【銘柄分析 Vol.1】 円安銘柄 R6.11.8
この銘柄分析シリーズは円安や円高などの為替状況、日本や世界の社会情勢によって上がる銘柄、下がる銘柄を徹底解説します。株初心者の方にもわかりやすく用語の説明も含めており、皆さんの株式投資に役立てていただければ幸いです。
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EX)トヨタ自動車[7203]
◆そもそも円安、円高とは?
▶︎米ドル/円(USD/JPY)チャート
ニュースなどでよく聞く「円安」、「円高」はドルと比べた日本円の価値のことをいいます。
下図がドル円のチャートになります。
ドル円(USD/JPY)チャート
上のグラフはドルを円換算した値の推移をグラフ化したものです。
基本的にドル円が上がると“円安”、逆にドル円が下がると“円高”といわれます。
値が大きくなることを「安い」と表現するのは直感と反しますが次のように考えれば誰でも円安、円高を理解することができます。
▶︎アメリカ人の視点から見る
円安、円高はアメリカ人目線で考えるとわかりやすいです。
もし、あなたがアメリカ人で日本へ旅行に行きたいと考えたとします。
わかりやすく1,000ドル持ってくことにしましょう。
1ドルの基準をまずは120円とします。
ではドル円が150円に上がるとどうでしょうか?
1ドル120円のときと比べ、あなたは30,000円多く日本円を手に入れました、
言い換えれば「日本円が安くなった」と考えることができます。
よってドル円が上がれば円安となります。
次にドル円が100円に下がるとどうでしょうか?
1ドル120円のときと比べ、あなたは20,000少なく日本円を手に入れました。
言い換えれば「円が高くなった」と考えることができます。
よってドル円が下がれば円高となります。
ただし、ここで注意すべきなのは、ドル円が上がったとき必ずしも円安と言い切れないことです。
日本円の価値が他の通貨に対して下がることを円安と呼び、ドル円チャートはあくまでも日本円とドルを比べただけに過ぎません。
この世界にはドル以外にも通貨がある上、ドルの価値も日々変動しています。
あくまでドルが基準通貨になっているだけというのを忘れないようにしましょう。
まとめ
◉【ドル円が上がる】
⇨【一定のドルで交換できる日本円が多くなった】
⇨【日本円の価値が下がった】
⇨【円安】
◉【ドル円が下がる】
⇨【一定のドルで交換できる日本円が少なくなった】
⇨【日本円の価値が上がった】
⇨【円高】
◆円安がプラスに働く業種
▶︎輸出業
円安になると、日本の企業が海外で売った製品から得られる利益が増えやすくなります。
輸出業では、海外で得たお金(ドルなど)を日本のお金(円)に換えるときに、円安の影響で多くの円が手に入り、利益が増える傾向にあるためです。
具体的には、自動車業、電子機器関連、商社などが挙げられます。
◉自動車業界
日本の自動車メーカーは、世界中に販売網を持ち、特にアメリカやヨーロッパへの輸出が多いです。
円安になると、海外で得られる利益を日本円に換算したときに収益が増えるため、自動車メーカーの収益力が向上します。
また、海外市場で価格競争力が増すこともメリットの一つです。
EX)トヨタ自動車[7203]、ホンダ[7267]、スズキ[7269]
日経採用銘柄一覧→自動車関連
ホンダ[7267]/ドル円(USD/JPY )
◉電子機器関連業界
日本の電子機器メーカーも、世界中に製品を輸出しています。
円安は収益の増加に直結し、特に家電やコンピューター、スマートフォン関連の製造業者にとっては大きなメリットとなります。
輸出量が多いため、為替の変動による影響も大きく、円安が進むほどに業績が向上しやすい傾向にあります。
EX)キヤノン[7751]、ルネサスエレクトロニクス[6723]、キーエンス[6861]
日経採用銘柄一覧→電気機器関連
ルネサスエレクトロニクス[6723]/ドル円(USD/JPY)
◉産業機械業界
産業機械もまた、日本が強みを持つ輸出製品の一つです。
円安はこれらの企業にとってもプラスの影響を与え、特に建設機械や工作機械など、海外での需要が高い製品を扱う企業にとっては恩恵が大きいです。
円安による価格競争力の強化も、輸出量の増加を促進する要因となります。
EX)東京エレクトロン[8035]、アドバンテスト[6857]、ディスコ[6146]
ディスコ[6146]/ドル円(USD/JPY)
◉商社
日本の大手商社は、様々な製品や資源を取り扱い、海外取引も多いです。
円安になると、商社が海外から得る収益が増加するため、円安によるプラス効果が期待されます。
また、円安によって海外での資源価格が相対的に下がり、輸入コストの削減にもつながる可能性があります。
EX)伊藤忠商事[8001]、三菱商事[8058]、三井物産[8031]
三井物産[8031]/ドル円(USD/JPY)
◆円安がマイナスに働く業種
▶︎輸入業
円安になると、海外から輸入する商品のコストが増加しやすくなります。
輸入業では、海外から仕入れる際に支払う外貨(ドルなど)に対して、円安によるコストが上昇するため、利益率が低下する傾向にあります。
具体的には、エネルギー関連、食料品関連、日用品関連などが挙げられます。
◉エネルギー関連業界
日本は多くのエネルギー資源を海外からの輸入に依存しており、特に石油や天然ガスの輸入が多いです。
円安になると、これらのエネルギー資源の輸入コストが上昇するため、エネルギー関連企業のコスト負担が増加します。
その結果、電気代やガソリン代が上昇し、一般消費者にも影響を与える可能性があります。
EX)INPEX[1605]、ENEOSホールディングス[5020]、出光興産[5019]
ENEOSホールディングス[5020]/ドル円(USD/JPY)
◉食料品関連業界
日本の食料自給率は低いため、多くの食料品を海外から輸入しています。
円安になると、農産物や加工食品の輸入コストが増加し、食料品メーカーや小売業者の収益に悪影響を与えることがあります。
最終的に、食品価格の上昇として消費者にも影響を及ぼすことが考えられます。
EX)神戸物産[3038]、日清食品ホールディングス[2897]、味の素[2802]
神戸物産[3038]/ドル円(USD/JPY)
◉日用品関連
日本の生活に欠かせない日用品の多くは、原材料や製品を海外から輸入しています。円安になると、こうした原材料や製品の輸入コストが上昇しやすく、日用品メーカーや小売業者の利益に悪影響が出やすくなります。
このコスト増加は、最終的に商品価格の上昇につながり、消費者の負担が増えることも考えられます。
特に、洗剤や紙製品、衛生用品などは生活必需品であるため、円安によるコスト増が小売価格に転嫁されやすい分野です。
EX)花王[4452]、ユニ・チャーム[8113]、ライオン[4912]
花王[4452]/ドル円(USD/JPY)
◆最後に
最後まで読んでいただきありがとうございました🙇
本記事では、円安により影響を受ける銘柄について紹介しました。
今後も様々なテーマに沿った銘柄紹介をしていきたいと考えています。
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