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2024年10月の記事一覧

あの頃に戻れそうだと思ったら月は雲の向こうへ行ってしまった

めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に雲がくれにし夜半の月かな/紫式部 (57/100) ===…

伽戸ミナ
1か月前
7

溶けきった雪はさいごの思い出に拭われたいのあなたの指で

あらざらむこの世のほかの思ひ出に今ひとたびの逢ふこともがな/和泉式部 (56/100) ===…

伽戸ミナ
1か月前
4

滝の水落ちて流れて去って行く名をのこすのは人の世のため

滝の音は絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ/大納言公任 (55/100) ===…

伽戸ミナ
1か月前
5

あーんして食べさせてくれたわたがしはじゅわっと溶けてもうありません

忘れじの行く末まではかたければ今日を限りの命ともがな/儀同三司母 (54/100) =====…

伽戸ミナ
1か月前
7

夜が明けて欲しいと願うこの気持ち知らなくて済むあなたになりたい

嘆きつつひとり寝る夜の明くる間はいかに久しきものとかは知る/右大将道綱母 (53/100) =…

伽戸ミナ
1か月前
6

移ろいが彩りであると知りながら時の流れを恨んでしまう

明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな/藤原道信朝臣 =======…

伽戸ミナ
1か月前
8

愛しさで焼き切られそうになっているなんて気づいてもらえないよな

かくとだにえやはいぶきのさしも草さしも知らじな燃ゆる思ひを/藤原実方朝臣 (51/100) ================== 百人一首第51番を題材につくりました。 読んでいただきありがとうございます。

あさが来てやみを洗うとやぶられたわたしの誓いが落ちていました

君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな/藤原義孝 (50/100) =======…

伽戸ミナ
1か月前
8

私の恋かがり火のよう夜は燃え昼は燻り炭の心臓

みかきもり衛士のたく火の夜は燃え昼は消えつつ物をこそ思へ/大中臣能宣朝臣 =======…

伽戸ミナ
1か月前
6

何ノットの勢いにあおられてみてもわたしの方だけくだける恋

風をいたみ岩うつ波のおのれのみくだけて物を思ふころかな/源重之 ============…

伽戸ミナ
1か月前
5

ただいまの声をわすれた邸宅は枯れた匂いに覆われている

八重むぐら茂れる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり/恵慶法師 ===========…

伽戸ミナ
1か月前
5

由良の瀬戸わたしの舟から楫を取るこうなったらもう見上げるしかない

由良のとを渡る舟人かぢを絶えゆくへも知らぬ恋の道かな/曽禰好忠 ============…

伽戸ミナ
1か月前
3

「まだ痛む?」と言われる想像すらできなくて未練の整理に取りかかる

あはれともいふべき人は思ほえで身のいたづらになりぬべきかな/謙徳公 ==========…

伽戸ミナ
1か月前
6

通じ合うことがなければ消したいとも消えたいとも願わずに済んだ

逢ふことの絶えてしなくはなかなかに人をも身をも恨みざらまし/中納言朝忠 ================== 百人一首第44番を題材につくりました。 読んでいただきありがとうございます。