希望が咲くと書いて、
7年くらい前だった気がする。
mitskiが初めて来日公演を行なった。
渋谷の小さなライブハウス、キャパシティは200くらいだったと記憶している。
公演終わりのドリンクカウンターにmitskiがふらっと現れて、サインをもらえるか尋ねると、心よくOKをしてくれた。
名前はなんていうの?漢字は?ごめんなさい、私漢字は書けないけれど素敵な名前だね、ありがとう。とシャイそうな笑みを浮かべながら、チケットの半券に私の名前を書いてくれた。
なぜ、急にそんな昔のことを思い出したのか分からないけれど、何か衝動のようなものに記憶を引っ張られて、それで今絶対にmitskiを聴かなきゃいけない!と手元にはないCDプレイヤーの代わりにサブスクリプションの再生ボタンを押した。
あの時、雷が脳天を打ったみたいに走った衝撃が同じように全身に走り、いろんなことが変わった中でmitskiの曲が変わらずに自分の中に響いたことに、私は少しだけ嬉しくなった。
あの夜、私は自分の名前を好きになったのだった。
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