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敬遠

道はとうに隠されてしまった
燃えカスのように赤いてのひらが
幾千、幾万と重なり合って
アキノソラガグロテスクニアオイ
国中に愛が溢れているのなら
いま踏みつけている葉っぱや枝もきっと愛で
愛の断末魔はひどく軽くてちょっといい音だった
シカガナク
紅葉を踏みにじって小枝をくりかえし踏みつける
シカガナク
まだ若い木をバキバキとへし折る
シカガナク
大きな木に体当たりする
それはビクともせずわたしは立ちつくす
シカガナク
木々のざわめきまでだれかを求める声に味方をするのだな
わたしはもうこんなに山奥まで来てしまった


奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき


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