見出し画像

地雷レベルだったとある書き手が苦手だった理由がわかったのでメモ

表題のとおりで個人用の覚書なんで読まなくてもいいやつです。

アイキャッチは、最近読んだ小説創作系で一番よかった本。

視界にすら入れたくなかった、苦手な書き手

前ジャンルはいろんな小さなストレスが重なって距離を取ることになりました。(頭までどっぷりつかれる新ジャンルに出会えたこともある)
いろんな小さなストレスには、原作展開、原作者の倫理観、といった二次創作ではもうここ疑問になるとどうしようもねえなというものもありましたが、SNSでの活動が切り離せなくなった時代特有の「同ジャンル同カプ村のここがきになる」「ここがしんどい」というコミュニティ的なものもけっこうあって、その中の一つに「めっっっっちゃくちゃ苦手な文章を書く同カプ字描きがいて、私はその人の文章が本当に無理なのに新作ペースが早いし毎回文字数も多いしその人が支部に新作投げるとタイムラインが絶賛で埋まる」というのがありました。

代名詞で話をすすめるとわやわやするので仮に「A氏」とします。

Twitterの機能でA氏の名前とID(文字列とは別認識ですり抜けてくることが多いから)をそれぞれの平文と正規表現でミュートし、twitterアカウントもブロックしました。

「枚子さんもブクマ数集めてる書き手なんだから(完全非エロで1000user越えと500user越えを数本持ってる程度には集めてた)ブロックはしないほうがいいんじゃないか」と言われたりもしたんですが、うるせえブロックしないとフォロワーのイイネで流れてくる可能性があるし趣味の活動だしこんだけわたしがあちらの文章嫌いってことはあっちも私の文章は合わないはずだから問題ない、と、もくりで話してる最中にPixivでA氏私をフォローした通知がきて「んあああああ」とか言いながらPixivでもブロックしました。そのくらい嫌いだった。もう苦手とかぼかさん、嫌いだった。A氏がいるから買えなかったアンソロもいくつもある。(まあもともとアンソロは「主催者が個人のうつわではリビドーを抑えられなかったので吐瀉のように展開してしまった、系のもの以外は興味持たないんですけど。アンソロを作ることが目的のアンソロは、やってんな~という、花火の音だけが聞こえてくる花火大会だった)

あとお話したいもくり部屋があってもA氏がいるから入れないとかもけっこうあった。

なんでだめだったのか考えた、嫉妬……か?

基本的に分析好きなのでもちろん「どうしてこんなに嫌いなのか」を考えようとはしました。

まず出てきたのが綾城さんアンチ仮説。

こんな文章ここまで読んでる人には今更説明不要でしょうが、「私のジャンルに神がいます」の綾城さん、そのアンチになってしまった人の短編があって、私もこの人と同じなんだろうか? というか嫉妬なんだろうか? というのが真っ先に浮かんだ考えでした。

その、A氏、上手いっちゃ上手いんですよ、すごく上手い。「よくできてる」と思えるうまさ。

でも完成度は高いのに何故か読んでるとすごくもやもやしてきて、私は嫉妬してるんだろうか? というか嫉妬かな? はじめて二次創作始めたっていってて、こんな筆力で、スピードで、当時のジャンルにおいて必要、とまではいわないけどあると厚みのある、学術系の知識も手持ちの引き出しのなかにたっぷりあるものをさらっと持ち出してる感じで、家族の仲もよさそうで(オタクが嫌いな相手を追いかける時は崇拝しているアカウントよりも高い粘度でツイログをあさるのだ)、なにもかも上、と感じて、どうしようもない嫉妬に苛まれてるのだろうか? と思ったんですよね。

たぶん嫉妬っていうのがいちばんありそうで、でも認め難い感情だし、そうなのかなって。嫉妬で済ませるにはちょっと腑に落ちないところもあったけど、まあ、認めたくないんだろうな自分では…… たかが趣味の作文で嫉妬を感じるっておかしな話だけど……自分でそこまでプライドもってやってるわけではないつもりだし、過去にすごい筆力の二次創作文章書きで「うわああ最高」ってただただ浸ったことはあったし……嫉妬を感じるとして、それは、どこになんだろう、という疑問もありました。

嫉妬って「自分もこうなれるはずだったのに」がベースだと私は思ってて、でも、あの文章、ああなりたいとは思えないんだよな……これすらも負け惜しみなのかな……

みたいなもやもやを抱えつつ該当ジャンルを離れ、現ジャンルにやってきて、十年ぶりくらいにお絵描きの勉強でもすっかー、とあれそれロードマップ作ってて、突然悟りました。

あ、A氏の文章嫌いだったの、こういうことか! と。

距離をとって気づいた「理由」

漫画とかだとわかりやすいとおもうんですけど、「めちゃデッサンすごい絵より、デッサンくずれてるし商売になるレベルではないけどすごい好きで楽しんでることが伝わってくるから楽しくなる絵」ってあるじゃないですか。

ここでその「うまくないけどいい絵」みたいなのあげると絶賛しててもなんかあれになるんであれなんですけど、あえて今言うならケモ夫人とか……?

あとエロ絵でも「デッサンと塗りの技術はすごくいいんだろうけどなんだかえろくない絵VSノートのらくがきスキャンしたかんじの画風だけどめちゃえろを感じる絵」みたいなのあるじゃないですか、なんか、ああいう。

で、そういう「好きな絵」の真逆にある、「上手いしすごいんだけどなんか硬いし見てて楽しくならない絵」ってのがこれです。(相手こんだけの知名度なら挙げてもええやろっておもってあげる)

このページとかわかりやすいんじゃないかなとくに……(画像貼りたいけどグレーかなーと思うので貼らない)

わかります? 「品質」はすんごい高いんだけど、硬くて楽しくない。

A氏の文章、これなんですよ。

一般文芸と同じやりかたで書かれてるから、品質は高いんだけど、読んだあとの「いいもの読んだ」とか「自分も描きたい」みたいな感情が想起されない。

二次創作って、わたし、「キャラクター小説」だと思ってるんですよね。キャラクターが好きだから書くし、推しキャラクターが読みたいから読むもの。一般文芸とは違う。

技巧の巧拙はあんまり関係なくて、というか一定ラインの品質のものが読みたいなら商業作品読めばいいわけで、同人誌にはそうでない、ファンが好きをかためたからこそ見える輝きみたいなのがあって、そういうのがあるから好きで楽しいんですよね。書き手の「好き」の気持ちのお裾分けを受けたいというか。

A氏の文章、なんか、「キャラクター」が「配置」されてるっていうか、キャラクターありきではない、「小説」を書くという工程の上にのっかってるっていうか……

たまに商業誌なんかでもありますけど、「あ、この人は美大とか出ててほとばしる画力を絵にしたいから漫画描いてるだけで漫画のストーリーテリングとかコマ割りとかはそんな興味ないんだなー」みたいな、絵を描くことが目的の絵、と同じものをA氏に感じてたんだと思いました。

デッサンの頭部に推しカプの頭乗せたみたいな、品質は高いけどもそのすごさは技術力へのすごさであって二次創作で見たいものではなかったな、というか……

A氏、それまで二次創作に触れてこなかったみたいなこともツイートしてて、それだけにツイートでもちらほら「うっわ相容れねえわ……」て考えかたがいくつかあって、そのへんともこう、一致がある。

まとめ

嫉妬ではなかったよかったな~と思うと同時に嫉妬ではなかったことがようやく納得できる形で落ちて、安心しました。

前ジャンル、商業漫画家さんも同カプにいらしたんですが、わたしその人の本は買わなかったんですよね。ていうと「まじかよこいつ」みたいに言われたりもしたんですけど、確かに商業作家さんの絵って上手いし安定感もすごいんですけど、二次創作では技術力で買う本を選びたくないと思ってて。逆張りってわけでもなく、普通に、好きと思えるかどうかで。

A氏の文章は、そういう、「一見すると商業的なすごさと安定感はある、だからみんな「せっかくこのカプにいるなら読む買うべき」みたいになってるタイプのもので、でもわたしにはすごくnot for meで、でもわたしが大好きな書き手の人たちがみんな絶賛してる……本当に……? 単に「上手い」だけで判断力鈍ってないか、本当にそれ「好き」か? と問いたい(問えないままだった)。 それ読むなら東野圭吾とか伊坂幸太郎とか森博嗣とか読んでるほうがいいんじゃないの、その栄養素はそっちのほうがいいもん取れるでしょ……とすら思ってたんですよね……

公式のノベライズは正しく「キャラクター小説」できてたな、ラノベ畑の人だからかな。あれはよかった。

本当に完全に自分用のぐだぐだなのであれですが、形にしておきたかったのでこのへんで。

サポートいただいたお金は本代になります! たのしい本いっぱいよむぞ