クラウド機械学習のコスト削減策
アダコテックの柿崎です。
私がジョインしてから弊社の画像検査のソリューションにおいてクラウドの計算資源を使った学習やパラメータ最適化が急速に拡大しました。
クラウドを使ってビジネスを拡大していくのはうれしい一方で、頭を悩ませる問題としてはクラウドにかかるコストです。そこでAWSを使ったクラウドサービスを展開する際に利用できるコスト削減策を紹介します。
スポットインスタンス
スポットインスタンスはAWSの余剰のリソースを活用することで安いコストでインスタンスを利用できるプランです。機械学習においてはヘビーなEC2インスタンスを立ち上げることも多いのでアダコテックでは一番活用ケースが多いです。Fargate Spotが誕生したので、ECSでサービスを運用しているときにも活用できます。
メリットと活用法
・3つの割引プランの中で一番割引率が高い(50%~80%)のでヘビーなEC2インスタンスを活用する機械学習においてよいソリューション
・ECS Fargateにもスポットインスタンス(Fargate Spot)が存在するのでWebサービスにも活用できる
デメリット
・必ずしも欲しいタイミングで必要なインスタンスが確保できない点に注意が必要
・データセンタに余裕が無くなると追い出される
Saving Plan
Saving Planは2019年に登場した新しい割引手段です。リザーブドインスタンスと同じく1年間または3年間の稼働を購入することで割り引かれるプランです。リザーブドインスタンスと比較して柔軟に適用されるのでEC2、ECSで運用しているプロジェクトはこちらをまずは検討するとよいです。
メリットと活用法
・リージョンやインスタンスクラスを問わず適用されるのでリザーブドインスタンスより柔軟
・コンピューティングプランではFargateも適用されるのでFargate運用しているプロジェクトはこれがオススメ
デメリット
・一定のサーバ稼働を固定で払うので稼働を減らして余らせてしまうともったいない
・RDS、ElastiCacheなどは適用されないのでリザーブドインスタンスを使う必要がある
リザーブドインスタンス
リザーブドインスタンスは1年間または3年間の稼働を購入することで割り引かれるプランです。インスタンス単位での購入になるので運用が難しいですが、RDSやElastiCacheなどSaaSで必要なサービスがこちらのみの割引になるので利用をしています。
メリットと活用法
・EC2、RDS、ElastiCache、Elasticsearch、Redshiftなど幅広いサービスに適用できる
・RDSとElastiCache等はこちらでしか割り引きできないのでこちらを使う
デメリット
・リージョンとインスタンスタイプが固定化されるので購入時には見通しがたっていることを確認する。ただしインスタンスサイズ間(t3.micro⇔t3.smallなど)は移動できる
以上、AWSで利用できる割引プランをざっと紹介しました。これからまた続々と新しい割引プランが出てくることを心待ちにしています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?