見出し画像

再生

目が濁っていなかった頃に見た富士山は
今でもわたしの瞼に残っています
夢のために耐えている人に憧れたのに
ただなんとなく耐える人間になっていました
冬になると肌は冷気で切りつけられ血が流れる
それなのに血が流れていないと肌を切りつけて
ようやく今年も冬がやってきましたね、と火鉢にあたる
気持ちの悪い笑顔で
汚さしか見えなくなってしまいました
汚さがないと白さが分からなくなってしまいました
だからここにもう一度漕ぎ出しに来ました


田子の浦にうち出でてみれば白妙の富士のたかねに雪は降りつつ



==================

読んでいただきありがとうございます。
スキやフォローもしていただけるとうれしいです。


いいなと思ったら応援しよう!