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探偵ゲームの感想文を書こう #noteで授業公開
作文教室のレッスンの一部をnoteで紹介します。本日紹介するのは、情報を整理するための「探偵ゲーム」と、その感想文を書くレッスンです。
探偵ゲーム「犯人を探せ!」
ある町のおじいさんの買い物バッグが、何者かに盗まれてしまいました。いったいどんな人物が犯人なのでしょうかーー。
こんなストーリーの下、与えられた情報を整理しながら犯人を探します。
まずは3チームに分かれて情報を整理します。その後、各チームが情報を持ち寄って発表し、全員で協力して犯人を探すことになります。
犯人を探しながら情報を整理する
子どもたちに配られるのは、
①町の地図
②町の人たちの話(会話文)
です。
①町の地図は全員同じですが、②町の人たちの話は、3チームそれぞれに違うものが配られます。
Aチーム:バッグを盗まれたおじいさん、おじいさんの向かいの家に住む女性
Bチーム:学校の校庭にいた子どもたち
Cチーム:お弁当屋さん、お弁当を買いに来た会社員
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町の人たちの話の一例を見てみましょう。Aチームが担当するおじいさんの話です。(配布するプリントにはふりがなをふっています。)
おじいさんの話
買い物から帰って、庭で洗濯物をとりこんでいたら、素早く移動する影が映りました。
なんだろうとふり返ると、置いていた買い物バッグがなくなっていました。バッグは緑色のチェック柄です。思わず「泥棒!」と叫びました。
買ったのは、しょうゆと魚とナスだったかな。幸い、財布はポケットに入れていました。犯人の服装は見ていません。音もなく走り去ったんです。
おじいさんの向かいの家に住すむ女性の話
白昼堂々と盗みをはたらく犯人がいるなんて、物騒な世の中ですね。犯人はおじいさんの財布をねらっていたんでしょうね。
遊びに来ていた友達が帰って、お昼のニュースを見始めたのが1時10分。すぐにおじいさんの叫び声がしたので外に出たけれど、あやしい人は見かけなかったわ。
そもそもこのあたりは、人通りが少ないんです。人より鳥や動物のほうが多いくらいよ。
二人の話は会話文として書いてあり、情報としてきれいに整理されているわけではありません。Aチームのメンバーは、二人の会話を読んで、おじいさんが「いつ、どこで、何に気づいたか」を一文で整理します。
時間が余ったら、手がかりになりそうな情報を話し合って、発表できるように抜き出しておきます。
日常生活でも役立つスキル
この探偵ゲームは、まとまっていない情報を整理することを目的にしています。子どもたちは推理を楽しみながら、4W(いつ・どこで・誰が・何をした)の情報を整理します。
日常生活において人と話すとき、情報はつねにまとまって与えられるわけではありません。調べものをするときも、国語の読解問題を解くときも、自分が手に入れたい情報をすぐに手に入れられるわけではありません。
むしろ、情報はさまざまなところに散らばっており、探したい情報を自分で見つけて整理する必要があります。
こうした背景から、レッスンではゲーム感覚で情報を整理する練習を取り入れています。
探偵役は手がかりを簡潔に発表する
探偵ゲームの続きに戻ります。
3チームそれぞれが情報を整理した後は、皆の前での発表です。すでに情報は一文に整理されています。
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手がかりはチームごとに違うので、子どもたちにとって、ほかのチームの発表内容はとても新鮮です。しかもほかのチームの手がかりがないと、犯人を見つけることはできません。だから発表を聞く姿勢も真剣そのものです。
このゲームは発表をきちんと聞いていれば、犯人がわかるようになっています。(「もっと難しくして!」というリクエストをたびたびもらうので、そのうち難しいものも用意するかもしれませんが……。)推理した犯人を発表して、探偵ゲームはおしまいです。
感想文は「体験直後」に書く
探偵ゲームを楽しんで、「あー、楽しかった!」で終わるわけではありません。その気持ちを感想文としてまとめる練習をします。
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体験をしたばかりの状態は、感想を書くタイミングとしていちばん適しています。頭も心も、体験を鮮明に記憶しているからです。
このとき、「おもしろかったです」と一言で書こうとする子が出てきます。保護者の方からも「語彙が少ないので『おもしろかった』『楽しかった』で日記が終わってしまいます」と言った悩みは、本当にたくさん寄せられます。
このお悩みの解決方法は、次回書きたいと思います。
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