【詩】mujun
みんなの「好き」って言葉が最優秀賞受賞者におくられる花束に見えて、
じぶんの「好き」って言葉がいちりんのシロツメクサに見える。しゃがみこんでしあわせを探していいのは何歳までなんだろう。しゃべらない花に恋とか愛とかかたらせるってことは、
自分とおなじ脳みそをもつ人がほしいんだろうな。
花はぜんぶみどりにささえられてる。みどりは生命力をかんじてしまうあおい匂いがする。
勝手にかんじられたらきいろい根っこで首を絞め上げられるかな、ってのも勝手にかんじている。みどりには目的がなくて、ただ持っていたもので意思伝達をするみたいな現象がある。
花束もシロツメクサも花なのに、好きとかしあわせとかかんじてしまって、見なくなっていたみどりを、いつのまにかふみつぶしていて、かわいそうとかんじる傲慢な人間に、たったいちりんだけの、ぼくのシロツメクサをおくりたい。