STEPNはネズミ講。破綻が目に見えている怪しいマネーゲームに参加するなら慎重に。

最近、STEPNが流行っているようです。
Googleで「STEPN」で検索するとたくさんヒットします。
しかし、その多くはSTEPNの危険性を書かず、ただSTEPNを勧めるだけの悪質なアフィ業者か、すでにSTEPNを始めていて自分の儲けのために参加者を増やしたい人の、ろくでもないページばかりです。

そして、悪いことに例えば「STEPN 怪しい」「STEPN ねずみ講」とネガティブな検索をかけても、やはりSTEPNを勧めるページしか出てきません。そういったページは、表向きは公平を装い、「STEPNは怪しい部分もある」などと一定の譲歩を示しながら、最終的には「ちゃんと知識をもってやれば大丈夫」などと言って、STEPNを勧めて来ます。
そしてお決まりに、ページの最後に、アフィリエイト付きのSTEPNへのリンクを貼って、このリンクから始めてみよう、となるわけです。
悪質業者などが、きっちりSEO対策をしてGoogleで宣伝してるわけです。

これは由々しき事態です。
このままではSTEPNに騙されて参加し、損をする人が多数生まれるでしょう。
そのためにもここできっちり、STEPNの危険性を書こうと思います。

STEPNに関して、抑えておくべき大事なことは以下の2つです。

①STEPNのシステムはねずみ講と同じ構造である
そうであるが故に
②STEPNは必ず破綻する時が訪れる(多分近い将来に)

STEPNは歩くことによってお金がもらえるという謳い文句で売り出しています。しかし、当たり前のことですが、あなたがいくら歩こうが、それがお金を生み出すことなどありえません。
そうであるのに、どうしてお金がもらえるか?お金が手に入るとしたらその原資は何なのか?ということになってきます。
STEPNをすることで仮にお金が手に入ったとして、その金はどこから出ているのでしょうか?
それは、
STEPNの新たな参加者が靴を購入したり、レベルアップする時に支払ったお金
です。要はSTEPNの新たな参加者が出したお金です。

これはネズミ講と似た構造です。
もしくはポンジスキームというものです。
ポンジスキームとは人から出資を募り資金を集めるが、その資金を一切運用せず、後から参加した出資者から集めたお金を配当金として既存出資者に還元するというシステムです。
ただし、完全なポンジスキームの場合は、「投資された資金を運用する」と謳いながら、実際には運用などしていないという詐欺行為ですが、STEPNは資金を運用すると言ってるわけではないので、一応詐欺ではありません(でも半分詐欺みたいなもんです)。


このように、基本的にSTEPNは後から参加する人が支払う資金によって、既存参加者が儲かるという構造になっています。※1

この構造である限り、STEPNが成り立つには常に新規参加者が必要になり、新規参加者がいなくなった時にSTEPNは破綻することになります。
そしてその破綻の時は必ず来ます。
なぜなら、いつか必ず、新規参加者、つまり資金の流入はなくなるからです。
それは当たり前の話で、世の中に流通するお金の量は無限ではないので、STEPNに投資されるお金もいつか必ずなくなります。
ですから、STEPNは理論上破綻することが決定されています。
もちろん、現実には世の中に流通するお金の全てがSTEPNに流入することなどありえず、STEPNに来るのは一部の欲をかいた人間の資金だけです。資金の上限はさらに限られているでしょう。

しかし、そんな資金の枯渇を待つまでもなく早々にSTEPNは破綻します。
なぜなら、上記のように資金が枯渇することは理論的に確定しているわけですから、そうなる前に、参加者はみんなどこかで持っているSTEPN資産を売却して、「勝ち逃げ」しようと考えるはずです。
今はまだSTEPNのブームが始まったばかりなので、逃げることを考える人はそこまでいないかもしれません。しかし、もっと成熟してきた時、「そろそろ限界では」と考える人はどんどん出てくるでしょう。
そしてそういう人がある許容範囲以上出てきた時、後は雪だるま式に売りが増えていき、STEPNはそこで終わります。その時、STEPNで作り上げた資産の価値はゼロです。


今のSTEPN界は、STEPNがこれから流行るか廃れるか?勝ち逃げするならいつか?の読み合いの状態です。
STEPN参加者はこの先さらにSTEPNが流行ると思えば投資すればいいし、廃れると思えば撤退することになります。

こうやって聞くと、これからその投資対象の価値が上がるか下がるかを予想して売買する、株や先物などの通常の投資と似たような側面があると言えます。
ただ決定的に違うのは、STEPNは株などと違って、そのもの自体に何の価値もないことです。
株であれば、株式はそのものに厳然とした価値があります。
株式はその会社の所有権みたいなものですから、その会社を所有することで得られるもの、例えば配当金がもらえる権利があります。
ですので、株にはかならずどこかで最低ラインの価値の保証があります。毎年5000円の配当のある株を5000円で売ってやると言われて買わない人はいません。それだけの価値があるということです。

ところが、STEPNにはそういった価値がありません。
STEPNは「そのシステム内で循環するお金を得る権利」であって、そのシステムの外側から保証されている価値を一切持っていません。
もともと価値がないものをとりあつかっている以上、それは必ず破綻します。

もちろん、そうなるまでの間に、一時だけ利益を出すことはできるかもしれません。しかし、それはチキンレースをしているようなものです。
そのまま進み続ければ必ず奈落の底に落ちる崖(STEPNの破綻)があるのを分かっていて、お互いどこまでアクセルを踏み続ける(投資し続ける)かを競い合ってるだけです。

もちろん、たとえそれが危険なチキンレースであっても、それで儲かることがある(チキンレースにだって勝者はいるでしょう)のも事実ですから、マネーゲームとして参加するのもありでしょう。
しかし、参加するのであれば、そのリスクをきっちり理解して参加すべきです。
残念ながら、今のSTEPN運営にはそうした構造上のリスクを積極的に説明しようとする努力は全く見受けられません。

気をつけてください。
歩くだけでお金が手に入る。そんなくだらない謳い文句に騙されて参加すれば、きっと悲惨な結果が訪れることになるでしょう。




※1厳密には既存参加者が新たに靴を買えばそれも配当の原資にあてられますが、ここではそれも新規参加者に含めて話します。話がややこしくなるので。

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