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子どもの教育福祉系のNPOが利用者向けのポータルサイトを独自開発した話

 カコタムシステム開発室 室長の斉藤です。

 認定NPO法人Kacotam(カコタム)は、札幌市(北海道)を中心に、経済的理由や家庭環境等により十分な学習環境にない子ども・若者を対象に学習支援・居場所づくりをしています。ざっくり言うと、「学習支援のNPO」です。2012年1月 団体設立、2014年3月 NPO法人化、2019年4月 認定NPO法人の認定を受ける。この間 延べ12,000人以上の子どもがKacotamの学習支援を利用してきました。が、常勤職員は 2019年2月まで1名、2019年3月からやっと2名体制となったところです。
 そんなミニマムな団体ですが、活動を円滑に進めるために必要な内部用のポータルシステム(以下、ポータル)を独自開発しています。2017年5月に運用を開始したので、5年半ほどが経過しました。2021年には大リニューアルもしました。

 そして、構想としては2019年ぐらいからはあった、利用者向け(ご家庭向け)のポータルシステム(利用者ポータル)を2022年4月にリリースしました。

 利用者ポータルでできることは、

  • 学習支援の利用申込

  • 開催予定日の参照

  • 出欠の登録

  • 利用料金の納付方法・納付状況の確認

と、まずは最低減の機能でのリリースとなりました。

 職員・ボランティアが利用するポータルの導入で、活動する人の出欠は各自で登録してもらえるようになっていましたが、利用者の出欠は、メール等でご家庭からの連絡を受けて、職員がポータル上で登録する作業をしていました。これが、月末~月初にかけての一大作業になっていました

 ポータルでボランティアが出欠を各自で登録するようになって、労力がぐぐっと減った体験もあり、利用者も各自が出欠を登録できるようにしたいという構想自体はありましたが、なかなか開発工数を取れずに2年ぐらいがあっという間に経ってしまいました……。

 転機は2022年4月からの利用料の納付方法の変更です。これまで学習支援の現場で現金でやりとりしていた利用料(1回 0円~500円)を、銀行振込による年会費制(1拠点 6000円/年、月1ペースの利用でコレまで同等、参加するほどオトク!)に切り替えることになりました。
 この変更に伴い、振込状況の管理機能などをポータルに追加するのはもちろんですが、利用者側にも支払状況等をお伝えするしくみを用意すべきだろうということもあり、いよいよ、利用者ポータルの開発優先度が上がり、工数をなんとか捻出しました。

 ポータルと利用者ポータル間は、それぞれAPIでの疎結合になっていて、利用者ポータル側は、ほどんどデータをもたないような設計になっています。
 これまでのポータル上での利用者出欠登録や利用者情報の管理の仕組みをそのままに、データの登録ができる画面を増やすだけというような設計です。利用申込も利用料関係も、同様な設計になっています。

 最低減の機能でスタートした利用者ポータルも、8ヶ月ほど運用してみると、利用拠点を追加するときのフローの悪さや、出欠登録に関する不具合、ログイン情報を紛失した場合の対応フローなど、機能面・運用面でのカイゼン事項がポコポコと出てきています。室長の年越しの宿題になりそう……。

 今回の、利用者ポータルの導入で、ポータル導入時と同様に、出欠の登録作業の労力が減ったのと、利用料の請求関係のチェックは労力をかけずにできるようになったという感覚があります。職員のハッピーに併せて、利用する人のハッピーにもなるようなシステムにしていけるように、今後カイゼンを進めていきたいと考えています。


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Katsuya SAITO
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