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百人一首

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2024年12月の記事一覧

昔なら生えてこれなかったしのぶ草がいまはそよ風とたわむれている

ももしきや古き軒端のしのぶにもなほあまりある昔なりけり/順徳院 (100/100) ======…

5

あのときに愛したひとを憎んでいて冷たい渦から抜け出せずにいる

人もをし人も恨めしあぢきなく世を思ふゆゑに物思ふ身は/後鳥羽院 (99/100) ======…

5

風が夏をほどいていく 夕暮れにも夏越しの禊は溶けていかない

風そよぐならの小川の夕暮れはみそぎぞ夏のしるしなりける/従二位家隆 (98/100) ====…

5

塩を焼く夕凪の浜に立ち込める煙のような「会いたい会いたい」

来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ/権中納言定家 (97/100) ===…

4

強風にはがされおちて庭にたまる私だったなにかがじっと見ている

花さそふ嵐の庭の雪ならでふりゆくものはわが身なりけり/入道前太政大臣 (96/100) ===…

6

空の黒が濁って濁ってやまぬからから墨染めの袖精一杯ひろげる

おほけなくうき世の民におほふかなわが立つ杣に墨染めの袖/前大僧正慈円 (95/100) ===…

3

秋涼はさいしょ夜更けにしみわたる 古都に砧がひびきわたる

み吉野の山の秋風さ夜ふけてふるさと寒く衣打つなり/参議雅経 (94/100) ================== 百人一首第94番を題材につくりました。 読んでいただきありがとうございます。

変わらないでくれ 波は逆巻く 変わらないでくれ 波は逆巻く

世の中は常にもがもな渚こぐあまの小舟の綱手かなしも/鎌倉右大臣 (93/100) ======…

2

袖が石に ひざしを知らない沖の石に 水の底でうずくまる石に

わが袖は潮干に見えぬ沖の石の人こそ知らねかわく間もなし/二条院讃岐 (92/100) ====…

5

目を閉じて闇を闇にする こおろぎは霜夜を語り明かすのだろうか

きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かたしきひとりかも寝む/後京極摂政前太政大臣 (91/100…

4

見てよコレ涙で染めたの赤い赤い涙で染めたの……ねぇ見てよ

見せばやな雄島のあまの袖だにもぬれにぞぬれし色はかはらず/殷富門院大輔 (90/100) ==…

4

喉元が裂けてしまいそう私の恋だれもしあわせにしないというのに

玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする/式子内親王 (89/100) ===…

4

芦を刈るように愛を刈って行ったあの人にかけてしまう生涯

難波江の芦のかりねのひとよゆゑみをつくしてや恋ひわたるべき/皇嘉門院別当 (88/100) =…

3

水玉を身につけている真木の葉は微笑を浮かべて霧に沈んだ

村雨の露もまだひぬまきの葉に霧立ちのぼる秋の夕暮れ/寂蓮法師 (87/100) ================== 百人一首第87番を題材につくりました。 読んでいただきありがとうございます。