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自称かけだしウェブデザイナーの何が嫌な気持ちになるのか考えた

自分の思考記録です、n=1の考えです。(こういう防衛線を張るのはふじょしのせいしつですね)

本業がウェブデザイナーなので情報収集をしているとどうしたって記事タイトルのような存在やスクールが目に入ってきます。
くるたびにもやっと嫌な気持ちになることが多くて、ここらでもやっとしたやつを整頓しておくか、と思いました。


もやっとするタイプの自称かけだしウェブデザイナーの定義

1.自宅で稼げる仕事として選びましたって言ってる
2.wordpressのことをノーコードツールって言ってる
3.なんかキラキラしたセルフブランディングをしてる(例:思いを伝えるデザイナーです、とか名乗ってる)
4.ウェブデザイナーのことをクリエイティブな職業と思ってそうな空気がある
5.肩書きとして「ママ」をつけがち(二児ママです、シンママです、など)

こんなかんじ? まあ女性ですね。

で、もやっとする理由、結論からいうとこう。

結論:「ウェブデザイナーになれば”すべて”が手に入ると思っている

この”すべて”っていうのはこれです。

・自宅で思い通りに好きな時間を業務にできる
・現時点ではママしか肩書きにできないけど、クリエイティブなデザイナーなんですというプライドとアイデンティティを得られる
・お客様に寄り添った、思いを伝える、具現化する魔法使いのような存在になれる、お客様にも常に感謝される(なおこの場合の「お客様」とはまっとうな商売を営むおしゃれなカフェ店主などを指す)

これです。
女性向けなろう小説であるところの「転生して若さと美貌と家柄が手に入ったし嫁ぎ先には家族ごと溺愛、聖女だったり精霊に愛されてたりで自分がいるだけで国単位の利点になれちゃってる」みたいなやつ。欲望と願望全部取り。いや正直そういう話、読むのはけっこう好きではあるんですけど……

全部取りにもやついてるんだろうなという気持ち

「自宅で稼げる仕事としてウェブデザイナーを選ぶ」は、大間違いというわけではないです。接客などに比べればまあ自宅の比率も高い。(現在、リモートロボを使った接客事業も出てきてはいるけど)

ただ、「自宅で稼げる」と「思いを伝えるクリエイター先生」の両立はかなり困難です。
自宅でウェブ制作で稼ぐなら、かけだしの人たちが考えてるような案件(ちょっとおしゃれなカフェのホームページをほのぼのとゼロから作ったりする)ではなく、コーディングとか画像処理とかECサイトの商品登録とかの「作業」になるでしょう。そういうやつなら経験浅くてもそれなりに採用されるだろうし。

自宅で稼げる方法としてウェブデザイナーを選択しているはずなのに、そしてそれ単体では間違ってはいないのに、だいぶ一発逆転ぎみの自己実現もしよう、ていうかできる、と思ってそうなのが「お前……!」ってなるポイントなのかなー、と思いました。

前述のなろう小説の例でいうと乙女ゲームのヒロインに転生できたのにあぐらかいて暴走してる系キャラを見てる気持ちです。
あと婚活で異様な高望み(望んでいる当人のスペックにしては高すぎる希望)してる人を見る気持ち。

ウェブデザインてのはクリエイターじゃないです。わたしは事務職だと思ってます。まじで。じゃあ完全に創造性がないのかっていうとそうでもないけど、でもどんな職業でも創造性を見出すことはできますよね。そのくらいの創造性はあります、そんなもんです。

かけだしからきちんと稼げてる人は「稼ぐための仕事」としての視点がちゃんとある

で、「おお……色彩検定の勉強でフリーランスウェブデザイナーへの道を歩んでいるという満足感を得ている……」というアカウントをいくつも補足しましたが、ちゃんと未経験からばっちり稼げてる人も複数観測できました。

その人たちに共通するのは「あくまでウェブ制作は稼ぐためのスキル、商品であり、売り方や売る相手がいる場所を探しに行く」というマーケティング、販売の考え方ができている人たちでした。
この人たちはウェブデザインでなくて、商材として選んだルートがハンクラ作家でも、それこそなろう小説でもきっちりお金にできた人たちだと思う。
デザインのスキルと商売人のスキルは実は全然違う。営業という職種がどうして存在してるのかって話です。
で、「ママ」をメインの肩書きにしてしまう人たちはこのあたりの視点が存在してないように見える。

自宅ネイルサロンブームを思い出す

10年以上前だと思うんですけど、ネイリストブームってのがありました。自宅ネイルサロンで独立、開業すれば会社員やらなくても会社員より稼げる! みたいな。デコネイル全盛期です。

私もそのころに自宅ネイリストやってた人が知人におり、どうも昨今のウェブデザイナーワナビー量産の仕組みに酷似してんなーと思い出したりしてました。

知人からの知識ですが、あれって日本ネイリスト協会ってのが高額なスクールやってて、そこの認定証があれば自宅をサロンにしたネイリストとして開業できる! 今はみんなネイルサロン探してるから良い腕になれば稼ぎまくり! ネイリストのセンセイになろう! というあれであれしてたそうです。あとネイルポリッシュやカラーは協会員(もちろん卒業後も在籍したいなら会費を払う)なら割引だったりそこでしかなかなかないパーツがあったりとかそういう、典型的な「ゴールドラッシュでツルハシ売ったやつが一番賢いし儲かった」系ビジネスです。

デコネイルブームの当時ですら私は「毎月1万、2万もネイルに払う? しかも有名店でなく個人サロンの店になんて行く?」と思ってたんですけども、まあ、ええ、当時もスクールあがりの自宅サロンで生活たててたのはごく一握りで、ほとんどは協会の養分だったようです。

まとめ

そんなわけで書き出してすっきりしました。
結論の結論:全然気にしなくていいな! 私の業務で遭遇することもないだろうし! 以上。

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枚子
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