ち構えている本たち。

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 さらに、宿泊者は、1〜12階までは自由に行き来することができます。さぁ、ブックエストに!!

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 エレベーターの扉が開いたら2秒で名著に出会える仕掛けになっている。(もちろん、部屋のドアの前からは離れているので、人の気配も気になることはないのです)

 シモンズ製のやわらかいベッドに寝転びながら、自分だけのお気に入りを見つけて読書できる楽しみに浸れるのです。(なんと12階はスイートじゃないか!……いつかきっと!!)

 それでも私は、ここに来たからには!と、フロントに電話。
「あのーー、支配人さんの著書はどちらに??」

 なんといっても、支配人さんは作家MOONさん。支配人さんの著書をここで読みたい!!というマニアックな楽しみ方を求める私にも、スタッフさんは丁寧に対応してくださり、『世界一シンプルな書き方の教室』をお借りすることができました! 

   情景や自然を謳ったり、名所や旧跡などを織り込んだ小説ってたくさんあると思うんだけど、私はこういうのもご当地本で、とてもいい出会いだと思う。(ちなみに電子書籍でも読めちゃうから、気になる方はぜひ♪)

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 気になっていた本も読めたし、ベッドの頭にあったエッセイも少し捲って。普段手に取ることもなかったコミックも存分に楽しめました。今度行った時にはどんな部屋に滞在できるのか、今から楽しみです。




【滞在中に出会った本たち】
『神さまたちの遊ぶ庭』宮下奈都(光文社)
まんがでわかる『伝え方が9割』佐々木圭一(ダイヤモンド社)
『九龍ジェネリックロマンス』(集英社)
『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみたヤバい結果日記』(幻冬社)



そして街歩き……

ホテルから500m圏内の探検で、

ピンときた!それは……


チヨダはチカだ!!(うん、今度行った時も地下探訪しよう)




めくるめく地下探訪 


スマトラカレー 共栄堂

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  本とカレーと中華と和菓子の街、神保町だということを後から、情報紙で知った私。カレー情報を入手した私は限られた予算と滞在期間のなかで、このスマトラカレーに絞り込みました。

  黒いルーに染み込んでいるスパイスがひと口で行き渡り、体全体を温めてくれます。

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  脂身が全く気にならない、口の中でとろける柔らかいポークがルーとライスによく合うの!!



ラッキー聖地巡礼 Tea House TAKANO 

  現地でしか手に入らない情報紙を眺めていて、Tea House TAKANOの文字が目に止まりました。その下には「オーナーの高野健次さん」と写真も。

 ん? たかのけんじ? Tea House TAKANO?
 高校時代、擦り切れるほど読んでいたマンガ、『オレンジ紅茶』のイケメンマスターは確か……そんな名前だったぞ! 老舗の紅茶専門店と。

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 席について、メニューの「ハニーナッツティ」と「キャンブリック」に驚いた!作中では、確か、キーポイントになるメニューだったから。


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 あれ? これって? やっぱり!
  あの風景が、あのカウンターが、蘇る!!読者の私にとって嬉しいサプライズ。

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   その結果、調子乗って頼んでしまいました。(だって、美味しそうだったんだもん)


 帰宅後は本棚に直行!やはり作品の取材地になっていた場所でした。

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 若い頃にお気に入りにしていて、繰り返し読んだ作品って、大切な記憶として保管されているんだなぁって実感。とっても不思議な体験で、走馬灯というか、これはあのシーンのっ!!ってなる嬉しさを噛み締めるいち読者でした。



めくるめく地下探訪2

[トロワバグ]  

すっかり地下探訪にはまった私は、3日間通い詰めた和菓子屋さんのとなりにも、引きこまれる珈琲店があると知る。オリジナルブレンドとプリン(カラメルは上にかかったタイプ)を味わって出てくる。サンドイッチが美味しそうでした。


[壷眞珈琲店 神保町店]

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 またもや地下! ビートたけしさんの絵画がかかるお店。目の前にはタバコを吸う2人女性の絵画が鏡にも映り込み、SATCの4人に見えてくる。……と、その横には「匂いのキツいタバコはご遠慮ください」の注意書きが。

   この絵と注意書きを目の前にし、だんだんツボにハマっていた私は、ちびちびとモカ・マタリを飲む。こんなにも違うんだなぁといつも自宅で飲んでいるものとの違いを楽しむ。

   振り返ると、やはり目の前の絵画とその横にあえて添えてある注意書きのインパクトが強かった。 わざとですね!あえて隣に貼っているのですよね?!と、共有しづらい面白さに、ハマっていました。



あんこのとりこ!!3日間通った和菓子店

亀澤堂

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  角にある和菓子店は間違いなく美味しい。謎の嗅覚発動で和菓子店に吸い込まれた私。ちょうどどら焼きの写真が目に入って、どら焼き目当てに行くと、目の前の紳士でちょうど売り切れに。「ちょうど僕が……」と紳士は私に豆大福をくれました。(そして遠慮なくいただく私)

   実は、豆大福というものを食べたことがなかったわたし。この日、真夜中に食べた禁断の豆大福が美味し過ぎて、そしてどら焼きリベンジに燃え、次の日にはどら焼きを無事ゲットし、「もなかめ」という可愛い亀のモナカも食べ、すっかり亀澤堂さんの餡の虜になってしまったのでした。

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 にんげんって、ささいなことで幸せだし、ささいなことで、ファンになるもの。美味しい幸せの循環でした。

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 地下鉄から出た時、一歩踏み入れた瞬間から、なんだか好きになった神保町。また来たいと思える街を見つけられた。出会う人の優しさや温かさ、ちょっとしたハッピーの循環で、私の中に街のイメージが確かに残っていく。

 好きな街が増えていくのって嬉しい。

 

 (滞在期間2022年1月17〜20日)

 


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