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漂流

脚で挟んだひんやりと動かない布団
いのちあるあたたかな動きをするものがない部屋
この部屋でもっとも生きものめいているのは
天から長く長く垂れ下がっている月の光
羽のさきっぽのうまれたてみたいな毛で
わたしの顔の表面だけをなでつづける
身体の表面だけをくすぐりつづける
この腕の中で眠るものが欲しいと思う気持ちは
恋と呼んでもいいのだろうか?


あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかもねむ



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