【読書メモ】絶滅生物の折り紙

皆さんこんにちは。図書館の棚でひっそりとその存在を主張していた『絶滅生物の折り紙』は、一見するとただの趣味の手引き書のように見えます。しかしページをめくるごとに、この本がただものではないことがわかります。マンモスやドードー鳥、モアなど、この世から姿を消してしまった生物たちが、折り紙という形で蘇ります。もしかするとこの本は、絶滅した生物たちへのオマージュであり、生物多様性の喪失に対する静かながらも強い警鐘を鳴らしているのかもしれません。

折り紙は日本の伝統的な芸術の一つであり、単純な紙を複雑な形に変えることで、無限の可能性を秘めています。『絶滅生物の折り紙』は、この伝統的な技術を用いて、絶滅した生物たちを紙の上に再現するという斬新なアプローチを採っています。各折り紙作品は、それぞれの生物の特徴を巧みに捉えており、見る者にその生物の存在感を強く印象付けます。特に表紙を飾るマンモスの折り紙は「最高難易度」らしく、その複雑さが作品への挑戦をさらに魅力的なものにしています。

『絶滅生物の折り紙』は、折り紙の技術を通じて絶滅した生物たちへの敬意を表し、私たちが住む世界の脆弱性について考えさせる一冊です。折り紙というアートを通じて、これらの生物がかつてこの地球上に存在したこと、そして今はもう見ることができない現実に、心を動かされました。