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デジタルお絵描きをしているオタクによるベースメイクの覚書

これの続編です。

コントロールカラーってなんなん……? という気持ちが強く、いろんな文章を読んでも納得できない(動画で4色のコントロールカラー使い分けてるのを見ても「どれも肌がきれいだなあ、結局は好みの問題ってことなのかなあ?」で終わる)ため、自分でお絵描きアプリであれそれ試しながら考えたりしました。
その自分なりの気づきなどまとめておきます。


コントロールカラーとファンデーションは、レイヤーモード「ソフトライト」と「通常」

  • コントロールカラーとルースパウダーは加法混色、コンシーラーとファンデーションは減法混色が起きているっぽい

    • 加法混色→混ぜれば混ぜるほど白くなるやつ、光の混色、レイヤー名でいうとソフトライト(30から60%でのせるとコントロールカラーに体感が近い)

    • 減法混色→混ぜれば混ぜるほど黒くなるやつ、絵の具の混色、レイヤー名でいうと「通常」(これを60%くらいで透けさせると実際のファンデに体感が近い)

(図提供:色彩の基本~三原色(RGBとCMY)、色相、彩度、明度~ | エイミーのアトリエ )
色彩の基本~光と色の三原色、色相、彩度、明度を学ぶ~
  • 加法混色では、色相感でいう「捕色」を混ぜるとぶつかって打ち消し合う。これにより「なかったことにしたいマイナス面を消去」しているっぽい。

    • ニキビ跡や強すぎる頬の赤を打ち消す緑、青みが透けて発生しているクマを消すオレンジなど

要は色相環の捕色
【2022年】コントロールカラーのおすすめ人気ランキング130選【徹底比較】より

コントロールカラーは絵の具ではなく光

  • コントロールカラーは、この「打ち消しによるマイナス面の消去/リセット」と、「肌の色合いをトーンアップさせて盛る/プラスする」使い方の2パターンがあり、これらが同列で語られがちなことで初心者(私)の困惑を呼んでいる

    • 盛る使い方として「肌全体の白さを上げるピンク」、「透明感を増すラベンダー」など。

    • ラベンダーで透明感が増す理屈は、おそらく「青すぎない青」を足すことで光の層を複雑にしている

    • 個人的にはイエローが合う。ムラやシミがフラットになる。濃いところ(シミなど)も、濃くないところと同じ明度になる。コントロールカラーの段階では、色合いの違いは残るが、明度を揃えることでそのあとのファンデーションで均一に見せることが可能。

  • コントロールカラーがどうも理解しづらいのは「カラー」という名前と絵の具みたいな色による先入観。これは絵の具的に色を操作するものではなく、「顔に当てる薄い色のライトの操作」と思った方がおそらく近い

  • 肌の状態を隠蔽するものでもない。カバー力などと呼ばれる隠蔽力は、コントロールカラーには本質的には無い。それはコンシーラーとファンデーションの役目。

  • コントロールカラーを部分別に使い分けるのはそういう理由。アンパンマンのように鼻と頬が赤い人がそれをどうにかしたいなら鼻と頬だけ緑を使い他はピンクやラベンダーにする、顔が平坦なことと肌ムラが気になる人なら全体にイエロー、Tゾーンと頬の高い部分にラベンダーを使う、などになる。

  • 赤みが気になる人がピンクを使うと赤みが強くなり加速されてしまう

  • 黄色みの人が黄色を使ってもあまり害はない気がするけどおそらくラベンダーのほうがよい、光は単色ではなく複数色から作ったもののほうが複雑で奥行きが出る。ムラが多いならイエロー。

ファンデーションについて

  • ファンデーションはまったく別で、こちらはがっつり不透明水彩で減法混色。

  • ただしペンキのように完璧に隠蔽するわけではなく、薄くつけるので下地およびコントロールカラーの影響を受ける

  • ピンク下地と緑下地では当然、仕上がりの色が異なる

    • トーン間違えたファンデをコントロールカラーで任意の明るさに操作して使い切るわざもあるらしい……

透明感ってなんなの

  • ようは「重なったいろいろな層の色が反射して目に入ってくる状態」。表層、次の層、次の層、みたいな。青い透明のアクリル板5枚重ねて見える青と、単色青一枚の板で見える色の違い。

  • ラベンダーは「青」の層を加えるので透明感を得やすい?(肌に青色はあんまりないため)

点描画とルースパウダーなど

  • 光は「オレンジの光」よりも「赤と緑と少しの青の光」で作ったオレンジの光のほうが奥行きがあって複雑

  • もともと人間の肌はいろんな皮下組織が透けて見えているものなので、人工塗料で覆ってそのテイストを出すならいろんなものを透けさせるのがよい

    • 指の皮とかめくれるとわかるけど、表面は本当に薄い半透明の白い膜一枚

  • ラ・プードルの粉などはまさにそれで、紫やら緑やらの超細かい粉を全部混ぜることで白い光に見えるように開発されている

  • じゃあ最初から白い粉はたけばいいのでは?という説もあるがそれだと「白い粉はたいてんな〜」となってしまうのである、プラスチックと金属を見分ける人間の目には……

  • 点描画もそういうかんじのあれをしている。というかマルチカラー系の化粧はこの理論。

3分でわかるジョルジュ・スーラ 点描画の科学「視覚混合」と「補色対比」とは? 新印象派スーラの作品と生涯 より引用
  • この「別々の色を混ぜて使うことで結果的に見せたい色にする」系の製品、POLAやら資生堂やらも出してて個人的に気になっている 開発PDFもおもしろい。

POLA ディエムクルール プレスリリースより

でも個人的にはこういうマルチカラー系はカバー力があんまりなくて物足りない気がする……カバー力あるファンデーション使って透明感あるルースパウダー使うのが手っ取り早いかもしれない。

これはコントロールカラーが仕上がりでどれだけ色相を変えてくるかテストしたもの。

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