レモンとサワーと夜の道
祐天寺。
大学時代にレモンサワーを求めて時々足を運んだ街。
数年ぶりに訪れて、ふと駅からお店に向かう道にあった銭湯を思い出す。散歩に繰り出した夜に、今月末で80年の歴史に幕を下ろすのだと張り紙が教えてくれた。
「これは呼ばれたのかも!」なんて気分よく手ぶらで入浴して、数日後には廃棄物となるケロリンの桶を片手に帰路につく。好きな夜だった。
初めての長期出張の最終日。この満員電車に居合わせた誰だって、スーツケースにケロリンが詰め込まれているなんて思わないだろう。
人と違うことをしているときって、不思議ちょっとだけ強い気持ちになれる気がする。くすくすくす