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学ばさる場所〜学習支援としてのゆるきちの機能〜
札幌市東区(元町駅・北24条駅から徒歩15分ほど)にある、中高生のオープンスペースゆるきちは、認定NPO法人Kacotam(カコタム)が運営する、中高生が自由に過ごせる空間です。
ゆるきちの雰囲気は、ゆるきちで活動しているボランティアスタッフが書いた「ある日のゆるきち」という記事がとっても参考になるかと思います。
ゆるきちができた経緯もあり、「居場所」としての面が注目されることが多いですが、「学習」という面でも面白い場所だと思っています。
この記事では、ゆるきちの学習に関わる面について紹介してみます。
学びの資源のある場所
ゆるきちには、中高生向けの参考書や問題集があるのはもちろんなのですが、顕微鏡や電子工作用の部材や用具が用意されていて、自由に使うことができます。
顕微鏡の使い方とか回路の作り方とか、問題集や参考書で見ているだけでは何も面白くないものに実際に触れることができます。
参考書や問題集が並ぶ、学習スペースの一角には、上の写真のような参考書とはちょっと違うけど、学びを深めたり広げたりできる書籍が用意されているコーナーがあります。
そして何より面白いのは、このコーナーの書籍の多くは、ゆるきちに関わっているボランティアスタッフが、それぞれ興味のあることや好きなことにまつわる本を持ち寄って置いているということです。
並んでいる本の内容に興味を持った子がいれば、持ち主のスタッフにつないで、話がどんどん広げることができます。一見すると中高生にはちょっと難しめに見える書籍でも、スタッフと一緒に興味を持ったことを学べる環境なのです。
恐竜の本が写真奥側に見えるのは、ゆるきちを利用しているある兄弟が、恐竜についてとても詳しいのを知って、旅先で博物館に行ったスタッフが思わず恐竜本を買ってきてしまったからだったりします。
学ばさる
ある夏の暑い日の一コマ。エアコンなんてものはない ゆるきちで、少しでも涼を得ようと、アレコレした結果です。
「凍ったボトルを扇風機の前に置いておけばいんじゃね?」
「いやいや、水を張ったたらいを置いて、気化熱で......」
「気化熱?」
「蒸発するときに周りから熱を奪うアレだよ」
「あー」......
という会話があったとか、なかったとか。
ゆるきちには、いろんなものがあるけど、ないものもあります。エアコンもその一つ。そんな時は、みんなで知恵を寄せ集めて、あるものを組み合わせてしのぐこともしばしば。
その中では、「あー、なんか授業で習ったわ」というような話もしばしば登場しますが、利用している子は中1〜18才と幅広く、学年によっては「?」なこともあります。そんなときは、知っている子やスタッフが知識の差分を埋める話をしてくれます。
ゆるきちで ゆるっと 過ごしているだけの中にも、実はたくさんの学びが隠れているのです。この自然と学んでしまっているを、北海道の方言「〜さる(別に自分の意思がそこにあるわけではなく、勝手にそうなったのだというようなニュアンス)」を用いると、「学ばさる」といえるのかなと思います。
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職員として ゆるきち に関わるようになってからは、特にこの「学ばさる」が自然と発生するような、しかけ をひっそりと用意して、しかけが上手く発動したときに心の中でニヤニヤとしていることもあるとかないとか。
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