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トラベリングになるケース-プレーヤーも知らないバスケットボールのルール
バスケットボールのルールは現役のプレーヤーでも全てのルールを正確には把握していないことも多いと言われているらしい。また、改訂がしばしばあり、ちょっと競技から離れていると浦島太郎状態になる。
実際、サッカーだと第1条~第17条(サッカー競技規則2020/21、JFA)しかないのに対して、バスケットボールだと第1条~第50条(2020 バスケットボール競技規則、JBA)まである。
縁あってバスケットボールの審判資格を取得して、2シーズンほど札幌地区の高校生年代の試合で笛を吹いていたのが、笛を吹いて、ベンチにも選手にも きょとん とされて(時には、一緒に吹いていたもう一人の審判員も...)、 ドキッとしたものがある。
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選手Aが、コートに横たわりながらボールをコントロールした。その後、選手Aは、ボールを持ったまま立ち上がろうとした。
これは、トラベリングのバイオレーション(ルールの違反)であり、違反が起こった場所から最も近い位置で相手チームにスローインが与えられる。
実際の試合で起きた例としては、https://youtu.be/B6FcrPAn2D8 や
https://youtu.be/cfbC2gJDTIE がある。
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トラベリングといえば、「3歩歩いちゃだめ」と簡易に表現される、バスケットボールを代表するルールで、なんとなくは多くの人が知っているし、当然バスケットボールをやっている人なら知っているルールだ。
しかし、トラベリングの判定は結構微妙な部分があったり、ルール改定で「0ステップ(0歩目)」というのができたりと奥が深い。そもそも、3歩歩いちゃだめ!という表現は正しい理解につながりにくい表現だ。
今回取り上げた例については、競技規則 第25条 トラベリングの項に以下のように記載があり、バイオレーションとなる。
25-2-2 プレーヤーがフロアに倒れること、横たわること、座ること:
・ボールを持ったままフロアに倒れたり滑ったり、あるいはフロアに横たわったり座ったりしている状態で、ボールをコントロールすることは認められている
・その後にボールを持ったまま転がるか、立ち上がることはバイオレーションである
また、インタープリテーション(FIBA競技規則書の原理原則や考え方を実際のゲームで起こり得る場面に当てはめて考えることを目的として作られた資料)でも、トラベリングについて取り上げた項でこのことが説明されている。
25-2 例:A1が、ボールを持ったままバランスを崩しコートに倒れた。
解説:A1はコートに倒れただけなのでバイオレーションではない。
25-3 例:A1が、コートに横たわりながらボールをコントロールした。その後 A1は、
⒜A2にボールをパスした。
⒝コートに横たわったままドリブルを始めた。
⒞ボールをドリブルしながら立ち上がろうとした。
⒟ボールを持ったまま立ち上がろうとした。
解説:
⒜⒝⒞バイオレーションではない。
⒟トラベリングのバイオレーションである。
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