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【悲報】肉と間違えて大豆ミートを買った話。

大豆ミート」という言葉をご存じだろうか。 ベジタリアン向けに開発された、まるで肉のような食感と味をした大豆の加工食品のことである。

なんとなく聞いたことはあったけど、特に菜食主義者でもないので、買う気など全くなかったのだが、先日いつものスーパーで、いつもの冷凍サイコロステーキを買おうとしたところ、いつものところにお目当ての商品が無い。

仕方なく、違うパッケージのサイコロステーキを買うことにしたのだが、
それがヤツだった。完全にはめられた。

数日後、ミスに気付いたのは「今夜はサイコロステーキ!」とウキウキして帰宅した後。

痛恨のミス。肉を味わいたかったのに、まさかの大豆。まったくの別物。

楽しみにしていたサイコロステーキが実は肉の形をした豆のカタマリだと気づいたとき、私は絶望に打ちひしがれた。悲しいを通り越して、悔しい。確認しなかった自分が悪い。でも、見た目は完全に肉だった。まさか豆が肉に擬態してるだなんて、思ってもみなかった。

でもでも、聞くところによると最近の大豆ミートは進化していて、本当に肉のような味がして、普通においしいらしいから、きっと大丈夫。
内田春菊さんの「私たちは繁殖している」でも、大豆ミートを使った唐揚げを子供たちは教えられるまで気付かなかったらしいし。

淡い期待を胸に、お風呂に入っているあいだ常温解凍し、いつものサイコロステーキと同じように調理した。

結果、惨敗だった。

肉を欲していたのだから、食物繊維が敵うはずがない。
もし私が肉を禁止されていて、でもどうしても肉が食べたくて、藁にも縋(すが)る思いでたどり着いたのが大豆ミートであれば、きっと感涙しただろう。ソーセージのような味がしたし、弾力は肉そのもので、おなかも十分膨れる。

でも、ちがう。これじゃない。

肉のうま味、あのジューシーさ、噛むほどにあふれ出る肉汁、
食べ過ぎて胃がもたれるあの感じ。あれが欲しかったのだ。

結局、「コレジャナイ」「コレ肉チガウ」とぶーぶー文句を言いながらふたりで食べた。

本来ならステーキ系は胃を考慮して間隔を開けて献立に加えるのだが、おそろく近いうちにまたサイコロステーキがうちの食卓に並ぶだろう。

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門真ルイ
最果タヒさんとの対談が実現できますように。