次、いつ会えるか分からない
認定NPO法人Kacotam(カコタム)で、学習支援ボランティアを始めたころしばしば代表が口にしていたと記憶している言葉。
教員からサーバーエンジニアに転職した斉藤にとっては、印象深い言葉だった。教員として生徒に関わる時には、当然のように次にいつ会えるかの見当も、これからどのくらいの期間その生徒と関われるのかのも、おおよそ想定ができる。しかし、ここではそれができないというのだ。
実際、学習支援で関わる子どもの家庭環境の背景はいろいろで、不安定なところもある。突然生活環境が変化して、参加することが難しくなってしまうこともある。
最近だと新しいウイルスによる感染症の流行で活動が中断し、なかなか関わりを持つことが難しくなってしまっている子もいる。緊急事態宣言が解除され少しずつ回復してきてはいるが......、まだ会えていない子も少なくない。
「次、いつ会えるか分からない」という条件の下での学習支援や子どもとの関わり(信頼関係づくり)というのは、どうやったら上手く進んで行くのだろうか。活動を始めて4年になるが、はっきりとした答えは持てない。
活動の中で、継続的な関わりが見通せる一部の子どもと関わる時間が相対的に大きくなっているというのもあるからかもしれない。
今日の目の前の子どもに何ができるかを考える
といっても、何も指針がないわけではない。Kacotamには、カコタムクレドという大事にすること集がある。教育界隈の人が始めたわけではない学習支援に対して、斉藤が信頼を置く一つの材料にもなったよくできたものだ。その中の「子どもとの関わりで大事にすること」の中にある一節がこれ。
「次、いつ会えるか分からない」という条件の下では、「次回以降にこうするために、今日はここまでなんとか進めよう」とか「今日はここまででも、次回以降進めれば」というのは、困難だ。会うまでの間に状況が大きく変わることも(変わらないことも)ある。
それでも、今、目の前に居る子と「今」何ができるのか(何ができないのか)を考えることはできる。90分ほどの一緒に過ごす「今」の時間を大切に、真摯に「今」のその子と向き合うことが肝心なのではないかと思う。
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子どもに関わる活動をする上で、大事にしていきたいし、一緒に活動する人には大事にしてもらいたいと思うことがまとまった記事が目にとまったのでご紹介。
ずっと前から思っていたこと、ここ数年で強まった思いのことが、一本にまとまっていたので、多分目にとまったのだろうと思われる。