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私的ハロプロを語るうえで必要な10要素⑥

武器がひとつじゃ足りないこと。
アイドルはエンターテイメントの最高峰。
私にとってハロプロは非常に学びが多いのだ。

1. 一芸必殺かオールマイティーか

 アイドルといえば「ステージで歌ったり踊ったりするかわいい子」というイメージが一般的かと思う。むろん間違いではないが、アイドルはそれだけじゃない。「歌」「ダンス」のほかにライブやイベントでファンを楽しませる「トーク」、演劇やドラマでの「演技」、最近の地上波レベルでは少なくなったがファン向けDVDなどで見られる「バラエティスキル」、女性雑誌やグラビア雑誌に見るモデル業としての「ビジュアル&スタイル」などとにかくあらゆるジャンルを網羅している。

 ハロプロは歴史が長いだけに脈々と受け継がれてきている伝家の宝刀がいくつかある。このあらゆる武器のなかで特定のジャンルに特化した「一芸必殺」タイプとあらゆるジャンルを器用に使いこなす「オールマイティー」タイプがいる。といっても、ハロプロに所属しているだけでとんでもなくすごいので甲乙つけがたいのが事実。「歌はこの子、ダンスはあの子で・・・」といったようにジャンルによって推しを選べるのもハロプロならではの贅沢な楽しみ方かもしれない。

2. アイドルは通過点

 これだけいろいろなジャンルを一度に経験できるのはそうそうない。少なからず彼女たちの将来に影響を与えているだろう。歌が好きな子は歌手になり、演技が好きな子は女優になり、バラエティースキルに長けている子はテレビ番組にひっぱりだこのタレントになる。現時点で女性アイドルグループが一度も解散・休止せず40代、50代まで続いている例はない気がする。それを思うと”アイドル”という職業は通過点のひとつなのだ。アイドル時代は仲間と切磋琢磨し、いろんな大人たちに囲まれながら自分を試していける「貴重な時代」。そんな貴重な一瞬に巡り合えたことに感謝する日々である。

3. 今だからこそ問う、エンターテイメントの意味

 エンターテイメントは必ずしも生きる上で必要ではないかもしれない。歌えなくても食べていければ、踊れなくても身を守る場所があれば、スタイルがよくなくても着るものがあれば生きていける。生と死の価値の狭間で世界中の人が右往左往しているこの状況の中で、私は改めてエンターテイメントの意味を考える。不要不急かもしれない、でもいつの時代も塞ぎこんだ空気を変えてくれるのは芸術やエンターテイメントの力だったはずだ。彼らの音色やことばは心を軽く晴れやかにしてくれる。彼らのダンスや笑顔は一歩前に進む勇気をくれる。数字では測れなくとも確かに存在するなにかを与えてくれる。だから私はエンターテイメントの持つ力を信じている。

 一芸を磨くもよし、いろんな引き出しを持つもよしのアイドルはまさにエンターテイメントの最高峰だ。

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