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私達夫婦の間には謎と秘密が多い
江村恵子さんの企画に参加するため、過去記事をリライトしたものです。
私達夫婦の間には謎と秘密が多い。
例えば、連休の旅行先は謎だ。
私が日程と行き先を決めることが多いのだが、妻には日程だけを伝える。当然どこに行くのか聞いてくるが、「言いたくない」と答えると、それ以上は追求されない。例えば、羽田空港の搭乗ゲートで、長崎行きだったり、富山行きだったりがわかる。到着後、ハウステンボスや立山黒部アルペンルートに向かうのだが、それも到着するまで言わない。どこに泊まるも、何を食べるも言わない。妻は頭をひねりながら、黙ってついてくる。
最近は、海外旅行でも同じである。パスポートが必要なことだけは予め伝える。空港で初めて行き先がわかるが、その飛行機はただの乗り継ぎ便かもしれない。到着するまで最終目的地はわからないのだ。最初は、「荷作り出来ないから、海外旅行のときくらいは教えろ」と頑張ったが、「言いたくない」を貫いたら、それからは追求されなくなった。南国にダウンジャケットを持っていってからは、寒い国か、暑い国かくらいは言うようにしている。
妻にも謎が多い。
私達は海外に住んでいるのだが、妻は日本で見慣れない食材を使って料理するのが好きだ。食事中に、「この食材は何か?」と聞くと、「謎の魚」とか、「謎のきのこ」「謎の野菜」と答える。多分本人もよく分かっていない。私もそれ以上追求せず、黙って食べる。
たまに、リクエストを聞かれる。仕事中に、「謎の魚を買ったが、どう料理して欲しいか?」とメールが届くのだ。私からは、「焼く」「煮る」「蒸す」等の返信を返す。帰宅すると謎の料理が待っている。変わった味なので、味付けを聞くと「謎の調味料」との返事だ。黙って食べる。
週末のレジャーや外食の予定も、「言いたくない」「謎」の応酬である。妻か私のどちらかは、よくわからないまま、黙って従うしかないのだ。
ネット情報に惑わされず、全身を使って、旅行やレジャーを楽しむ、料理を味わうための知恵である。
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