コラージュ

コラージュ

コラージュという概念は、ロートレアモン伯爵が「マルドールの歌」の中で「解剖台の上でのミシンと雨傘の偶発的な出会い」という文を書いたところからはじまりました。本来の文脈では出会わないもの達が出会うことによって日常が異化し、ここではない世界が立ち上がります。しかし現代社会では文脈が違うものが隣り合わせになることは日常であり、コラージュによって作られるものの意味も変わってきました。

私の絵は、様々な印刷物をトレースし油絵具で描いています。描かれている物は日用品で、誰もが見たことのある物です。その物は大量であり、1つ1つが意図して選ばれておらず、多くは偶然性によって1つの絵の中に500個くらい描かれています。私はコラージュで日常を描いているのです。「尽くし絵」のようなもので、日常尽くし絵です。それらを使って大きな流れであるとか、何かの形を作っています。

カワムラさんのコラージュは、雑誌を切り貼りして作っているということです。写真で見た感じでは、使われている断片同士は、同じ系列の雑誌から選ばれているということで、やはり異化ではなく、あるモードが共通しているのかなと推測します。おそらくその雑誌を選ぶことが重要であるのではないかと考えられます。