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日本発のゲーム特化型ブロックチェーンOasysの勉強会参加してみた

まえがき

はじめまして!かちまると申します
普段はdouble jump. tokyoでエンジニアしながら、スーツアクター・アクション俳優として世界中のステージでパフォーマンスする日々を送っています。
DJTには2021年8月からエンジニアとしてジョインして、ブロックチェーンゲームや流行りのNFTに関連したあれやこれやの開発に携わっています。
コード書く合間にパフォーマンスして、パフォーマンスする合間にドキュメントを書いてますw

そんな働き方を許してくれるDJTでは、毎週1回DJTDAOメンバーの中から発表者を募って勉強会を開催しています。

今回は先日開催されたOasysについての勉強会の内容をまとめていきます!
発表者はOasysのyasさん(https://twitter.com/yas_crypto)です

先日、相次いでこのようなプレスリリースが発表されました!

この辺りの情報解禁もあいまって、Oasysという名前を耳にした方もたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか。

OasysではGas代がユーザーはかからないよ!とかっていう情報は世の中に結構溢れてきているので、少し込み入った話も噛み砕きながら書いていけたらと思っています!

そもそもOasysとは

Oasysは「Blockchain for The Games」をコンセプトとする、EVM互換のゲームに特化したブロックチェーンプロジェクトです。プレイヤーは高速かつガス代無料でストレスなくゲームをプレイすることが可能になります。トランザクション手数料と実行待ち時間のハードルをなくす事で、これまでNFTやブロックチェーンゲームに触れてこなかったIPファンにもコンテンツを届けやすくなります。また、ゲーム開発面では、ブロックチェーンを活用したゲーム内決済やNFTアイテムに関わるマルチチェーン対応、及び他ゲームとの連携が容易になります。

Oasysの背景とストーリー

後述しますが、Oasysのアーキテクチャはプライベートチェーンと呼ばれる形に近い形を採用しています。
これは分散を謳うブロックチェーン業界、Crypto界隈ではセキュリティの観点などから、ネガティブなイメージを持たれ禁忌される傾向にあります。
もちろん、あえてこの形を採用した理由があります。

Defiとブロックチェーンゲームの比較

OasysのWhitePaperより

図は数値を元に作られたものではなくあくまでイメージですが、一般に次のような特徴が両者に存在します。

Defiの特徴
・TVL(Total Value Locked)が高くなる
・Transaction Volume,DAU(Daily Active User),NFT Sales Volumeは低い

Uniswapに資産を預ける状況を想像するとイメージしやすいです。
毎日頻繁にTransactionを起こすわけではなく、月や年に数回の預けたり引き出したりするタイミングでTransactionを発生させるためTransactionの総量は伸びません。

ブロックチェーンゲームの特徴
・TVLは低い
・Transaction Volume,DAU(Daily Active User),NFT Sales Volumeは高くなる

STEPNなど多くのゲームでは、大量のユーザーが日々たくさんのTransactionを起こしています。また獲得した資産を現金化したりNFTのアイテム(STEPNなら靴など)に交換するユーザーが多く、Defi運用などはあまりさせない傾向があります。その結果TVLは伸びません。

このように、それぞれの特徴には大きな差があることがわかります。

Defiとブロックチェーンゲームの提供される構造の違い

OasysのWhitePaperより

Defiは最終的にコミュニティが所有する、DAO化することが目指されています。誰かが保有すること、特定の個人によって恣意的な運営をされることはないと謳われています。
対してブロックチェーンゲームは特定の開発者・デベロッパー無くして発展していくことは考えにくいです。トランプなどルールが存在するだけの簡単なゲーム以外では、デベロッパーが必ず存在しゲームを運営しているのではないでしょうか。

読者の方にも、クリエイターや開発しているメーカーによってゲームを選んだ経験がある方が多数いらっしゃると思います。
このクリエイターやデベロッパーへの、ユーザーの信頼がOasysの発想のベースになっています。

このようにDefiとブロックチェーンゲームがさまざまな特徴の違いを持つ中で、ゲームに特化してOasysは設計されました。

Oasysのアーキテクチャ

全体像

OasysのWhitePaperより

OasysはL1のHub-LayerとL2のVerse-Layer、2つのレイヤーで構成されます。
DJTが展開するHOME verseやMCH株式会社のMCH-verseはこのVerse-Layerに属します。
Oasysでは、ゲームなどで発生するほぼ全てのTransactionをこのVerse-Layerで処理することにしてスケーラビリティを高めています。
理由は単純、ゲームで発生する大量のTransactionを高速で処理できないとゲーム用のブロックチェーンとして生き残れないから。
他にもスケーラビリティを高める方法はありますが、Transactionの増加によって起きるTransaction詰まりなどを起こさず運用するため現在はこの設計が採用されています。

Layer2(Verse-Layer)の運用

OasysのWhitePaperより

OasysはOptimistic rollupsを元にした構造を採用しています。
Optimismでは、自身で実行されたTransactionを一旦検証せずL1(Ethereum)へCommitしその後7日間の検証期間中にVerifierがTransactionを検証して確定させます。都度検証するステップを挟まないことで、高速に処理が行えるようにしているのです。しかし、これには7日間の検証期間中はTransactionが確定しないというUX的にはマズい問題があります。(検証によって誤りが見つかるとロールバックしてしまう可能性がある)

OasysはこのOptimistic rollupsの問題点を、2つのアプローチをもって解消を図っています。
・Transactionの検証を担うVerifierをAppointed Verifierとして担当を割り当てることで迅速に検証を行わせ、Transactionを早急に確定させる
 →最近のアップデートでOasysのHub-LayerのValidetorが検証を担う構造になり、名だたるValidetorによる信頼のおける検証が行われます
・Transactionが誤っていたことがわかった場合、Verse Builder側が補償する仕組みをエコノミクス的に構築する
 →Tech的なアプローチだけではなくVerse BuilderのReputaition(信頼)を担保にするというエコノミクス的なアプローチを行っています

この構造を持つことで、OasysはOptimisticの欠点をカバーしつつ高速で大量にTransactionを処理することができるのです!

Tokenのデザイン

OasysのWhitePaperより

Oasysで発行されるTokenは大別して2種類あります。
ここでいうTokenというのはFungible-Token(ETHやMATICなど)とNon-Fungible-Token(デジタルアートなどで近年盛り上がっていました)の2種類、という意味ではありません。
FTでも2種類NFTでも2種類、今後新しい規格のERC XXXXみたいなのが出現してもそれぞれに2種類できます。

  • oFT/oNFT(Hub-Layerで発行されるToken)

  • vFT/vNFT(Verse-Layerで発行されるToken)

です。
exFT/exNFTは他のL1チェーンからOasysの公式Bridgeを使ってブリッジされたTokenをさします。

oFT/oNFT

oFT/oNFTはHub-Layerで発行され、Verse間を跨いで使用することはもちろん、Oasysの公式Bridgeを用いて他のチェーンに持ち出すことができます。
いわゆる普通のFT・NFTです。

vFT/vNFT

vFT/vNFTはverse-Layerで発行され、発行されたVerseから外にBridgeなどを用いて持ち出すことができません。
Privateチェーンに近い挙動をするTokenになります。
Privateな環境にFTやNFTを用意しても、意味なくない?というのが一般的なブロックチェーン業界の考えにはなりますが、あえてこのVerse専用Tokenを作っているのがOasysの大きな特徴ですね!

vFTの具体的な用途はズバリ、ゲーム内通貨です。
MCH-verseでは既にGUMというFTが実装されています。

vNFTはVerseに展開されるIPを保護する働きを担います。
oNFTとして発行してしまうと、IPやVerseの管理者の及び知らないところで勝手にEthereumチェーン上でレンディングの担保資産として預けられてしまったり、NFTの発行者が意図しない使い方をされてしまう可能性があります。oNFTはこのリスクを仕組みで排することを目的としています。

OasysでのToken展開

OasysではこのvNFTとoNFT、vFTとoFTどちらかだけを使ってゲームを作るではなくMIXして使うのが理想的です。

有名IPのゲームを新規に開発してOasysでローンチする場合、

  • キャラクターのNFTはIPを保護をするためにvNFTで発行する

  • 武器やアイテムなどは比較的ありきたりなものはoNFTで発行する

といった感じで使い分けることが可能です。
これによってそのゲームやVerseでのトークンエコノミクスの構築の仕方に汎用性をもたすことができます。

既存のブロックチェーンゲームがOasysに参入する場合、

  • 既存のFTやNFTはoFTとoNFTで発行する

  • 新しい要素としてvFTを新しい課金のスキームとして活用する

  • vNFTでIPを保護しこれまで難しかった相手とのコラボを実現する

といった、ただのマルチチェーン対応にとどまらないOasysならではのエコシステムが構築できます

まとめ

今回の勉強会は、Oasysがどんな意図を持って作られたブロックチェーンなのか、どんな仕組みなのかにフォーカスした勉強会でした。

Oasysはメインネットローンチに向かって、どんどんこれから盛り上がっていくことになると思います。

DJTのエンジニアとして、なんとか食らいついていけるようにこれからも勉強頑張っていきます!

共有できそうなくらい知見貯まったら、また記事書きますね!それでは!

出典

Oasys White Paper : https://docs.oasys.games/docs/whitepaper/intro


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