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モノクロネガ自家現像 補足 ~中判を現像するときの話~
こんにちは、なまこです。
モノクロ自家現像 その1~3では35mmフィルム前提の解説をしました。
さて、35mmフィルムの次に挑戦するフィルムと言えば中判フィルムですが(人によるだろ)、本記事では中判の自家現像をする際に、自分が気を付けていること・人によっては気を付けた方がいいかもしれないことを補足していこうと思います。
フィルムの取り出しについて
中判は撮影後、テープで留まっているだけなので、ほどくところからリール巻き、現像タンクに収めるまで全てダークバッグ内で行いましょう。
まず、リール巻きの前にダークバッグ内で一旦フィルムを全て裏紙から外してしまいます。
スルスルとほどいていくとフィルムと裏紙がそれぞれ巻かれていきますが、最後はマスキングテープのようなものでくっついています。自分の場合はテープごとフィルムを外し、フィルムに折り込んで貼り付けています。
これでフィルムの取り出しは完了です。
リール巻きについて
以前の記事で解説したスパイラルリールは、付け替えることでも中判も対応している場合が多く、追加の費用無しで中判も現像できます。
と言いたいところですが、個人的には中判をスパイラルリールでリール巻きするのはおすすめしません……。(上手い人はできるかも)
スパイラルリールはリールの動きに合わせて、両溝にあるベアリングがフィルムを噛みながら送り出す仕組みです。
しかし、ご存じの通り中判フィルムは35mmフィルムより幅が広く、真ん中あたりでねじれたりしてうまく送り出されないことがあり、スパイラルリールは個人的には35mmフィルムより難しいと思います……。
そこで中判では、ステンレスタンクとステンレスリールをおすすめします。
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この写真を撮ってるときにリールが若干曲がってるのに気づきました
大きな問題はなさそうだけどなんでだろう……悲しいなぁ……
ステンレスリールの巻き方
中判用のステンレスリールの場合、フィルムを緩く曲げて真ん中の軸のクリップにフィルムの端を留めます。
あ、もちろんフィルムにはなるべく触らないように作業してくださいね。もし心配なら写真用手袋をつけても良いかもしれません。
留める部分は過度に奥に入れなくても、裏紙についていたマスキングテープが貼ってある部分くらいで大丈夫です。
このとき、クリップにまっすぐ留めることを意識してください。
曲がっていると上手く巻けなかったり、巻いている途中で片側の溝に偏って外れる原因になります。
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留めたら右手でフィルムを固定しながら、左手でリールを回転して巻き付けていくイメージでリール巻きしていきます。
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時々右手でフィルムを軽く動かして溝から外れていないか確認します。
もしどこかで溝から外れていたら引っ掛かかる感覚があります。
そして最後の部分は特に外れやすいですが、リールに沿って指で軽くなぞるように押してあげるとはまると思います。
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ステンレスリールは真ん中で留まっているだけなので、失敗しても外しやすいと思います。
うまく行ってないなと思ったら、一度外して、落ち着いてやり直してみましょう!
スパイラルリールより慣れるまでは難しいかもですが、案外そのうち「こっちの方が好き!35mmもこっちでやりたい!」ってなるかもですよ。
撹拌について
自分は倒立撹拌の間隔は変えたことが無いのですが、人によっては35mmと中判で変えたほうがいいようです。
(自分は「現像編」で述べた通り「60秒連続撹拌→60秒毎の4回撹拌(60/60/4)」で固定です)
もしかしたら、スピードや緩急などの撹拌の個人の癖で、フィルムの種類によって結果が変わりやすかったりするのかも……?しれません。
もし中判を現像したときに許容できないほどの現像ムラができてしまった場合は、撹拌回数を減らしたり増やしたりして、自分の中の丁度いい撹拌方法を見つけてみてください。
フィルムクリップについて
「お買い物編」で紹介した、35mm用のフィルムクリップだと幅が足らなくて乾かすとカールしたりするんですよね。
自宅でやる場合はカールのせいでスキャン用のフィルムホルダーから外れちゃったりします……。
スキャンもお店に頼むって人はあんまり気にしなくてもいいのかもしれませんが……まぁスキャンうんぬんは置いておくにしても、なるべく平面性を保つに越したことはないですからね。
なので自分は100均の幅広のクリップ(👆ダイソーのこれ)を使って乾燥させています。めっちゃちょうどいい。
中判フィルムの幅は61.5mmらしいのでそれ以上あれば大丈夫です。
後はほとんど変わりません
以上の事さえ押さえておけば後はあんまり変わりません!
もちろん、現像時間等の細かいデータは変わるかもしれないので公式のデータシートなどはチェックしましょう。
中判は35mmより大きいけど大判より手ごろだし、フォーマットサイズは645からパノラマまでいろいろあるし、カメラも魅力的なの多いしでほんと楽しいですよね。
35mmフィルムと並んでまだ手に入れやすいフィルムだと思うので、ぜひ中判でもバンバン撮って自家現像挑戦してみてくださいね~~~。
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