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【企業分析】三井物産
8031 (東証プライム)
時価総額:6.58兆円
株価:4,200円
売上高:11.76兆円
経常利益: 1.16兆円
(2022年)
事業内容: 卸売業
設立年:1947年
本社:🇯🇵 東京都千代田区大手町
代表者: 安永竜夫(代表取締役会長)、堀健一(代表取締役社長CEO)
従業員数: 単独5,494名、連結44,336名
主要株主: 日本生命2.08%、三井住友銀行1.52%
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概要
三井物産株式会社は、東京都千代田区大手町に本社を置く三井グループの大手総合商社。三井不動産・三井銀行(現:三井住友銀行)と並ぶ『三井新御三家』の一つ。鉄鉱石、原油の生産権益量は商社の中でも群を抜いている。通称は物産。日経平均株価およびTOPIX Core30、JPX日経インデックス400の構成銘柄の一つ。
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日本で有名な5大総合商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事)の1つです。総合商社は資源関連株とみられることもあり、実際に資源(原油、天然ガス、鉄鉱石、石炭、銅、ニッケルなど)で大きな利益をあげています。
プロダクト・ビジネスモデル
金属資源事業、エネルギー事業、機械・インフラ事業、化学品事業、鉄鉱製品事業、生活産業事業、次世代・機能推進事業、の7つの事業を展開しており、それぞれの分野で「トレード」と「事業投資」の2つを両輪としてビジネスを行なっています。
金属資源事業
金属資源事業では、金属資源の領域で事業投資・開発やトレーディングを通じて、産業社会に不可欠な資源、素材、製品の確保と安定供給を実現するとともに、環境問題の産業的解決に向けた資源リサイクルにも取り組んでいます。
ビジネス分野は次のとおりです。
地下資源の開発・加工・販売
(鉄鉱石、原料炭、合金鉄、銅、アルミ、ニッケル、コバルト、リチウムなど)
地上資源・リサイクルの推進
(冷鉄源、アルミ、銅、石油コークス、二次電池)
【三井物産の金属資源事業の強み】
・コスト競争力・生産量・鉱量の三位一体の資産ポートフォリオによる下方耐性とアップサイドを兼ね備えた強固な収益基盤
・強い地下資源事業に立脚したバリューチェーンでの幅広い機能発揮とグローバルな市場プレゼンス
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エネルギー事業
エネルギー事業では、石油や天然ガス/LNG、石炭、原子燃料などの事業投資や物流取引を通じ、産業・社会に不可欠なエネルギー資源の確保と安定した供給体制の確立を目指しています。
また、低炭素社会の実現に向け、次世代電力(分散太陽光・蓄電池・エネルギーマネジメントなど)、次世代エネルギー(水素・バイオ燃料など)も扱っています。
【三井物産のエネルギー事業の強み】
・優良な石油ガス上流/LNG資産ポートフォリオおよびキャッシュ創出力
・トレーディング能力(リスク管理やロジスティクス構築ノウハウなど)
・グローバルな市場プレゼンスと顧客基盤
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機械・インフラ事業
機械・インフラ事業では、発電、電力・ガス・水の供給、鉄道、物流インフラなど、生活に欠かせない社会インフラを提供しています。
【三井物産の機械・インフラ事業の強み】
・幅広い顧客基盤・ネットワークと一流のパートナーとの協業
・底堅い需要に裏打ちされたインフラ資産
・国創りへ貢献する地場に根差した案件開発力
・デジタルインフラ・次世代モビリティ・バッテリー・新燃料・事業領域を超えた他本部との協働(総合力)
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化学品事業
化学品事業では、基礎化学品、無機原料などの川上領域から、多様な用途にわたる機能性素材、電子材料、スペシャリティケミカル、農業資材、アニマル・ヒューマンニュートリションなどの川下領域で展開しています。
【三井物産の化学品事業の強み】
・素材を通じたさまざまな産業への接点を活かしたトレンドやニーズの変化に応じたソリューションモデル型事業
・持続可能な社会の実現、QOL(生活の質)の向上へ貢献する素材の安定供給
・ヒト、動植物の健康・栄養の向上に資する科学的ソリューション
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鉄鋼製品事業
鉄鋼製品事業では、モビリティ・インフラ・エネルギー・流通の4領域で、鉄を始めとする素材の力を活かし、産業課題・顧客の潜在的ニーズを先取りしたモノ・コトの創出を目指しています。
【三井物産の鉄鋼製品事業の強み】
・製鋼から部品製造、鋼材加工・販売まで、幅広くサプライチェーンをカバー
・トレーディング部隊(三井物産スチール、エムエム建材、日鉄物産)が持つグローバル顧客ネットワーク
・インフラメンテナンス事業など、鋼材サプライチェーンにとどまらない多様なサービス展開
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生活産業事業
生活産業事業では、食料、食品、マーチャンダイジング、リテール、ウェルネス、ヘルスケア、医薬、ホスピタリティ、人材、ファッション・繊維などの事業分野において、付加価値のある商品・サービスの提供、事業開発、投資などを行っています。
【三井物産の生活産業事業の強み】
・食に対する多様なニーズに結びついた商品開発力と安定供給力
・アナログ・デジタル双方の機能を活用した幅広い消費者との接点とグローバルな優良パートナーとの協働
・筆頭株主であるIHHを中心とした病院クリニック領域の事業基盤
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次世代・機能推進事業
次世代・機能推進事業では、次世代を担うビジネスの創造に向け、ICT、金融、不動産、物流など、多様な領域で事業を展開しています。
また、技術の変化を捉えてデジタルトランスフォーメーションにも取り組み、先進的機能の横断的な提供を通じて当社全体の事業拡大も図っていきます。
【三井物産の次世代・機能推進事業の強み】
・国内外の有力パートナーとのネットワークや顧客基盤を活かしたビジネスモデルの構築
・国内中核関係会社の技術・事業知見を活かした新規DX事業の構築
・事業経営、投資、DX人材の育成・輩出
・三井物産グループの実業経験やネットワークと、金融・不動産・物流ビジネスで培った知見を組み合わせた新たな価値の創出
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三井物産の強み
三井物産の強みと弱みを見ていきましょう。
強みから見ていきましょう。
市況関連事業の強さ
三井物産の強みといえば、やはり市況関連事業の強さでしょう。
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市況関連事業とは、金属資源やエネルギー資源に関するビジネスであり、三井物産の場合当期純利益の過半数を占める中核事業と言えます。
資源ビジネスは、原油、銅、鉄鉱石などの資源価格が上昇すれば直接的に業績にプラスに作用するので、2022年以降の資源高の恩恵を受けることができます。
グローバルネットワーク
三井物産は、総合商社のなかでも随一のグローバル・ネットワーク力を誇っています。
世界各国に拠点を構えており、世界中にアプローチできる体制を整えています。
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ただし、この強みは資源事業に依存していることの裏返しでもあります。資源は国外から調達する他ないので、国外に拠点を構えて資源事業を展開せざるを得ないのです。
海外拠点を資源事業以外でも活用できるようになれば、様々なビジネスで海外マーケットを先取りすることが可能となるでしょう。
三井物産の弱み
資源事業に依存している
三井物産の代表的な弱みとして、資源事業に依存していることが挙げられます。
以下は「統合報告書2022」に記載のあった事業ポートフォリオですが、資源事業に該当する「金属資源」「エネルギー」が全体のおよそ70%を占めていることが分かります。
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強みを弱みに言い換えているようですが、会社全体の業績が資源価格に左右されてしまうのは、安定性の観点からすれば不安材料と解釈できます。
資源事業は強みとして持ちつつも、非資源事業をもっと成長させていく必要があるでしょう。
新規投資のプロセスが遅い
三井物産はビジネスを合議制で進めるので、新規ビジネスへの参入がかなり遅いと言われています。
なかでもIT産業への進出はかなり出遅れており、今後ハイテク産業の成長の果実は享受できないことが予想されます。
このような意思決定の遅さが新規ビジネスへの参入を遅らせ、その結果資源事業から脱却できないという悪循環を生んでいるのでしょう。
このように、三井物産の「強み」はこれまで「資源分野」にあると言われていました。しかし、「資源分野」は資源の価格変動リスクが高く、市場の変化をダイレクトに受けてしまう産業であり、景気に左右されやすい点は反対に「弱み」となります。そのため、近年では食料や消費財、また医療・ヘルスケアなどの生活産業分野に積極的に投資をしています。
その中でも、以前から総合商社の中でも抜きん出ていた医療分野では、2016年にパナソニックヘルスケアホールディングスの株式22%の取得を行ったほか、2020年3月までにさらに1,200億円の追加投資を行なっています。
市場動向
総合商社業界の動向
市場規模
2020年-2021年の総合商社業界の業界規模(主要対象企業8社の売上高の合計)は50兆7,955億円となっています。
2020年は記録的な原油安に加え、石炭や天然ガス、鉄鉱石などの資源価格が下落し、資源価格の影響を受けやすい総合商社業界にとっては厳しい1年となりました。
また新型コロナに伴う各国の出入国の制限により世界中のサプライチェーンが分断し、非資源分野でも減収を余儀なくされました。
しかし2021年の総合商社業界は一転して、世界的な金融緩和や渡航制限による労働者不足・経済再開期待などを背景に資源価格が上昇しています。
特に2021年後半から2022年にかけては原油をはじめ、銅やLNGなどの資源価格が高騰していることから、2021年の総合商社は増収増益が期待されています。
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資源分野から非資源分野へ
資源分野は、主に石油や天然ガスなどのエネルギー資源や、鉄鉱石などの金属資源を取り扱います。このような鉄やエネルギーは、国の根幹となる領域ということもあり、取引額も非常に大きいのが特徴です。
そのため今までの総合商社は、海外の資源ビジネスに大量に投資し、その資源を世界中に販売することで巨額の利益を上げてきました。
しかし資源分野の収益は資源価格の市況次第で大きく変動するため、収益がコントロールできないという危険な側面がありました。
というのも売り物である資源の価格が大暴落してしまったら、大きな痛手をこうむることになります。
実際、2016年に起きた「資源の急激な値崩れ」により、収益における資源分野の割合が高い三井物産と三菱商事が創業以来の赤字を出しました。
上記を受け現在、商社業界全体が「非資源分野への注力」を掲げています。
非資源分野とは資源分野に含まれない事業のことを指しており、様々な商材があります。特に有名なものを挙げると、食料品や機械、住宅、繊維、情報通信事業などです。
例えば伊藤忠商事は、繊維や食品、機械などの非資源分野(※2)に圧倒的な強みを持っており、資源割合を3割程度に抑え「非資源商社No.1」の地位を築いています。
業績
売上高の推移
FY2020(2020年4月-2021年3月期)の売上高は8兆0,102億円と、前年度比▲5.6%となりました。
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資源(原油、ガス、鉄鉱石、石炭、銅)価格の推移
FY2020(4四半期の平均値、2020年4-6月〜2021年1-3月)の原油と天然ガスの価格は、以下の通りです。
・原油(JCC、日本輸入原油の平均CIF価格):43ドル/bbl、前年度比▲37%
・原油(WTI):42ドル/bbl、前年度比▲23%
・天然ガス(ヘンリーハブ):2.3ドル/百万btu、前年度比+3%
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FY2020(4四半期の平均値、2020年4-6月〜2021年1-3月)の鉄鉱石、原料炭、一般炭、銅の価格は、以下の通りです。
・鉄鉱石:128ドル/トン、前年度比+35%
・原料炭:119ドル/トン、前年度比▲30%
・一般炭:69ドル/トン、前年度比▲27%
・銅:6,879ドル/トン、前年度比+17%
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資源(原油、ガス、鉄鉱石、石炭、銅)生産量の推移
FY2020の原油生産量は6.8万バレル/日、ガス生産量は18.9万バレル/日となりました。
連結原油(期ずれ考慮)1ドルの変動で±25億円の損益インパクトです。
天然ガス(ヘンリーハブ)0.1ドル/百万btuの変動で±11億円の損益インパクトです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104859388/picture_pc_d2d96c2e2e662bd7587728fc9db33e49.png?width=1200)
FY2020の鉄鉱石生産量は5,820万トン、うち豪州鉄鉱石が4,150万トン、Valeが1,670万トンとなりました。
鉄鉱石価格1ドルの変動で±22億円の損益インパクト(Valeからの受取配当金に対する影響は対象外)です。
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FY2020の石炭生産量は1,220万トン、うち原料炭が900万トン、一般炭が320万トンとなりました。
原料炭1ドルの変動で±4億円の損益インパクトです。
一般炭1ドルの変動で±1億円の損益インパクトです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104859447/picture_pc_d154249bf6cd80279915b60801922196.png?width=1200)
FY2020の銅生産量は15.4万トン、銅価格(3ヶ月遅れで業績反映のため、2020年1月から2020年12月の平均価格)は6,169ドルとなりました。
銅100ドルの変動で±7億円の損益インパクトです。
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FY2020の生産量×価格は、鉄鉱石が74億ドルと最も大きな金額であり、業績は鉄鉱石の価格変動に大きな影響を受けます。
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利益(セグメント別)の推移
FY2020の純利益は3,915億円と、前年度比▲19.9%、過去5年間で年率+10.8%となりました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104859511/picture_pc_44c94068cea26796ff07e7f5b9c3fea6.png?width=1200)
セグメント別の純利益は、以下の通りです。
・鉄鋼製品:21億ドル、前年度比▲55%
・金属資源:1,799億ドル、前年度比▲2%
・エネルギー:272億ドル、前年度比▲55%
・機械・インフラ:459億ドル、前年度比▲47%
・化学品:435億ドル、前年度比+95%
・生活産業:127億ドル、前年度比▲60%
・次世代・機能推進:502億ドル、前年度比+244%
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セグメント別(その他等除く)の純利益構成比は、金属資源が50%占め、市況の影響を受けやすい金属資源とエネルギーの比率が58%と高い水準です。
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キャッシュフローの推移
FY2020の営業キャッシュフローは7,727億円と、前年度比+ 46.8%、過去5年間で年率+5.7%となりました。
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配当情報
2023年3月期の予定年間配当:130円
予想年間配当利回り:3.32%
高い配当利回りですが以前ほどは高くないです
配当金の推移
下記は三井物産の配当金推移です。配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104858999/picture_pc_58d39d8b67629400a19b25a9d932cd5c.png?width=1200)
経営者
創業者
初代社長・益田孝
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/105171084/picture_pc_791e3ff064b855d9bfd41a0d1c767c6b.png?width=1200)
益田孝は幕府陸軍の騎兵頭並(騎兵中佐)で1868年の明治維新を迎えた。日本語の英語式転写法(ローマ字)を開発したジェームス・カーティス・ヘボンによるヘボン塾で英語を学んだ後、米国公使館勤務や欧米使節団随行で英語力に磨きを掛け、幕府外国方通弁御用に採用された。幕府陸軍勤務を経て、明治維新後は外国商館向け貿易会社を設立したり、請われて外国商館にも勤めるなど、貿易実務の経験も積んだ。
そんな益田に注目したのが、時の実力者・井上馨である。彼は自らが創業した貿易会社・先収会社の副社長として益田を迎え入れた。しかし、1876年の井上の入閣により、先収会社は解散。同社事業に興味をもっていた三井組の大番頭・三野村利左衛門と井上、益田の三者会談の末、旧三井物産<注>の創立が決定した。
1876年7月1日に誕生した旧三井物産は職員16名、指揮を執るのは27歳の青年社長・益田孝だ。今でいうベンチャー企業である。新会社はその定款で、「貿易」を本務とした。益田は「三井物産会社を創立したのは、大いに貿易をやろうというのが眼目であった。金が欲しいのではない、仕事がしたいと思ったのだ」と振り返っている。また志として「眼前の利に迷い、永遠の利を忘れるごときことなく、遠大な希望を抱かれること望む」と述べている。
旧三井物産は、同年11月に三井組国産方(三井組の貿易部門)を併合し、職員70名余りに拡大。1880年までに、国内支店のみならず、上海、パリ、香港、ニューヨーク、ロンドンなど海外にも支店を開設し、事業を拡大していった。一方、益田は、1909年に三井傘下事業を統轄する三井合名会社の設立に携わるなど、多数の会社の設立に貢献、公共事業や商業教育にも力を注いだ。また、私財を投じて、情報重視と商業知識の普及を目的に『中外物価新報』(『日本経済新聞』の前身)という新聞を創刊している。
1914年に第一線から引退し、1918年に男爵を授けられた。鈍翁の号を持ち、「千利休以来の大茶人」と称されるなど、茶人・美術収集家としても名高い。
代表取締役社長 堀 健一
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/105171131/picture_pc_681f953aad1f8225e622acb30a783194.png?width=1200)
1984年、経済学部卒業後、三井物産入社。精密化学品部の配属となり、染料、顔料といったファインケミカル製品のトレーディングを担当。
1988年、米国シカゴ大学ビジネススクールに留学。1990年からは、米国三井物産投資課の配属となり、本文中にもあるNovus社の買収等を担当し、1993年から、同社に経営企画本部長として出向している。1995年に日本に帰任し、本店精密化学品部、企業投資開発部投資事業室長等を経験した後、2006年から、Senior Vice Presidentとして再び米国三井物産に赴任。
2009年から、商品市場部長。以降、2010年、IR部長、2013年、経営企画部長、2014年、執行役員経営企画部長、2017年、常務執行役員ニュートリション・アグリカルチャー本部長等を歴任し、2019年には代表取締役専務執行役員に就任。2021年4月より現職。
株価推移
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/105171220/picture_pc_fe33f21a7785a85dbfe245772076008e.png?width=1200)
株価は比較的レンジで推移していましたが、2021年以降はレンジを抜けて大きく上昇。
2022年6月にやや下落しましたが、その後戻してさらに上昇しています。
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