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ピンク色のガーリックバターライス

先日、門井商店のWEBを見たという方からお電話を頂きました。
全くの新規のお客様で、用件はガーリックバターライスを簡単に作れるベース調味料が作れるか?との話しでした。

例によって私からの質問責めが始まります。

スーパーマーケットで調味液として売るのか?
はたまたスーパーなどのバックヤードで惣菜などに加工するのか?
外食店で加工してそのままお客様に食べて頂くのか?
お土産物として販売するのか?

一見何でもない質問ですが、これによって商品設計そのものが変わってきます。

結論、期間限定のイベント会場で販売する予定との事。
そこから導き出されるのは、
オペレーションはおそらくアルバイトの方かイベント会社の方がされるだろうから、とにかく簡単に使える物が良いだろうなぁ。

調理施設は簡易的な物と考えて、混ぜるだけみたいな物が良いだろうなぁ。
計量して使うのは手間だから、1ポーション入れて混ぜて完成!みたいなのが良いだろうなぁ。

大量に作ると最後余って捨てる事になるなぁ
等々です。

そのタイミングでクライアント様から、
「それ、ドギツいピンク色にできますか?」

ピンク!!
この一言で私が着火するわけです。
「この企画、面白い!」

綺麗な「THE ピンク」みたいな色は合成着色料が手っ取り早いです。
しかし聞くと可能ならイメージの良い天然系の色素でできないか?と。

とっさに頭によぎったのが、サトウダイコンでした。いわゆるビートってヤツです。
これなら法律で定められている裏面表示は「野菜色素」となります。
さらにピンクに近づけるならコチニール色素の方が良いかとも考え、早速ラボのメンバーと試作を開始しました。

ここで豆知識ですが、
コチニール色素はカルミン酸系色素とも呼ばれ、原料はカイガラムシです。
身近な例だとマカロンなんかに使ってたりしますね。個人的には退色性は少なく使い勝手がとても良い色素と捉えていますが、原料が虫だからイヤという方もいらっしゃいます。
インカ帝国の遺跡から発掘された衣装には鮮明な赤で染められている物が多く見られますが、あれってカイガラムシで染色されているそうで、何百年?何千年?も退色しない素晴らしい色素だということが立証されていますね。

ぶっちゃけ、味に関しては、机上で電卓はじいて秒殺で作りましたが、
色調を合わせるのにかなり時間を要しました。

結論、クライアント様から「虫はちょっと・・・」というお約束的なリアクションを受るのが怖く、最終はビート色素で着色して完成したのが上の写真です。

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