インスタで君の街の海を見ている

読んだ本の中にとある中東の国が出てきた。
今もその周辺は情勢が乱れているし、なんなら私の幼い頃からショッキングなニュースが報道されていたのを覚えているから、どことなく"アブナイ地域"とぼんやりインプットされていた場所。大学でひとりこの国の宗教の講義をとってからやっと、彼らにとって大切な信心とか、同じように街があり暮らしがあることを知った。
ふと、今はどんなふうになっているんだろうと気になって、Instagramを開いた。

ボーダー無く地球上のナウを見たいとき、けっこう私的にはインスタがいい。
そこであげられている写真や動画は、ネット上の画像検索や雑誌、テレビ番組でのものとはまた違う。
私たちがスマホ片手に喫茶店のクリームソーダを撮ったり、その時だけの輝きかたをする海を撮ったり、沢山の加工を施した自撮りと一緒に心の叫びを書いたり、友達と映ったりするような感覚と変わらない日常的なものがあったりするから。
情勢も珍しい風景も街の人たちの表情や土煙も、コンテンツとしての"外国"じゃない、ふつうのリアルだと思える気がする。
ということでさっそく国名を英語やアラビア語のタグにして検索してみた。

見てみて、びっくり。
もう小さなスマホの画面いっぱいに、全く知らない広すぎる大地や海が、人熱が、生々しく映っていた。
やっぱり、色、光り方がどこか違う。想像できる匂いも私の知らないものだ。
さすがにそれほど多くは出てこなかったのだけれど、見慣れないあれこれが、私の今かぶっている柄がごたごた入った暖かい布団や、テーブルの上、タミさんから誕生日に貰った檸檬柄のマグカップの中の飲みかけのココアなんかと同じように在る。目の前のこの小さな世界の先に繋がっている。

ちょっとこわかった。。!
この空の狭い東京の中で、ずっと渋谷だとか新宿だとか、そんな異彩な喧騒の中でこまごまとせわしく泳いできたから、大きな世界ってとてもこわい。
けどならしていきたいなと思っている。
それで、いつか絶対こんなふうな全く知らなかった国に行ってみるのが夢。私はイギリスのライブハウスでロックも聴きたいし、インドネシアで中島らもが「水に似た感情」などで書くような神秘を感じる瞬間があるのか確かめたいし、中東やアフリカにも行ってみたい。あと、モンゴルとかね。
そんな場所があるのは確かなんだもんね。夢みたいだ。ちょっとは言葉が話さなきゃしゃべれないけれど、もしかするとめっちゃ性格似てる子とかいたりするのかな。そんな出会いがあったら多分泣いちゃうな。
現実的には、まず毎月の地味な爆買いを少しずつやめて、お金を貯めなきゃね。。とりあえずしばらくは現代人らしく、Instagramとグーグルアースで世界になれていこうと思う。あと本ね!




今日は在宅だったので、暗めのお部屋の中で粛々とパソコンさわったり寝っ転がったりした。頭が痛いのが、気圧のせいなのか二日酔いなのかわからなかった。またビールを飲んだ。ちょっと心配になって、十回腹筋した。きもち。

やっぱり台風は来ているようで、ざあざあ降りの雨粒にうたれて窓が白く煙っていた。
その濡れたガラスを指でなぞって、なぞにLOVEと書いてしまった。
何気なく書いた後で、"お、おお。。。"となった。
台風がゆけばすずしくなって、人恋しい季節がやってくる!

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