【詩】全ての道はろうかに通ず

足の甲のうすよごれたゴムの感触より、光の上にプラスチックの層がある
ろうかにひびく音のほうがきもちわるい。
くらいのに潔癖感があって、
丘みたいにぼこっぼこっとしてるのにまばゆくて、だれでも受け入れるのに、みんなを拒絶しているみたいだった。
嘘をつきながら生きるのを強制される時代みたいに、消火栓の表示灯をたよりにすすむ箱。
二階のきみは雑巾がけをしている。端から丁寧に。なぜか綿になるごみを、おしりを高く上げて一生懸命に。自分がよごしてしまったみたいに。まわりがよごれていないと放置自転車みたいに目立つから。
まだじゅんすいな公にはよごれたらきれいにしていてほしい。と私はおもっている。
三階の公は泣いている。ねむれないまちの奴隷をみて。
繁栄の湿っぽい内側にいる。繁栄の一部を構成しても、繁栄の繁栄してる部分にはいられない公へ。
逃亡犯はラクになるといいたい。額を烙印でよごせばいいだけ。少しよごれていれば、よごれは目立たない。
よごれているからうつくしいのだとおもう。
よごれていないからうつくしいのだと私はおもう。

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