【企業分析】Wayfair(ウェイフェア)
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概要
ウェイフェアは、マサチューセッツ州ボストンに本社を置くアメリカのeコマース企業で、家具や家庭用品をオンラインで販売しています。
以前はCSN Storesとして知られ、2002年に設立され、現在11,000以上のグローバルサプライヤーから1400万点の商品を提供。
米国各地、カナダ、ドイツ、アイルランド、英国にオフィスと倉庫があります。
Wayfairは、Wayfairのメインサイト、Joss & Main、AllModern、Birch Lane、Perigoldの5ブランドの小売ウェブサイトを運営しています。
Wayfairの信念は、顧客が家で欲しいものすべてを簡単に購入できることです。現在、16,000人の従業員あり、3,000人を超えるエンジニアもいます。創業者のNirajとSteveも、前向きなモチベーションとして最前線をリードしてきました。
これまでに23,000を超えるサプライヤーを集め、数百万のユニークな製品を集めてきました。5つの主要ブランドはブランドの位置付けがまったく異なり、さまざまなユーザーのニーズに応じてさまざまな価格と特性の製品を提供しています。
2,700万を超えるアクティブユーザーサービスに提供してあり、注文の買戻し率は76%を超えています。
Wayfairの歴史については、下の図をご確認ください。
Wayfairは下記の特徴も持っています:
①製品スタイル:製品はスタイルがユニークであり、製品はスタイルと価格に応じて異なるブランドに分類されているため、さまざまなユーザーグループがお気に入りの製品をすばやく見つけることができます。
②テクノロジーのサポート:「ViewinRoom3D」ビジュアル製品テクノロジーにより、オンライン販売が簡単になります。 3Dツールを使用して完璧な部屋を計画し、購入前に製品が自宅でどのように見えるかを顧客が「確認」できるように支援します。
③リッチマーケティング:Wayfairは、Wayfairプラットフォームのブランドプロモーションと広告投資を非常に重要視しています。同時に、Wayday、Black Friday、SaveBig、GiveBackなどのさまざまなプロモーションを売り手に提供しています。
④操作が簡単:Wayfairは伝統的な意味でのeコマースプラットフォームではありません。オンライン小売業者として位置付けられており、4,000人以上の専門的なカスタマーサービスチームが顧客に最高のサービス体験を提供しています。また、ロジスティクスも深く発展しているため、大小さまざまな家庭用品の輸送が難しくありません。
プロダクト・ビジネスモデル
電子商取引(eコマース)プラットフォームを通じて、様々なサプライヤーから提供される様々な製品の閲覧、マーチャンダイジング、製品の発見を提供しています。
米国と海外の2つのセグメントで事業を展開しており、米国事業は、米国内のサイトでの製品販売から得られる収入で構成されます。海外事業は、米国外のサイトでの製品販売を通じて得られた収入で構成されます。
海外事業には、カナダ、英国、ドイツにおけるWayfair社の事業が含まれる。家具、装飾品、家庭用品、ホームセンター商品などをオンラインで販売しています。ウェブサイト、モバイル用に最適化されたウェブサイト、モバイルアプリケーションなど、さまざまなサイトを提供します。
Wayfair、Joss & Main、AllModern、Perigold、Birch Laneなどがあり、Wayfairは、家庭に関するあらゆるものをオンラインで提供、Birch Laneは、家具やホームデコレーションのコレクションを提供しています。
「ウェイフェア」の商品を作らず、在庫も持たない家具ECに特化したプラットフォームというビジネスモデルは新鮮です。
家具などのホームグッズは、アパレルや家電などのECサイトに比べると、オンラインの比率が低く、そこに目をつけ家具中心のオンラインプラットフォームというビジネスモデルを採用したところに成功の秘訣があるようです。
「ウェイフェア」は今や世界最大の家具・インテリア用品専門ECサイトとなっており、
コロナ禍の2020年第3四半期の業績は、売上高は38億4000万ドル(約3990億円)で、対前年同期比66.5%増と大きく成長しました。
2020年は新型コロナの影響で、長引くホームスティ生活から、家具やホームグッズをネット販売するウェイフェアに注目が集まりました。
実店舗の家具店舗が営業できないこと、そして、最大のライバルであるAmazonがコロナ禍で生活必需品を優先した配送に切り替えた点がウェイフェアの追い風となりました。
ビジネスKPI(下図参照)
1.既存ユーザーによる注文構成比:57%
←家具でこの数値は驚異的。クロスセルがうまくいっている証拠
2.年間顧客単価:$395
3.年間顧客粗利:$79 ※顧客単価-変動費(原価・CSコスト・手数料)
4.広告による獲得単価:$66
←3と4を比較すると獲得すればするほど利益が積み上がる数値。そして1のリピート率を考えるとLTVは更に大きいはず。そのため、現状赤字ではあるものの、広告比率の売上構成比が12%であることを考えると、利益が出るもも時間の問題です。
Wayfairの強み
UIの事例紹介
①画像検索機能
Wayfairでは通常のテキスト検索に加え画像検索の機能も提供してます。デザイン的にも検索までの横に設置されており目立つ位置に配置されてます。ボタンを押すと、カメラ撮影もしくは既存の画像を選択することができます。ここでは、写真フォルダにある既存の画像を選択しました。
step3で画像検索が実行されます。商品によっては30秒ほどかかりました。その後、step4で類似商品の検索結果が表示されます。
ikeaやnitoriの店舗で商品を見ながら類似商品をネットで探すといったニーズ、インスタ等でおしゃれだと思った家具を探したいニーズはあるかと思いますので、今後どのサービスでもデファクトになる機能だと思います。
②コーディネート提案機能
Wayfairではコーディネート提案の機能があります。IKEAの店舗のテーマごとのショールームをオンラインにしたような感じです。
そして、コーディネートはCGM的に投稿されており、インテリアデザイナーの方などがコーディネート案を作成しているようです。
コーディネートのなかに配置されている実際の商品を選択(step3)することも可能です。商品詳細ページ(step4)からARでの簡易配置ボタンを押すことで、実際の机の上に配置することも可能となります(step5)。家具やファッションにおいては、単品商品として販売するというより、”コーディネート売り”といった考えが重要になるので、コーディネート提案機能も今後のデファクト機能となると思います。
コーディネートを内製するのではなく、CGMにし、コーディネートのバリエーションを増やす試みをしているのは面白いと思います。
③ARによる3D配置機能
WayfairではARによる3D配置機能を提供してます。日本ではRoomCo ARさんが第一人者かと思います。今回はタンス(step2)を実際の自宅に投影してみました(step4)。昨年のARkitのアップデートにより、マーカーなしで3Dオブジェクトのサイズを再現することが可能となりました。
(以前はサイズの再現には、物理的に基準となるカードのようなマーカーが必要でした)実際に購入を検討している家具を自宅にARで配置することで、デザイン感、サイズ感を試すことができます。
高単価商材である家具はなかなかネットでは売れないと言った傾向がありましたが、このようなAR技術の発展により購入後のシミュレーションが可能となると購買率も確実に向上すると思われます。本機能も、家具ECにおいてはデファクト機能となると思われます。
配送を内製化
大型家具は、配送に時間がかかり、また、家具が配送途中で破損したりするなどダメージを受けやすい。
ウェイフェアはこの大型商品に特化して、商品の受注から、配送までできるだけ内製化することにより、配送効率を高め、消費者に商品を速く、安全に配送しています。
ビジネスの規模もかなりの勢いで成長しており、各種KPI(獲得コストやリピート率)やロジスティクスへの投資等の全体戦略も順調そうです。
そして、顧客に最も近いUIに関しても”画像認識検索”・”ARによる3D配置”・”コーディネート提案”等通常のレコメンドではない体験を顧客に提供することで、amazonにはできない特化型ECならではの価値を提供することができています。
市場動向
2021年9月27日にREPORTOCEANが発行した新しいレポートによると、世界のホームファニッシング市場は、2020年には約7,663億8,000万米ドルとなり、2021年から2027年の予測期間には5.2%以上の健全な成長率が見込まれています。
さらに、インフラ開発への政府投資の増加は、住宅や商業部門の需要に向けて貢献しているため、近い将来、製品需要を推進することができます。
米国における市場規模(Statista)
2022年の家具市場の売上は2,299億USドル。同市場の年間成長率は4.50%(CAGR 2022-2026)と予測されています。
市場最大のセグメントはリビングルーム用家具で、2022年の市場規模は691億1,000万米ドルです。
世界比較では、米国(2022年に2,299億米ドル)が最も収益を上げている。
総人口との関連では、1人当たりの売上は2022年に686.60米ドルとなります。
同社による推定
wayfairによると、2030年、北米と西欧でホームカテゴリーが10億ドルを突破するとしています。
2019年時点の米国における主要な家具オンライン販売店の市場シェア
業績
2022年2Q決算のハイライト
・純売上高合計は、前年同期比14.9%減少の5億73百万ドルとなりました。
・米国の純売上高は、前年同期比9.7%減少し、3億200万米ドルとなりました。
・国際純売上は、前年同期比35.7%減少し、5億7,100万ドルとなりました。国際的な純収入の恒常為替レートによる増加率は、(34.4)%でした。
・売上総利益は8億9,600万ドル、純売上高に対する比率は27.3%。
・純損失は3億7,800万ドル、非GAAPベースの調整後EBITDAは(1億800万ドル)
・希薄化後1株当たり損失は3.59ドル
・非GAAPベースの調整後希薄化後1株当り損失は1.94ドル
・営業活動に使用した純キャッシュフローは1億1500万ドル、Non-GAAPベースのフリーキャッシュフローは(2億4400万)ドルでした。
現金、現金同等物および短期投資の合計は17億ドル
・2022年6月30日時点のアクティブ顧客数は、前年同期比24.1%減の2,360万人に到達
・2022年6月30日時点のアクティブ顧客1人当たりのLTM純収益は537ドルで、前年同期比12.3%増となった
・LTM受注を稼動顧客で割った顧客一人当たりの受注は、2021年第2四半期が1.96であったのに対し、2022年第2四半期は1.85
・2022年第2四半期の受注は1,000万件、前年同期比28.2%減
・2022年第2四半期のリピート顧客からの受注は78.6%、2021年第2四半期は75.6%でした
・2022年第2四半期のリピーター顧客からの受注は780万件、前年同期比25.7%減
・2022年第2四半期の平均注文額は330ドルで、2021年第2四半期は278ドルでした
・2022年第2四半期、配信された注文全体の59.0%がモバイルデバイス経由であったのに対し、2021年第2四半期は59.4%であった
Wayfairのアクティブユーザーは2021年第1四半期以降、右肩下がりになっているが、第4四半期の2730万人は、パンデミック開始時よりまだ高い水準にあります。
経営者
創業は2002年で、現在のCEOのニラージュ・シャーとその友人であるスティーブ・コーナインが起業しました。
シャーはインドからの移民の子としてマサチューセッツ州ピッツフィールドで育ちました。祖父は「インドで鍋を作る鉄鋼製造業」を営んでおり、父はゼネラルエレクトリック社で機械エンジニアとして働き、退職後は早くからウェイフェアに参加して財務アドバイスを行い、今も同社に勤めています。
シャーはコーネル大学を卒業し、1995年に工学の学士号を取得。
2002年にコーネル大学の同級生であるSteve Conineと共同でウェイフェアを設立し、設立当初からCEOを務めています。
2017年、Shahはボストン連邦準備銀行の取締役に就任。
2017年5月、ウェイフェアの株価は1株あたり70ドルを超え、シャーと共同創業者のスティーブ・コニーンは共に2019年現在、それぞれの推定純資産は23億ドルです。