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【企業分析】セールスフォース・ドットコム

CRM(NYSE)
時価総額:2,144億ドル
株価:222ドル
売上高:212億5,000万ドル
営業利益:4億5,500万ドル
(2021年)

事業内容: クラウドベースのCRM、顧客管理システム、営業支援システム等の提供事業
設立年:1999年
本社: 米国カリフォルニア州サンフランシスコ
代表者: マーク・ベニオフ(創業者、会長兼CEO)
従業員数: 56,606人(2021年)
主要株主: マーク・ベニオフ 3.36%

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概要

米国カリフォルニア州に本社を置く、顧客関係管理(CRM)ソリューションを中心としたクラウドコンピューティング・サービスの提供企業である。ビジネスアプリケーションおよびクラウドプラットフォームをインターネット経由で提供している。1999年3月に、マーク・ベニオフにより設立された。翌2000年4月には、日本法人が設立されている。

営業活動をはじめ、問合せ対応やマーケティングなど、さまざまな場面における顧客情報をまとめて管理できる特徴がある。わかりやすく言えば「クラウドタイプの顧客管理ツール」だと考えると良いだろう。クラウド型の顧客管理ツールの種類は多種多様だが、Salesforceは全世界で15万社以上(2020年時点)の企業で導入されている。日本国内でも有名企業が導入するケースも多く、国内外を問わず人気のツール。

サンフランシスコの本社(セールスフォース・タワー)

事業内容・業界動向

セールスフォースは、クラウド上で使える顧客関係管理(CRM)システムなどを展開している企業である。

企業向けのサービスであり普段の生活ではなじみがないので、その名を知らない方も多いかと思うが、世界で15万社以上がそのサービスを導入しており、CRM市場ではシェアトップに立っている最大手の企業である。

また2020年~2021年は新型コロナの影響で、多くの企業がデジタル化を推し進めたことにより、セールスフォースは大きく売り上げを伸ばした。

調査会社グローバルインフォメーションの調査によると、CRMの市場規模は2027年に944億ドルにまで達すると予想されている。

これは2021年の約1.7~2倍の水準。

引用元:PR TIMES

CRMソリューションを提供するセールスフォースにとって、市場の拡大は追い風となりる。

さらに現時点で世界シェアを独占している以上、業績に与える影響も大きいと考えられる。


Salesforceは、「営業」や「マーケティング」など業務別で使えるさまざまな製品・サービスを提供している。以下では、シチュエーションを分けたうえで、Salesforceの製品やサービスを紹介する。

●営業(Sales Cloud)

Salesforce製品のひとつ「Sales Cloud」は、顧客管理ツール(CRM)と営業効率化ツール(SFA)をパッケージ化した製品。クラウド型CRM・SFAツールでは世界でもトップクラスのシェア率を誇り、さまざまな企業で採用されている。同製品では、顧客情報や商談内容を管理・記録できるのが特徴。これらの情報を基に、営業効率のアップを見込める。

ユーザーが広告をクリックしてから成約に至るまでの過程を追跡できる「見込み客管理機能」も備わっているため、見込み客の開拓や囲い込みにも役立てられる。売上予測や分析結果の共有、営業活動のレポート作成も可能。TwitterやFacebookなどのSNSと紐付けられるため、顧客調査の視点や選択肢も広がる。紐付け機能から得られた情報は、備え付けの社内SNSツール「Chatter」で共有できる。

●サービス(Service Cloud)

ひとつの画面で、顧客情報や問合わせ情報を管理できる製品。同製品には、「ナレッジマネージメント」というFAQや知識データベースを構築する機能が搭載されています。この機能によって、専用の問題解決コミュニティが公開され、ユーザーがわざわざコンタクトセンターへ問合わせなくても問題解決ができる仕組みになっている。これにより、ユーザーだけでなくオペレーターの負荷を軽減できる。

専用プラットフォームでは、コールセンターの顧客対応やフィールド作業の一元管理でき、作業効率のアップが見込めます。加えてオペレーターによる対応履歴は過去の事例と自動的に紐づけられ、今後のナレッジとして保管されるのも特徴。

●マーケティング(Marketing Cloud)

メールマーケティングに特化しているのが「Marketing Cloud」です。一括メール配信やソーシャルキャンペーンの管理などを使い分けることで、ユーザー一人ひとりに合ったマーケティングを展開する「One to Oneマーケティング」を実現できる。メールマーケティングで使用するコンテンツは、画面上でドラッグ&ドロップで作成できるのが特徴。ユーザーの行動傾向を分析・トラッキングしたうえで、ベストタイミングでメールマーケティングのコンテンツを送信できる。

●コミュニティ(Experience Cloud)

コミュニティは、顧客やビジネスパートナーとのコミュニティを築ける。ファイル共有機能やモバイル対応機能、CSSによるカスタマイズ機能などを搭載しているのが特徴。端的に言えば、コミュニティは「交流場所を作る機能」という認識でも良いだろう。人事担当者が従業員に情報を伝達したり、顧客同士が情報交換する場を提供したり、機能や目的は多岐にわたる。コミュニティは、顧客と販売代理店、従業員を繋げるための製品という認識でも良いだろう。

●分析(Tableau CRM)

Tableau CRMを使えば、データ一覧表やグラフへアクセスすることで、さまざまな情報を分析できる。Salesforce全体のデータに基づいて情報が分析され、最適なアクションを提案されるのが特徴。このほか、データソースが複数あっても1ヶ所にインポートして融合できるので、まとめてデータを分析したいケースにおいては重宝する。

●アプリケーション(Salesforce Platform)

Salesforceに搭載されている「Salesforce Platform」は、モバイルアプリを開発できる開発プラットフォーム。このプラットフォームで開発できるモバイルアプリはさまざま。作成したアプリは、業務管理やプロジェクト管理など、幅広い業務で活用できる。「Microsoft」や「Oracle」「SAP」などの外部システムと連携できるAPI(アプリを開発するためのインターフェース)が用意されており、デバイスやアプリを超えた連携が可能。

●コマース(Salesforce Einstein)

「Salesforce Einstein」というAI(人工知能)を導入することにより、顧客一人ひとりに対応した商品を予測し、レコメンドしてくれるサービス。Einsteinは、Salesforceに蓄積されているデータを学習し、顧客対応に役立つコンテンツを提供してくれます。商品の受注、入金管理、注文管理に至るまで、オンラインショッピングをあらゆる面で管理することができる。

●プロダクティビティ(Quip)

Salesforceには、タスクやドキュメントを管理・編集できる「Quip」ツールが搭載されています。スムーズに情報共有できるほか、コメント機能やチャット機能を活用してチームディスカッションに役立てたり、タスク・ドキュメントの作業をひとつのプラットフォームに一元化できたり、離れた場所同士で行う共同作業をアシストする。

競争力

「Salesforce(セールスフォース)」とは、営業活動をスムーズに行い、営業に関するすべての業務を効率化・スリム化するクラウドサービス。
また、SFA(営業支援システム)単独の機能を持つサービスも多い中、「Salesforce(セールスフォース)」はCRM(顧客管理システム)としても機能する。

SFAとして、活動報告がリアルタイムでいつでもどこでもできるといった基本的な機能はもちろん、一元化された情報を自動的にアレンジするのが得意。「Salesforce(セールスフォース)」独自のAIが、SFA・CRMの双方に装備されているため、営業担当者から顧客まで多くのメリットをもたらす。

たとえば、従来の顧客管理は、1社1社ファイルを作成し、必要に応じて複数のファイルを開き、見比べ……というように、手間がかかっていた。ところが、「Salesforce(セールスフォース)」では、これらの作業をすべてクラウド上で一括して行うことができる。

また、受注と失注のデータを「Salesforce(セールスフォース)」独自のAIが分析。受注・失注の差からリード(見込み顧客)に優先順位をつけてくれる。

これらの分析、手続きを手作業で行えば、数日かかっていたであろう。
AIならその作業を瞬時に自動で行ってくれるため、業務の大幅な効率化を図ることができる。
確かな分析に基づいた営業活動によって、リード(見込み顧客)の取り込みに成功し、業績の向上を期待できる。

競争力

SFAとCRMがバランスよく機能し、どちらのメリットも十分に実感できる。それが「Salesforce(セールスフォース)」。

複数のSFA・CRMが世に出回り、それぞれの特長を打ちだしている今、それでもなお世界トップのシェアを誇っている「Salesforce(セールスフォース)」。
多くの人・会社に選ばれているのは、以下のような強みがあるからなのである。

人工知能がとにかく優秀

「Salesforce(セールスフォース)」の最大の強みになっているのが、AI(人工知能)であろう。「Einstein(アインシュタイン) AI」は、かの有名なアインシュタインの名を冠した高機能AIである。
その高い性能を活かして、SFA・CRMとして営業支援・顧客管理を大幅に効率化する。

受注と失注の差からリード(見込み顧客)を分析し、優先順位を提案する。
営業担当者はAIの算出した優先順位で訪問すれば、効率的に受注を増やすことができるであろう。
本来マーケターが数日がかりで行っていた作業が、わずか数秒で終えられる。

「Salesforce(セールスフォース)」のAIは、取引先の評価、重要な取引先責任者までをも自動的に算出する。
科学的な分析が、営業担当者、営業マネージャー、経営者など、すべてのメンバーの業務を効率化し、残業時間を削減してくれる。

SFA・CRM・社内SNSを含むオールラウンダー

「Salesforce(セールスフォース)」の強みは、営業という仕事のほとんどすべてに対応できるオールラウンダーである点。
そもそも「Salesforce(セールスフォース)」は、1999年に世界初のSaasタイプのサービス(必要な時に必要なだけ使えるサービス)として誕生した。
現在もなお普及し続けているSFA・CRMのパイオニアでもある。
当初はSFAを重視したシステムだったが、年々CRMも強化され、今では全方位型のSaasとなっている。

SFAとしては、リアルタイムで更新される活動報告から各営業担当者の動きを共有する。誰が、いつ、どこで、どのような商談を行ったのかが把握できる。
これによって別途日報を作成する必要がなくなり、現場の営業担当者は業務が削減されるであろう。
マネージャーとしても、各営業担当者の動きを管理しやすく、わざわざ報告を催促する必要もなくなる。

CRMとしては、顧客情報から請求書や見積書を簡単に作成できるというメリットもある。ワンアクションでCRMから直接電話がかけられるので、顧客対応もスピーディになる。

社内SNSの「Chatter(チャター)」を使えば、社内外問わずに円滑なコミュニケーションをとることが可能。
活動報告へのコメントも、社内ミーティングの資料共有もできるため、業務の効率化を実感できる。

国境を越えて使える直観的なデザイン

SFA・CRMの導入にあたって、「使い方がわかりにくいのではないか」という不安を感じることであろう。
SFAやCRMといったシステムを使用したことがない場合、「難しそう」「面倒くさそう」という先入観もあるかもしれない。

このような不安を払拭してくれるのが「Salesforce(セールスフォース)」の高いデザイン性である。
「洗練された」という意味だけではなく、とにかく使い方がわかりやすいのが特長といえる。
開発国であるアメリカだけではなく、アジア、ヨーロッパ諸国で利用されているのは、どの国でも使いやすいからだとも考えられる。

あらゆる業務にアクセスできるよう、直観的にわかりやすいアイコンが操作を案内する。
1つの画面の中に、必要な機能を集約してあるので、「どこを見ればいいかわからない」という問題が発生しにくいことが強みである。

最短1時間以内に応答してくれるほど充実したサポート制度

「Salesforce(セールスフォース)」の強みは、万全のサポート体制にもある。SFA・CRMの導入に踏み切れない方は、導入後に定着するかどうかが不安になっているかもしれない。

しかし、「Salesforce(セールスフォース)」は導入後の定着を確かなものにするためのサポートが充実している。
「Basic Success Plan(ベーシック・サクセス・プラン)」「 Premier+ Success Plan (プレミア・サクセス・プラン)」の2つのプランからサポートを選ぶことが可能。

「Basic Success Plan(ベーシック・サクセス・プラン)」では、「Salesforce(セールスフォース)」 の愛用者から、トラブル時の対処法を提供してもらうことができる。
「知恵袋」のように、過去の解決方法を閲覧すれば、トラブルがあっても解決できるであろう。

「 Premier+ Success Plan (プレミア・サクセス・プラン)」では、さらに手厚いサポートを受けることができる。
自社にシステム担当がいなくても、セールスフォースのエンジニアが代行してくれる。
24時間年中無休のオンライン対応で、トラブルが発生しても重要な問題なら1時間以内に初期対応をしてくれる。

「 Premier+ Success Plan (プレミア・サクセス・プラン)」は、「Salesforce(セールスフォース)」 の最上位エディションなら追加料金なしで受けられる。
これだけの手厚いサポート体制があるからこそ、導入後も定着しやすいSFA・CRMとして選ばれているのである。

社内コミュニティの強化に最適

「Salesforce(セールスフォース)」 には、「chatter(チャター)」という社内SNS機能もついている。
「Chatter Messenger(チャター・メッセンジャー)」ではマンツーマンのチャット、あるいはグループチャット(最大10名まで)が可能。

ユーザーなら誰もが使用できる機能であるため、別の部署とも容易にやり取りができる。営業と事務、人事と事務など、円滑なコミュニケーションを支援する。

「Chatter Screensharing(チャター・スクリーンシェアリング)」機能を併せて利用すれば、もっと業務の効率化を進められるであろう。
この機能では、「chatter(チャター)」を利用しているユーザー同士で画面を共有できる。
作成した資料を表示した画面や、「Salesforce(セールスフォース)」の1画面を共有しながらチャットを進めることで、共通理解を測ることができる。

会議の前にある程度共通認識が必要な場合にも応用でき、簡単な会議ならチャット上で済ませることができる。
そうなれば、わざわざメンバー全員が会社に集合する必要もなくなり、出張先からもでも場所を選ばずに会議ができる。
何よりもいつでもどこでもコミュニケーションが簡単にとれるようになることで、業務もスムースに行えるようになる。

「Salesforce(セールスフォース)」が世界で200万人、10万社以上で利用されているのはなぜであろうか。
それは、ご紹介してきた強みはもちろんのこと、より多くの業種が活用できる工夫があるからである。
ここでは、「Salesforce(セールスフォース)」が圧倒的なシェアを誇る理由についてご紹介する。、

細かくカスタマイズでき、多くの業種にフィットする

「Salesforce(セールスフォース)」が多くの会社で利用されているのは、それだけ多くの需要があるからである。
多様な業種が利用するためには、業務内容に合わせてカスタマイズしやすいかどうかが大切となる。

マルチデバイス対応のため、営業担当者は特にスマホへアプリをインストールして使用することが多い。
アプリ内の「アクション」という機能を使って、最もよく使う機能をワンタッチで選択できる。
この機能を使用して、SFA・CRMに抵抗のある方に向けて、不要な機能はすべてカットし利用しやすくカスタマイズできる。

また、金融サービス、医療、小売、通信など、多様な業種にフィットするための工夫が公式webサイトにもある。
公式webサイトからEBOOKをダウンロードするか、あるいはデモンストレーションを見ることで、最適な使い方が分かる。

業種によって多様な使い方ができる「Salesforce(セールスフォース)」だからこそ、シェア率が高いとも考えられる。

操作性が高くどの国でも定着しやすい

「Salesforce(セールスフォース)」は、中国語、英語、日本語、フランス語、デンマーク語、韓国語、フィンランド語、タイ語など、計16か国語に対応している。多くの国で実績をあげている大きな理由はここに起因する。

しかし、対応可能な言語が幅広いだけではない。
ユニバーサルデザインのように、言葉を介さずとも直観的に操作できるトップ画面も強みである。

「Salesforce(セールスフォース)」なら、目的の画面までの操作がわかりやすく、年代や性別を超えて使いやすさを実感できる。

多様な言語に対応している上に、国境を越えた操作性の高さが「Salesforce(セールスフォース)」のシェアを向上させている。

国際的SFA・CRMだから海外支社・事業所でも使いやすい

多くの言語に対応している「Salesforce(セールスフォース)」だからこそ、海外に支社を構える大規模な国内企業にも愛用されている。
中小企業にも対応可能な「Salesforce(セールスフォース)」ですが、企業規模が大きい方が効果を実感しやすいであろう。
中小企業から大企業まで幅広く対応できる点が「Salesforce(セールスフォース)」のシェアを拡大している理由ともいえる。

大企業で、日本国外にも支社や事業所を構えている場合、さまざまな言語を使いこなす社員が多く在籍しているであろう。
そのため、多言語に対応し、操作性も高い「Salesforce(セールスフォース)」なら安心です。国を越えた、シームレスな情報共有が実現できる。

実際、NTTコミュニケーションズや、セブン&アイホールディングスのような大企業でも「Salesforce(セールスフォース)」が導入されている。
いずれも海外支社との連携が不可欠である。時差や言語も関係なく社内外とコミュニケーションがとれるSFA・CRMだからこそ、世界でもトップのシェアを維持しているといえる。

導入までのサポートが行き届いている

競合他社も多い中、「Salesforce(セールスフォース)」がここまでシェアを伸ばしているのはサポートが強力だからである。

企業内部にシステム開発部などがあり、専任の社員がいれば、定着までのプログラムなどを内部でまかなえるであろう。
しかし、企業内にそのような部署も担当者もいない場合は、SFA・CRMを導入するのは難しいもの。

「Salesforce(セールスフォース)」なら、サポートプログラムが2タイプから選択可能。より上位のサポートプログラムを選べば、困った時にその場でオンライン上にて質問することができる。

このサポートはどの国でも利用可能なうえに多言語対応しています。それゆえに高いシェア率を誇っているといっても過言ではないであろう。

業績推移

2021年1月期の連結損益計算書

売上高は約2.3兆円、粗利率は約74%と非常に高くなっている。一方で研究開発費、販管費が大きく営業利益率は2%とそれほど高くはない。
その他収益が約2,274億円計上されている。投資有価証券の含み益により発生。
法人税が約1,600億円マイナスで計上されているが、無形固定資産をグループ内で移転したことに伴い繰延税金資産を計上したことによりマイナスとなっているようなのですが詳細は不明。
営業利益はそれほど発生してないが、イレギュラーな利益が発生したことにより2021年1月期は4,397億円の黒字決算となっている。

売上の9割以上はサブスクリプション方式で入ってくる手数料。

1割程度が法人向けのプロフェッショナルサービスになっている。

地域別に見た売上の構成比は以下の通り

CRMのサービスを支えるアプリとしては、以下の4つが代表的。

経営者

マーク・ベニオフ
Chair & Co-CEO

マーク・ベニオフはセールスフォース・ドットコムの会長、共同CEO 兼 創業者で、クラウドコンピューティングのパイオニアでもある。

ベニオフのリーダーシップの下、セールスフォース・ドットコムは今や世界で最も早く成長したトップ5のエンタープライズソフトウェア企業にまで成長し、グローバルをリードするCRMを提供している。

1999年にセールスフォース・ドットコムを設立して以来、信頼性(Trust)、顧客の成功(Customer Success)、イノベーション(Innovation)、そして平等(イクオリティ、Equality)という4つのコアバリューのもと、3万人を超える社員数を有するFortune 500の一社にまで成長させた。セールスフォース・ドットコムはまた、Forbes誌による「ソフトウェア業界における最も革新的な会社」の一社に、Fortune誌による「最も働きたい会社」に、そしてFortune誌による「世界で最も称賛される企業」の15位に選ばれている。

ベニオフは、Forbes誌による「Innovator of the Decade」や、Fortune誌による2017年度の「今年の最優秀ビジネスパーソン」のリストで3位を獲得したほか、Fortune誌による「世界の最も偉大なリーダー25人」、やハーバードビジネスレビュー誌による「15 Best-Performing CEOs」に選ばれている。ベニオフは平等においてもリーダーシップを取っており、中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟(GLAAD:Gay & Lesbian Alliance Against Defamation)やビリー・ジーン・キング・リーダーシップ・イニシアティブ (BJKLI)、EmPOWermentアワードを開催するバラエティ誌から称賛されている。

ベニオフは、すぐれた製品を開発するためだけではなく、世の中に良い影響を与えることを目的としてセールスフォース・ドットコムを他に類を見ない会社として設立した。設立時より、ベニオフは地域社会に還元する社会貢献活動の「1-1-1モデル」を作り、セールスフォース・ドットコムのリソースを活用して世界中のコミュニティをより良くしていくことを支援している。今日、5,000社を超える企業がPledge 1%に参加している。

ベニオフと彼の妻であるLynnは、子供たちの健康や環境、公教育やホームレス問題に注力した社会貢献活動を行っている。The Benioffsはカリフォルニア大学サンフランシスコ校に2億5000万USドルを寄付し、サンフランシスコとオークランドにUCSF Benioff Childeren’s Hospitalsを設立した。2016年には、カリフォルニア州サンタバーバラ校にthe Benioff Ocean Initiativeを作り、世界の海洋に関する調査や問題解決に取り組んでいる。

世界経済フォーラム評議員会のメンバーとして名を連ね、サンフランシスコにおける第4次産業革命の世界経済フォーラムセンターの会長を務めている。

セールスフォース・ドットコムを設立以前に、ベニオフは13年間Oracle Corporationに在籍し、社歴上最も年齢の若いバイスプレジデントにも就任していました。14歳の時、ベニオフが開発した最初のソフトウェア「How to Juggle」を75USドルで販売した。15歳の時には彼が最初に立ち上げた会社であるビデオゲーム制作会社「Liberty Software」を設立した。

ベニオフは、現在自身が評議員(the Board of Trustees)を務めている南カリフォルニア大学(University of Southern California)において、1986年に経営学の学士号を、2014年には同大学で文学の名誉学位を取得している。

今後の見通し

毎年20~25%プラスの順調な業績拡大を見せている。

その成長の原動力となっているのは、セールスフォースが行っている積極的なM&Aである。

セールスフォースは2013年頃からIT企業の大型買収に乗り出し、企業業績を急速に拡大してきた。

過去のM&Aの例は以下の通り。

こうした企業はセールスフォースの事業と相性が良く、シナジー効果によって業績が拡大した。

たとえばExactTargetの場合、2013年に買収されてからわずか6年で売上高が5倍以上に拡大している。

Slackの買収が2020年12月に発表した買収額は驚きの約277億ドル(約2兆8850億円)。

Slackは社内SNS、コミュニケーションツールとして有名。

セールスフォース・ドットコムとパートナーのエコシステムで形成される「Salesforce エコノミー」が、2021年から2026年の間に日本で44万300人(世界で933万人)の新規雇用と974億ドル(世界で1兆600億ドル)の新規事業収益を創出することを報告。また、現在日本における同エコシステムは、日本でのビジネス規模の5倍であり、2026年には6.5倍に拡大すると推定。また、日本における2026年のエコシステムの事業収益は2020年の事業収益と比較して3.2倍に拡大すると予測した。

また、セールスフォースは5年後のFY2026(2026年1月期)に現在から2倍となる売上高US$50bil(約5.5兆円)を目指す。

株価推移

ニューヨーク証券取引所に上場したのは2004年6月。

上場した頃の株価は3~4ドル前後だったため、この17年間で約100倍に成長している。

中長期間で株価が10倍になった銘柄を「テンバガー」と呼ぶが、セールスフォースの株価拡大はそのテンバガーさえ遥かに凌ぐ成長力である。

【2008~2009年】リーマンショックの影響で株価が下がるも業績は好調
【2015~2018年】我慢の年を乗り越えて株価が急拡大
【2020~2021年】コロナショックの影響は軽微で株価は継続して最高値を更新

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