「サラダ」

WEDNESDAY PRESS 056

料理人同士のコラボレーション。これまでも色々な料理人と取り込んだことがある。
最初は、それぞれの得意料理を交互に提供するスタイルが多かった。
次はテーマを決め、それに応じた料理を考えることが増えてきた。
そして一皿を二人が作るという方法が次第に主流となった。
10月は刺激的なコラボレーションに出会うことが多かった。
一つは東京・銀座の「ラフィナージュ」の高良シェフと、京都の「ドロワ」の森永シェフの「ジビーフ」を使いテーマは「ど クラシック」。
これはフランス料理が持つソースのあり方、付け合せのバランス、そして一皿調和に心を奪われたのであった。
そこで高良シェフが「いちばん難しかったのはサラダです」と言葉を発せられた。メイン料理が提供された後に供されたサラダはシンプルにみえたが、食べ進むにつれ、その意味が少しわかったような気がした。
サラダは焚き合わせと同じだと思っていた。
だが、今回は葉物のサラダであった。
ビネグレットの存在が素敵なのだ。葉物の性質を熟知したビネグレットの使い方。葉物の味わいを最大限引き出す仕事と感じた。
野菜それぞれに応じたビネグレットを合わすのは根菜なども含めたサラダなら成立する手法だとも思った。
コラボレーションの凄みから、なんとサラダに対してもう一度考えなくてはと考えることになったのである。

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