ブックオフは本好きにとっての遊園地
私は月に30冊ほど本を買う。
すべて新刊だと破産してしまうので、割合としては古本が多い。
そんな私が足繁く通うのがブックオフだ。
家の近くのブックオフはもちろん制覇済み。
車で出かけたときに未知のブックオフが目に入るとついつい寄ってしまう。
本好きの間でも愛好者が多く、こんな本まで出ているくらいだ。
何がそこまで本好きを魅了するのか。
それは、ブックオフにレジャー性があるからではないか。
いい本・欲しかった本が220円でゲットできた、あの喜び。
我々はそれを求めてブックオフに通っている。
つまり、極端なことをいうと本そのものより、"狩り"の楽しみを求めてブックオフに通うのだ。
しかも、この狩りは文化的な狩りである。
100円均一棚を眺めながら「ほうほう、この本がこんなに安く。いいのかなあ」とほくそ笑んだり、知識が増えるにつれ棚の解像度が上がることに喜びを覚えたり。
そうして自己の知識への誇りを感じながら、ホクホクとした顔で戦利品を持ってレジに向かう。
新刊書店だとこうはいかない。
そこには「値付け」の工程がないからだ。
値付けがされていない本はなんだか面白みがない。
それぞれの顔がない。
値付けをすることで、一冊一冊の本がオリジナリティを持つようになる。
その、まるで生き物のように息を吹き返した本を"狩る"ことが楽しいのだ。
カップルがディズニーランドに行くように、本好きはブックオフに行く。
カップルがポップコーンのバケツを持ち帰るように、本好きはパンパンの黒いビニール袋を持ち帰る。
カップルが満面の笑みで話し合うように、本好きは心の中で興奮して早口。
ブックオフはまさに本好きにとっての遊園地と言えるだろう。