FUJIFILM X-H1を使ってみて
FUJIFILMのレンズ交換式カメラを初めて使ってみて1週間強。毎日ぺたぺた触ってみての所感を書いておきます。ちょっと長いですが何かの参考になれば。先に書きますが、非常に満足しています!
Dレンジ優先モードの罠
使い所を選べ、ということになりますが。
Dレンジ優先モードというのがあります。これはX-H1から搭載されたモードのようで最近のFUJIFILM機には搭載されてるようです。
この機能を使って最初に思ったのは
「なにこれめっちゃ良いじゃん。ずっとこれで良いんじゃね?」
でした。とりあえずDレンジ優先で撮っておけば後からダイナミックレンジ設定をいくらでも変更可能だからです。
この機能のおかげで、撮影環境やレンズにもよりますが+2EVくらいは白飛びせずに上げられるようになり、かなりハイキーな写真を撮ることができるようになります。この写真は意図的にDレンジ優先モードでハイキーに仕上げました。
しかし。
"とりあえず"Dレンジ優先モードで撮っているとなんだか眠たい写真を量産することになります。最近のケータイのスマホカメラは大体HDR撮影が可能(またはデフォルト)ですがそれに近いものと思ってくれるといいです。
…そういう撮影モードなんだって今はわかります。
あまりメリハリのない写真になりがちです。ハイキーにせよローキーにせよ、尖った感が無くなるんです。いい子すぎる露出。
「これは俺が撮りたい写真なのか?」
ダイナミックレンジが広いことはいいことです。でも広ければいいのか?私の写真は元より光と影をきっちりめに描く写真ではなかったか?
機能に振り回されてしまうところだった…!
また、Dレンジ優先を"強"に設定するとISO感度は800からスタートになります。これは明るいレンズを開放付近で使うのが難しくなります。
そしてあくまでjpg撮って出しの時にDレンジの拡張ができるという機能なので、帰ってからRAW現像するのであればDレンジ優先ではなくダイナミックレンジISO100〜400の設定にして撮影するのでも良いと思うのです。
本当に撮って出ししかしないよ!って場合には心強い機能だと思います。
※FUJIFILM機の低感度時のダイナミックレンジについて検証できてないのですがISO200〜400あたりとISO800以上では前者の方が有利な気がしていますがそうじゃないのかな?
フィルムシミュレーションを使い倒す
倒すなんて書きましたが奥深い機能なのでよっぽど倒せないですね。
クラシッククロームやエテルナが好みだと思って使っていたのですが、意外とベルビアも好みかもしれないことに気づきました。
シャドーとハイライトの調子を上げ気味にして露出補正は-0.7~1.0くらい。
まだ使い始めて日が浅いのでビビッドな色を使いたがる時期かもしれません。渋い色味にハマるのも時間の問題のように思います。
ベルビアで夕暮れの雲を派手に仕上げました。
グレインエフェクト恐るべし
これ、ついさっきまでノイズの大小程度のモンだと思っていたのですが、かなり写真の出来に影響するんですね。シャドウの表現が一番わかりやすいと思うんですが、例えば、シャドウを+4のMAXにしてグレインエフェクトOFFとSTRONGだとシャドウが潰れるか全然潰れないかの違いがありました。
トーンカーブで一番左端をちょいと持ち上げるくらいの効果がこれでできるようです。うわあ奥が深い…。
1枚目がグレインエフェクトOFF、2枚目がSTRONGです。わかるかしら…。
おまけに効果は多分フィルムシミュレーション毎に違うように思います。この2枚ともアクロスにしたのですが、ただのモノクロだと効果が薄かったです。アクロスがより広い階調を模しているからかもしれません。
…こうやって見るとハイライト部も様子が変わりますね。よりフィルム感があるように見えます。怖っ、FUJIFILM怖っ。
測光の癖を掴む
これはカメラを使う方ならわかると思います。使うカメラの測光の癖を知ることってすごく大事です。普段から完全マニュアル操作なら不要かもしれませんがまだ若輩なものでその域には達していません。
X-H1、というかFUJIFILMはPENTAXと似通った思考の測光をするように感じていて、あまり違和感なく使えています。あとファインダー内で白飛び警告を表示させているので白飛びさせる前に露出を調整できるのがすごく便利。ミラーレス機すごい。もしかしたらレフ機に戻れないかもしれない…。
ちょっと脱線しました。これはX-H1に限った話ではありませんが測光の癖をつかんでおけば撮影時にどのくらいの補正をすれば好みに近付けるかすぐにわかります。X-H1は変則的な測光もなく、素直で使いやすいです。
ホワイトバランスの癖を掴む
今のところこれが一番の課題です。ホワイトバランスの調整に苦戦しています。前にオートはイマイチ自分の完成と合わないと書きましたが、いまだにやっぱりそうで、じゃあ色温度を変えましょう、なんですがこれもまだすぐにイメージ通りに合わせられません。ううーむ。練習あるのみ。PENTAXのマルチオートはすごく良かったんだけどなぁ。
バッテリーは予備必須
もうこれは各所で口うるさく言われていますが本当にバッテリーが保ちません。ミラーレス機だから、というのもあるかもしれませんが多分その中でもより保たないんじゃないかしら。ボディ内手振れ補正を搭載しているせいもあります。これはよほど望遠レンズを使わない限り、撮影時のみ効くように設定を変えることをおすすめします。そうしないと電源入っている間ずっと手振れ補正するためにがんばって作動しています。
他にも背面ディスプレイは設定画面を表示させファインダーを覗いての撮影にするとか試行錯誤しています。少し長めに撮影するかもな、というときはAmazonで予備バッテリーと一緒についてきたUSC-C端子から充電できるチャージャーも携帯します。これで常にバッテリーを充電しながら移動ができます。…ここまでしなきゃいかんのか…?とも思いますがこれでも一眼レフフル装備に比べたら軽量です。多少のデメリットは受け入れましょう。
最後に
つらつらと長ったらしく書いてしまいましたが、今までPENTAXを使ってきて今回FUJIFILMという他社に手を出したわけですが、すっごい勉強になります。写真がまた一つ楽しくなりました。すでに価格以上の価値を得たような気がします。これからもっと使っていくのでお楽しみに。
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