シェア
伽戸ミナ
2023年8月30日 16:01
夕陽と雲で、空が火山みたいになった日、きみは溶けて、溶けて溶けて溶けて、誰にも知られていない森の湖になる。みんな探す必要がないから知られていないのだけれど、ぼくみたいな、(ぼく以外にいるかは知らないが)自分の誕生日の月を嫌っている人間は、きみでしか喉の渇きを完全に癒すことができなくて、バイト終わり、すこし遠回りしてきみを探すんだ。めんつゆに入れた瞬間に、氷にヒビが入る音で、なにかから解放された気