行った/有楽町で炎の原画展、銀座うろうろ
行きました。
GWどっか行きたい気もするけどどこに行きたいでもないな〜ともやもやしてて、ついったで見て、いくかと。
炎の漫画家、島本和彦の原画展です。
行ってよかった……あまりによかった……
先生の原画を見たのははじめてだったんですが、まず思ったのが「美しい」ということ。熱さと勢い(と、炎尾燃のイメージ)で、髪にペンをぶつけるような、いうならば「殴り書き」のイメージがあった島本画ですが、現物見たら全然全くそんなことなかった。
逆、すんごく繊細。丸ペンでさらに指先コントロールしないとこの線はかけない、みたいな線がたくさんありました。細い線があんなに多いなんて。
そういえば「天下統虫物語」では、石ノ森がめっちゃ細密なペン画をこなしまくって指先のコントロールをできるようになったと知り、自分もそれはそれは細かいペン画の山を築いたというエピソードがあります。
これを思い出しました。
先生は熱く勢いで殴り書きしているのではなく、鍛錬に鍛錬をした、なんなら細密画をがっつり書き込めるペンのコントロール力を持ってて、それをつかってあえて勢いで描いたような絵を描いているんですね……
原画は消しゴムの線も見えるんですけど、筆圧が高い気配もまったくない。いやほんと、とにかく美しい。そして漫画としてもおもしろいので心がばらばらになりながら見ていました。
そして何より、先生は先日還暦を迎えられたというのに、原画展用の絵が一番美しくて鮮やか。
若い頃から活動している漫画家ってどうしたっていわゆるシニアに近づくとなんだか線から力がぬけるというか、もしかすると老眼とか体力の低下とかも関わってくると思うんですが、こう、あれしてくるじゃないですか。あれ。
年を重ねているはずなのにどんどん鋭く美しい絵になっている作家として私は椎名高志やこしたてつひろの印象が深いのですが、島本和彦も、そうだった……いや、衰えていないのは知ってはいたけど……
というか原画のパワー、あまりにもすごい。線がいい作家ってみんなペン入れだけはアナログでやるって言ってて、結局「線」はタブレットでは拾いきれないんだろうな、まだ。
あと「絵を描く楽しさ」っていうのも、タブレットではおそらくおいつけてない。あんまりかけない人がそれっぽく仕上げる力はあるけど、かけるひとの魅力を全部引きだすことはおそらくできてない。
ついったーでみた漫画が紙媒体で見たとたん「あれ??」ってなるの、たぶんこの、モニタの中で作られた絵はモニタの中で一番きれいにみえるみたいな、そういうことなんだろうか。
展覧会に寄せた言葉もまたやばい。
「40年描いてきてようやく漫画の書き方がわかってきました」「今後はちゃんとヒットを出せるようにしたい」「この原画展までが序章、このあとが第一章です」
なん……なんだそりゃ……!?!? これが子供5人いる社員三百人の会社社長62歳の言葉???? そしてなによりやばいのが「本当にガチのマジで言ってるし、この人はやる」という確信。
ていうかまさにライバル(といっていいとおもう)の庵野秀明がシンシリーズを見事に集大成として咲かせまくりなので、やるんだろうなこの人!!
個人的には漫画としてのSFがすごい人だと思ってるので(ワンダービットとかアスカ@未来系とか大好きなんだよな)そっちでなんかあれしてくんないかなあ。ヒーローカンパニーの続きも待ってるから……
あと今日は数年ぶりの有楽町なので銀座をうろうろしてきました。数年ぶりの銀座、どの店に適当に入ってもどれもこれもあまりにおしゃれであてられる。数年前までここが勤務先で毎日それなりにうろうろしてたことが信じられない。こんなところ毎日うろついてたらオーバーフローする、三ヶ月に一回が適正量だ銀座なんて。
ところでトレンドなのか他の理由なのかはわからないですが、銀座ロフトの店舗、あきらかに商品棚が間引きされて空間が広くなってました。流行病の関係のあれなのか、網羅性は通販に勝てないから売り場自体の魅力をあげようとおもうなら空間をたっぷり取るべきという判断なのか、どうなんでしょうね。
あと数年気になってたワールドブレックファーストオールデイも行ってきました。
世界の朝ごはんが食べられるカフェ。ちょっとランチとしては豪勢なんですが悔いのないようにワインもつけて食してきました。チュロスも食べればよかったかな……
アメリカ風、イギリス風、台湾風の三種に二ヶ月ごとにプラスアルファの国。今回はジョージア風。レギュラー三種もめちゃくちゃ気になったけど珍しいものを食しておきたかった。おいしかったです。