鶴齢の夜。
収穫はないだろう、と思いつつ三軒ほど本屋巡り。
こんなシチュエーションだと、無理やり本を掘り出し買ってしまう。
記憶の奥に消え残っていた哲学の書。
待ち合わせの店に向かう。
馴染みの小さな居酒屋は、若い店主がひとりで回している。
ざっと今夜出てくる肴の説明がある。
ぼくらは、ただうなずけばいい。
「鶴齢、おいしいですよ」
「じゃあ、鶴齢ではじめてシークワーサーサワー、芋のお湯割りといくか」
「ありがとうございます」
ガールフレンドはスパークリングワインから。
これがうまかった!
イサキの皮目をサッと炙り、宮崎のへべすをかけまわす。
塩は、あっても無くても良い。
旬の魚と木酢のちからにうなる。
へべすをみせてもらったが、他の木酢と見分けがつかない。
空いてきたので、一曲かけてもらう。
ご馳走様でした。