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「少子化」について小学生に聞いてみたら? #noteで授業公開

勝どき作文教室のレッスンでは、毎週、音読教材をわたしています。「時事」「自然科学」「世界」といったテーマを意識しながら、できるだけ、普段の読書で選ぶ機会の少なそうなテーマを選んでいます。

難しそうかなと思って選んでも、子どもたちは案外、興味を持ってくれます。テーマの一例はこちらです。

・上野動物園 パンダの親離れ
・日本の子どもは少ない?
・ニュージーランド首相の退任スピーチ
・天気予報の今と昔
・家でできる「毛細管現象」の実験
・卵アレルギーでも食べられる卵の開発
・G7サミットが開かれた広島ってどんなところ?

前提となる知識が必要なテーマのときは、絵やグラフを見せたりしながら、レッスンの中で説明します。

イメージしてから読むことで、音読に取り組みやすくなるのはもちろん、内容の理解が進むと考えているからです。

問いかけて自分事にしてもらう

今回取り上げるのは「日本の子どもは少ない?」という、少子化をテーマにした文章です。
レッスンでの共有の仕方を紹介します。

まずは「日本に住んでいる人の数を知ってる?」などと問いかけてから、教材の冒頭を読みます。

日本には、およそ1億2000万人の人が住んでいます。そのうち、子どもの数は1435万人です。日本の子どもは多いと思いますか。それとも、少ないと思いますか。

ここまで読むと、少子化についてなんとなく聞いたことのある子から、「(日本の子どもの数は)少ない!」という声が上がることもあります。

グラフでビジュアルに見せる

「そう? なんで少ないって言えるかな?」と問いかけながら、「こどもの数および割合の推移」のグラフ(総務省)を見せます。

グラフの読み方を習っていなくても、右にいくにつれて、棒の高さが低くなっていることはわかります。

「一つひとつの棒は、子どもの数なんだよ。左のほうが昔で、右のほうが今だよ。昔と今を比べると、子どもの数は半分くらいになっているね。だいぶ減ったね」と話します。

ここまで来たら、次の段落を読みます。

まずは、今と昔をくらべてみましょう。今から68年前、1955年の子どもの数は2980万人でした。今の2倍以上の子どもがいたということです。その後、子どもの数は一時的に増えましたが、1982年から42年連続で減り続けています。

勝どき国語・作文教室

地球儀で国を探してもらう

次に、地球儀を出してきます。「アメリカを探してみて!」と言うと、子どもたちはすぐに集まってきます。

「世界と日本をくらべてみよう。一つの国に100人しか住んでいないとするでしょ。日本だと、100人のうち、11人か12人くらいが子どもだよ。残りは大人だよ。わかった?」
「ほかの国はどれくらいだろう? アメリカだと100人のうち何人くらいが子どもだと思う?」

こんなふうに話しながら、一つひとつの国をさがしながら、文章を読み進めていきます。

次に、日本と世界をくらべてみましょう。一つの国に100人が住んでいるとして、そのうち何人が子どもかを考えてみます。日本の場合、100人のうち11人か12人が子どもです。アメリカの場合、100人のうち18人が子どもです。バングラデシュでは100人のうち26人、ナイジェリアでは100人のうち43人が子どもです。

最後の段落は、短時間でおもしろくできる要素が少ないので、「子どもが少なくなることを少子化っていうよ。」と軽めに説明。あとは、1週間、練習してきてもらいます。

子どもが少なくなることを「少子化」といいます。少子化が進むと、将来、国を支える人が減ってしまいます。そこで日本では、子どもを育てやすくして、少子化を止めようとする取り組みが行われています。

「小学生が考える少子化」って?

子どもの目に少子化はどう映るのか、興味がありました。そこで、次のレッスンの冒頭で尋ねてみることにしました。

「少子化のいいところと、悪いところを教えて!」と聞くと、「いいところなんてないよ〜」と子どもたちは困りはじめました。

結果、
「将来、もっと子どもが少なくなる」
から始まり、
「日本にだんだん人がいなくなる」
「遺跡になるかも」
「無人島になったりして」
「(将来の世代に)忘れられる」
と危機感がどんどん膨らんで、悪いところばかりが挙がる結果になりました。

子どもたちなりに意見を持って、1週間、音読に取り組んでくれたのだなということがわかる場面でした。

#作文教材
本日ご紹介した音読教材はこちらです。
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