キャンディス バーゲン

WEDNESDAY PRESS 013

『あなたは風のごとく、私はライオンのごとし。あなたは嵐をまきおこし、砂塵は私の眼を刺し、大地はかわききっている。私はライオンのごとくおのれの場所にとどまるしかないが、あなたは風のごとくおのれの場所にとどまることを知らない』
このセリフは1976年に公開された「風とライオン」のラストシーンに流れた。主演はショーン・コネリーとキャンディス・バーゲン。
僕はABCホールで上映された試写会でこの作品を観た。しかし少し遅れホールに入ったので座席のところにゆくことができず、通路でずっと立ち見状態であった。このセリフが流れホール内が明るくなったとき、同様に遅れて入った人物が隣にいた。なんと評論家の虫明亜呂無さんであった。長年憧れの人物であり「虫明さんですね」と声をかけ、ホールのある福島から梅田まで歩きながら色々話すことができた。僥倖であり、虫明さんが放つ言葉一言ひとことを聞き逃すまいと思っていた。「キャンディス・バーゲンが初めて素敵な女性と感じましたね。これまではどこか大雑把な感じが強かったから」と話されたことが今でも印象的である。
昨年末に観た「また、あなたとブッククラブで」。キャンディス・バーゲン、ダイアン・キートン、ジェーン・フォンダなどが出演する映画で、その女優たちの輝かしいこと。キャンディス・バーゲンは撮影当時72歳で、その艶っぽいことには驚きを覚えた。その姿を見て、40年以上も前の虫明さんの言葉を思い出し、改めてキャンディス・バーゲンのすごさも確認したのであった。
https://bookclub-movie.jp

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?