【企業分析】三菱商事
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概要
三菱商事株式会社は、東京都千代田区丸の内に本社を置く三菱グループの大手総合商社。日経平均株価およびTOPIX Core30、JPX日経インデックス400の構成銘柄の一つ。
単に「商事」と言った場合は三菱商事を指すことが多い。原料炭等の資源筆頭に機械、食品、化学品等の事業基盤厚い。
全社拠点数(2022年9月1日現在)
国内 9
海外 111(事務所等51/現地法人 本店36、支店等24)
連結対象会社数(2022年6月30日現在)
子会社 1,271
関連会社等 432
組織体制(2022年7月1日現在)
プロダクト・ビジネスモデル
【三菱商事の業務内容】
・トレーディング業務
・事業投資業務
・コーポレートスタッフ業務
・トレーディング業務
トレーディング業務では、様々な商材・サービスの川上(原料)⇔川中(製品)⇔川下(販売)を仲介する業務であり、商流全体の流れを統括しています。
・事業投資業務
事業投資業務では、トレーディング業務で関わっている企業(仕入先・販売先含む)に対して投資を行い、プレイヤー兼投資家としてビジネスの規模を大きくする業務を行なっています。
一口に投資と言っても単純な資金投資だけを行うのではなく、人材や情報、顧客紹介など様々なリソースを提供することで、ビジネスのあらゆる面で投資先企業のサポートを行なっていきます。
・コーポレートスタッフ業務
コーポレートスタッフ業務では、会社全体の業務を支えるバックオフィス業務を行っています。
三菱商事の組織図にて、コーポレートスタッフ業務を担当している部署を確認することができます。
ビジネスモデルの変化
従来は「仲介(貿易)事業者」
取引先の間に立ち、仲介手数料・金融手数料を得ることが中心。投資によって手数料の拡大を狙う。
今では「総合事業会社」へ
業界全体を見渡し、取引先、投資先の競争力強化・企業価値向上を支援、サービス対価を得るとともに、投資先からの配当、連結収益の拡大を狙う。
川上から川下の各段階で、顧客のニーズに応じ、必要なところに「資源開発」、「生産」、「輸送」、「販売」等の機能を提供。
天然ガス事業
天然ガス事業では、天然ガスやLNG(液化天然ガス)など環境負荷の低いエネルギー資源の開発・供給を行なっています。
三菱商事の天然ガス事業の組織構成は次の通りです。
LNGのプロジェクト一覧を見るとわかるように、東南アジアへの進出に積極的な印象を受けます。
50年以上前から参画しているプロジェクトもあるので、現地企業とのコネクションは相当強いものだと想像できますね。
LNG(液化天然ガス)分野の事業展開
LNG(液化天然ガス)プロジェクトイメージ
LNG(液化天然ガス)とは、天然ガスをマイナス162度に冷却し液化したものです。
海上のプラットフォームで採掘された天然ガスは、パイプラインを通じて液化プラントに運ばれます。
液化することで体積が約600分の1まで減少し、タンカーなどによる大量輸送が可能となります。
総合素材事業
複合素材事業では、炭素材やセメントなど、素材の販売取引や事業開発・事業投資を行なっています。
総合素材事業の組織構成は次の通りです。
三菱商事と双日との合弁会社であるメタルワンは、国内外に140以上の拠点持ち、世界各国の鉄鋼需要に応えています。
石油化学事業
石油化学事業では、燃料、化学素材を供給しています。
持続可能な社会の実現に向けて、燃料アンモニア事業やリサイクルPET・環境対応素材製造事業の推進に取り組んでいます。
石油化学事業の組織構成は次の通りです。
金属資源事業
金属資源事業では、鉄鋼原料、非鉄金属の各分野において、トレーディング・開発・投資などを行なっています。
脱炭素、電化、循環型社会などの社会トレンドを見据えながら、各分野において顧客ニーズを満たすとともに、事業価値の最大化を図っています。
金属資源事業の組織構成は次の通りです。
また、金属資源事業では以下の国々に進出してビジネスを展開しています。
鉄鋼ビジネス
*BMA=三菱商事がMDP(オーストラリアの三菱商事の100%出資子会社)を通じてBHP Billitonと共にそれぞれ50%の権益を保有する石炭合弁事業
産業インフラ事業
産業インフラ事業では、プラントエンジニアリング、産業機械、船舶・宇宙航空機での各分野において多様なビジネスモデルを展開しています。
産業インフラ事業の組織構成は次の通りです。
自動車モビリティ事業
自動車モビリティ事業では、自動車関連の一連のバリューチェーンをASEANを中心にグローバルに展開しています。
自動車モビリティ事業の組織構成は次の通りです。
三菱自動車や三菱ふそうトラック関連の世界展開の状況は下記のとおりです。
白動車•タイいすゞ
ピックアップトラックとは?
車体後部が荷台になっている「商用車」。
乗用、運搬用など幅広い用途に使用され、タイの自動車の約6割を占めています。
食品産業事業
食品産業事業では、「食」に関わる商品を消費者にお届けする事業をグローバルに展開しています。
原料の生産・調達から製品製造に至るまでサプライチェーン全体を支えた上で、業界が抱える課題を率先して解決していきます。
食品産業事業の組織構成は次の通りです。
また、三菱商事の食品事業といえば鮭鱒でしょう。鮭鱒養殖を展開している地域は以下の通りです。
食糧関連事業
コンシューマー産業事業
コンシューマー産業事業では、リテイル、アパレル・S.P.A.、ヘルスケア、食品流通・物流、タイヤ等の各事業領域においてサプライチェーン全体を通した社会・環境課題の解決に取り組んで参ります。
コンシューマー産業事業の組織構成は次の通りです。
コンシューマー産業事業で扱っているデータマーケティングビジネスの要として、「Ponta」と「au WALLET」があります。
2020年5月に両ポイントは統合され、現在は1億人を超える会員数を誇っており、三菱商事グループが力を入れているデジタルマーケティングに大きく貢献しています。
電力ソリューション事業
電力ソリューション事業では、発電(供給側)事業、エネルギーサービス(需要側)事業を展開しています。
社会の脱炭素化に大きく貢献する再生可能エネルギー事業、分散型太陽光発電等を活用した電力分野における新事業創出などを行なっています。
電力ソリューション事業の組織構成は次の通りです。
電力ソリューション事業は幅広い地域に拠点があり、海外でのプレゼンスが年々増していることがわかります。
複合都市開発事業
複合都市開発事業では、都市化や低環境負荷といった社会・環境ニーズに応え、都市開発、インフラ、アセットファイナンスの事業に取り組んでいます。
複合都市開発事業の組織構成は次の通りです。
複合都市開発と言われてもイメージしづらいですが、下記を見るとクリアになります。
部門別業績
市場動向
総合商社業界の動向
以下にて総合商社業界の動向を4つ紹介していきます。
■市場規模
■資源分野から非資源分野へ
■ デジタル戦略の強化
■事業投資から事業経営へ
市場規模
2020年-2021年の総合商社業界の業界規模(主要対象企業8社の売上高の合計)は50兆7,955億円となっています。
2020年は記録的な原油安に加え、石炭や天然ガス、鉄鉱石などの資源価格が下落し、資源価格の影響を受けやすい総合商社業界にとっては厳しい1年となりました。
また新型コロナに伴う各国の出入国の制限により世界中のサプライチェーンが分断し、非資源分野でも減収を余儀なくされました。
しかし2021年の総合商社業界は一転して、世界的な金融緩和や渡航制限による労働者不足・経済再開期待などを背景に資源価格が上昇しています。
特に2021年後半から2022年にかけては原油をはじめ、銅やLNGなどの資源価格が高騰していることから、2021年の総合商社は増収増益が期待されています。
資源分野から非資源分野へ
資源分野は、主に石油や天然ガスなどのエネルギー資源や、鉄鉱石などの金属資源を取り扱います。このような鉄やエネルギーは、国の根幹となる領域ということもあり、取引額も非常に大きいのが特徴です。
そのため今までの総合商社は、海外の資源ビジネスに大量に投資し、その資源を世界中に販売することで巨額の利益を上げてきました。
しかし資源分野の収益は資源価格の市況次第で大きく変動するため、収益がコントロールできないという危険な側面がありました。
というのも売り物である資源の価格が大暴落してしまったら、大きな痛手をこうむることになります。
実際、2016年に起きた「資源の急激な値崩れ」により、収益における資源分野の割合が高い三井物産と三菱商事が創業以来の赤字を出しました。
上記を受け現在、商社業界全体が「非資源分野への注力」を掲げています。
非資源分野とは資源分野に含まれない事業のことを指しており、様々な商材があります。特に有名なものを挙げると、食料品や機械、住宅、繊維、情報通信事業などです。
例えば伊藤忠商事は、繊維や食品、機械などの非資源分野(※2)に圧倒的な強みを持っており、資源割合を3割程度に抑え「非資源商社No.1」の地位を築いています。
(※2)伊藤忠商事の非資源分野の代表例
繊維:国内最大手のジーンズメーカー「エドウイングループ」の子会社化
食品:アメリカの成果物大手「ドール・フード・カンパニー」の買収
小売:コンビニ大手「ユニー・ファミリーマートホールディングス」との経営統合
機械:外車ディーラー「ヤナセ(ベンツ・アウディ・BMWなどを取り扱う)」の子会社化
デジタル戦略の強化
各社強みを生かした事業再編を行っていますが、全社的に取り組んでいるテーマはDX(デジタルトランスフォーメーション)です。
例えば伊藤忠商事では、バリューチェーンの最適化に加え、消費者接点の高度化を意識したDXを推進していきます。具体的には、ファミリーマートにおけるサイネージ広告の設置や「ファミペイ」アプリの拡大、小売分野ではAIカメラを活用した顧客行動分析などを行っています。
その他、三菱商事では、DXによる食品流通の最適化を模索しています。具体的には、AIによる食品需要の予測をメーカー、食品卸、小売りが共有する仕組みを考えました。
AIによる需要予測をバリューチェーンで共有することで、在庫の最適化を図り、作り過ぎによる食品ロスの減少を目指しています。
このようにバリューチェーン全体を押さえている総合商社にとって、DX導入のインパクトは非常に大きいものです。総合商社のこうした取り組みは、日本の産業全体のDXを加速させる可能性を秘めています。
三菱商事の強み
資金力
三菱商事の強みとしては、莫大な資金力が挙げられます。
三菱商事グループは兆円単位でビジネスを展開しており、豊富な資金力から一気に事業を形成することができます。
潤沢な資金力に支えられるため、事業提携や企業買収など様々な事業機会にアプローチすることができます。
三菱商事グループは兆円単位でビジネスを展開しており、豊富な資金力から一気に事業を形成することができます。
潤沢な資金力に支えられるため、事業提携や企業買収など様々な事業機会にアプローチすることができます。
人財力
三菱商事を成長させているのは、優秀な人財のおかげだと主張する人もいます。それほどまでに、三菱商事の人財力は高いのです。
国内外のハイスペックな学生のみを採用していると言ってしまえばそれまでですが、社内の研修制度も充実しているので、入社後に成長する機会も充実しています。
まさに、「優秀な人財×優秀な人材育成プログラム」の鬼に金棒状態です。
PCスキルや外国語を学習する制度が充実していることはもちろん、リーダーシップや経営力などのハードスキルを磨くことも可能です。
世界と戦っている三菱商事社員には、ソフト・ハードの両面で非常に高いスキルを持ち合わせた方々が多いのです。
非資源事業の基盤
非資源事業の基盤も三菱商事の強みです。
2021年8月3日に発表された2021年度第1四半期決算を確認すると、商品市場の影響を強く受ける市況系事業の連結純利益は636億円であるのに対して、市場の影響を受けづらい事業系事業(非資源事業)の連結純利益は1,173億円となりました。
三菱商事の業績は資源価格に左右される印象があったところ、今では伊藤忠商事のような堅実性も誇っており、収益基盤が安定しています。
業績
経営者
三菱商事は2022年4月1日付で社長の垣内威彦氏(66)が会長に、常務の中西氏が社長に昇格する人事を発表。会長の小林健氏(72)は相談役となる。
「新型コロナウイルス感染症の影響で生活様式が大きく変化し、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などのDX(デジタルトランスフォーメーション)革命、カーボンニュートラル(炭素排出実質ゼロ)社会に向けた動きなど、あらゆる分野で環境変化が加速度的に起こっている。こうした重要課題に対し、自ら先頭に立って取り組んでいく覚悟だ」
こう語るのは、中西勝也氏(61)。
中西氏は1960年10月大阪府生まれ。85年東京大学教養学部卒業後に三菱商事入社。電力畑が長く、コロンビア、メキシコ、ニューヨーク、ドバイと4度の海外駐在を経験。
ドイツの海底送電事業をゼロからやり遂げた自信を胸に、ヨルダンの太陽光発電やカタールでのガス火力発電・造水プロジェクトへ参画。2019年から常務執行役員として、電力ソリューショングループのCEO(最高経営責任者)に就任。かねてから次期社長の本命と言われてきた。
垣内氏はトップの要件として、時代の流れを見極めて構想する力、パートナーとの信頼関係を構築する人間性、そして、時に反感を買いながらも決断し説明する力という3つを挙げる。
財務状況
株価推移
相対株価